マグネシウム不足の7つの症状とセルフチェック|原因と改善方法を解説

マグネシウム不足の7つの症状とセルフチェック|原因と改善方法を解説

「最近、足がつりやすい」
「なんだかイライラする」
「夜、眠れずに疲れが抜けない」

このような症状の原因の1つとして、マグネシウム不足が考えられます

マグネシウムは体内で800以上の酵素反応に関わる重要なミネラルですが、現代人の食生活では不足しがちです。

日本人の約7割近くがマグネシウムの推奨摂取量を満たしていない、という厚生労働省のデータもあります。

この記事では、マグネシウム不足で起こる7つの症状と、簡単にできるセルフチェック、効果的な改善方法を詳しく解説します。

「自分の症状がマグネシウム不足かどうか確認したい」「なぜマグネシウム不足で不調が起きるのか知りたい」「具体的な改善方法(食事・サプリ・経皮吸収)を学びたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

あなたの不調を改善するヒントが見つかるはずです。

マグネシウム不足で起こる代表的な7つの症状

マグネシウム不足で起こる代表的な7つの症状

マグネシウム不足による代表的な7つの症状は以下です。

  • 筋肉の痙攣(けいれん)やこむら返り
  • 骨の健康状態の低下
  • 不安感やイライラ
  • 不眠症や睡眠障害
  • 頭痛や片頭痛(偏頭痛)
  • 不整脈や高血圧
  • 手足のしびれ

1つずつ詳細を確認していきましょう。

筋肉の痙攣(けいれん)やこむら返り

マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に関与しているため、不足すると筋肉が急激に収縮しやすくなります
このことが筋肉の痙攣やこむら返り、しびれなどを引き起こしてしまうのです。

こむら返りについては、こちらの記事で詳しくまとめていますので、あわせてご参照ください。

【医師監修】こむら返りの治し方と予防法!足がつる原因はマグネシウム不足って本当? 【医師監修】こむら返りの治し方と予防法!足がつる原因はマグネシウム不足って本当?

骨の健康状態の低下

マグネシウムは骨の健康にも関わっています。

カルシウムとマグネシウムのバランスが崩れると、骨密度の低下や骨粗しょう症のリスクが増大する可能性があるのです。 

丈夫な骨と健康な歯を保つためにも、日常的に十分なマグネシウムを摂取するよう心がけましょう。

マグネシウムとカルシウムは一緒に摂るべき?関係性や効果的な比率と注意点 マグネシウムとカルシウムは一緒に摂るべき?関係性や効果的な比率と注意点

不安感やイライラ

マグネシウムは、神経伝達物質のバランスを調整する役割も果たしています。

そのため、マグネシウム不足が続くと不安感やイライラ感が増し、精神的なストレスを感じやすくなることがあります。

長期的にそのような状態が続けば、抑うつなどにも進行しかねないため注意が必要です。

マグネシウムとうつ病の関係とは?精神疾患予防に期待される効果と正しい摂取方法 マグネシウムとうつ病の関係とは?精神疾患予防に期待される効果と正しい摂取方法

不眠症や睡眠障害

睡眠の質を高めるためには、神経がリラックスしていることが重要です。

マグネシウムは神経のリラックスを促進するため、不足してしまうと布団に入ってもなかなか眠りにつけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりすることがあります。

マグネシウムを意識的に摂取することで、より良い睡眠を手に入れられるようにしましょう。

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頭痛・片頭痛(偏頭痛)

マグネシウムが不足することで、血管の収縮や神経伝達の異常が起こり、結果として頭痛や片頭痛(偏頭痛)を誘発することがあります。

片頭痛(偏頭痛)の具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、脳の血管が拡張し、その周囲の神経が刺激されることによって引き起こされると考えられています。

片頭痛(偏頭痛)についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご参照ください。

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不整脈や高血圧

私たちの心臓は筋肉の一部です。

マグネシウムは心臓の筋肉を弛緩させ、正常なリズムを維持する役割も果たしています。

それゆえ不足してしまうと、心臓が不規則に動く不整脈になる可能性もあるでしょう。

また、血管壁の細胞内マグネシウムが減ると血管が収縮することで、血液の流れが滞り、高血圧のリスクも上がってしまいます

マグネシウムで血圧は下がる?上がる?経皮吸収での効果とおすすめの使用方法も紹介 マグネシウムで血圧は下がる?上がる?経皮吸収での効果とおすすめの使用方法も紹介

手足のしびれ

手足がピリピリとしびれる、感覚が鈍くなるといった症状も、マグネシウム不足の症状の1つです。

マグネシウムは神経細胞の興奮を抑え、神経伝達を正常に保つ働きをしています。
不足すると神経が過敏になり、異常な電気信号が発生することで、しびれや感覚異常が起こります。

ただし、持続的なしびれは脳血管障害など他の病気の可能性もあるため、症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

マグネシウム不足がしびれを引き起こす?原因と改善方法を徹底解説 マグネシウム不足がしびれを引き起こす?原因と改善方法を徹底解説

マグネシウム不足の症状をセルフチェックしてみよう 

マグネシウム不足の症状をセルフチェックしてみよう 

ここではあなたがマグネシウム不足の状態になっていないか、簡易的なセルフチェックで確認してみましょう。

医師監修のもとに作られた14個の質問に「はい」「いいえ」で回答していくだけで、マグネシウム不足のパーセンテージとワンポイントアドバイスが表示されます。

あなたの健康を図る指標の1つとして、ご利用ください。

 マグネシウム不足のセルフチェックする /

なぜマグネシウム不足で症状が起きるのか?

なぜマグネシウム不足で症状が起きるのか?

マグネシウム不足でなぜ体に症状が起こるのか?
その答えを知るためには、まずマグネシウムの働きを理解する必要があります。

以下の順番でマグネシウムについて理解を深めていきましょう。

  • マグネシウムの主な働き
  • マグネシウム不足が症状を引き起こす理由

マグネシウムの主な働き 

マグネシウムは体に欠かすことのできないミネラルの1つです。

成人の体内には約20〜30gのマグネシウムが存在し、60%は骨や歯、残りは筋肉や脳・神経に含まれています

体内の800種類以上もの酵素反応に関係しており、私たちの生命維持に重要な役割を果たしているマグネシウム

代表的な働きは以下です。

  • タンパク質の合成
  • 体内のミネラルバランスの調整
  • 骨の強度の維持
  • 神経伝達の制御
  • 心機能の維持
  • 体温や血圧の調節
  • 筋肉の弛緩
  • 便秘の改善

以下の記事ではマグネシウムの働きや効果について、さらに詳しくご紹介していますので、あわせてご覧になってください。

マグネシウムの効果とは?体に効く理由と効率的な3つの摂取方法を完全解説 マグネシウムの効果とは?体に効く理由と効率的な3つの摂取方法を完全解説

マグネシウム不足が症状を引き起こす理由

マグネシウムが不足すると体に不調や症状が現れるのは、マグネシウムが体内で多くの働きを担い、健康維持に欠かせない重要な役割を果たしているためです。

言うなれば、マグネシウムは体内のあらゆる機能をサポートする潤滑油のようなもの

不足してしまうと、機械に不具合やエラーが発生するように、体にも様々な症状が現れるのです。

マグネシウム不足の症状を予防する3つの摂取方法

マグネシウム不足の症状を予防する3つの摂取方法

マグネシウムは体内で合成できないため、どうしても体外から摂取する必要があります。
そこで、マグネシウム不足を予防するための代表的な3つの摂取方法をお伝えします。

  • マグネシウム不足の症状を予防する摂取方法① 食事
  • マグネシウム不足の症状を予防する摂取方法② サプリメント
  • マグネシウム不足の症状を予防する摂取方法③ 経皮経費吸収

それでは早速、1つずつその内容を確認していきましょう。

マグネシウム不足の症状を予防する摂取方法①
食事

マグネシウム摂取の基本となるのが食事です。

バランスのいい食事はマグネシウムだけでなく、体に必要な他のミネラルや栄養素も摂れるため、理想的な摂取方法といえます。

以下の一覧はマグネシウムを多く含む食材をまとめたものです。

食品名100gあたりマグネシウム含有量(mg)
ひじき640
きな粉260
玄米ごはん110
ほうれん草40
バナナ32
そば(ゆで)27

参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年|文部科学省

「食事でマグネシウムを摂りすぎることはないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ご安心ください。

普通の食事であれば、マグネシウムの過剰摂取を気にする必要はありません

厚生労働省は以下のように報告しています。

“なお、サプリメント以外の通常の食品からのマグネシウムの過剰摂取によって好ましくない健康影響が発生したとする報告は見当たらないため、通常の食品からの摂取量の耐容上限量は設定しなかった”


引用:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省

さらに「Harvard T. H. Chan School of Public Health’s Department of Nutrition」も、食事によるマグネシウムの過剰摂取は安全だと提言しています。

“Extra magnesium from food is safe because the kidneys will eliminate excess amounts in urine. ”

「マグネシウムは腎臓から尿として排出されるため、食品から過剰に摂取しても安全である」

引用:School of Public Health’s Department of Nutrition「Magnesium」|Harvard T. H. Chan

下記の記事ではマグネシウムを豊富に含む食品をランキングでお伝えしています。

ぜひあわせてご参照ください。

【24選】マグネシウムを豊富に含む食品ランキング|効率的な摂取方法&簡単献立例

マグネシウム不足の症状を予防する摂取方法②
サプリメント

現代人の食生活を見る限り、食事だけで1日のマグネシウムの必要推奨量をまかなおうとするのは、相当難しいことでしょう。

そんな場合は、サプリメントなどで補うのも1つの手です。

さまざまな効果を体にもたらすマグネシウムですが、細胞内に吸収されにくいという側面もあります。

サプリメントの構造や種類によっては細胞にうまく吸収されず、下痢などのマイナスの症状を引き起こしてしまう可能性も出てきます。

したがって、サプリメント選びには十分気を付けるようにしましょう。

下記ではマグネシウムの種類について詳しくご紹介しています。

ぜひサプリメント選びの判断基準にご利用ください。

【マグネシウムの種類】サプリで使用される10種類のマグネシウム|効果と特徴 【マグネシウムの種類】サプリで使用される10種類のマグネシウム|効果と特徴

マグネシウム不足の症状を予防する摂取方法③
経皮吸収

最後に紹介するのは、経皮吸収と呼ばれる皮膚からマグネシウムを体内に摂り入れる方法です。

海外ではエプソムソルト(硫酸マグネシウム)、つまりバスソルトとして一般的に使われているのですが、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。

入浴してマグネシウムを直接肌から経皮吸収できるだけでなく、温浴効果で血行の促進、疲労感・コリ・痛みの緩和、ストレスの軽減などが期待できます。

その他にも、マグネシウムを含有したバームやクリームなどを使ってみるのもおすすめです。

体のどこにでも直接塗ることができ、マッサージをしながら塗り込むことで、エプソムソルトと同様の効果を得ることができます。

関連記事:エプソムソルトの効果とは?知っておきたい効能&正しい使い方を解説

マグネシウム不足の症状を防ぐ1日の摂取量は?

マグネシウム不足の症状を防ぐ1日の摂取量は?

1日にどのぐらいマグネシウムを摂取すればマグネシウム不足による症状を回避することができるのでしょうか?

厚生労働省がまとめた以下の報告書で確認していきましょう。

性別男性女性
年齢(歳)推奨量 (mg/日)推奨量 (mg/日)
1~2 7070
3~5 100100
6~7130130
8~9170160
10~11210220
12~14290290
15~17360310
18~29340280
30~49380290
50~64370290
65~74350280
75以上330270
妊婦(付加量)+40
授乳婦(付加量)+0

参考:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省

マグネシウムの推奨量を理解したところで、今度は一例として30代の実際のマグネシウム摂取量(1日)と比較してみましょう。

男性30代のマグネシウム【推奨】摂取量

約380㎎/日

男性30代のマグネシウム摂取量

約241㎎/日

マグネシウム不足量

139㎎/日

女性30代のマグネシウム【推奨】摂取量

約290㎎/日

女性30代のマグネシウム摂取量

約197㎎/日

マグネシウム不足量

93㎎/日

参考:令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省

比較して見ると、

男性

約139㎎/日の不足

女性

約93㎎/日の不足

男性、女性ともにマグネシウムの摂取量が毎日足りていない状況です。

そのため、積極的なマグネシウムの摂取が私たちには求められています。

より詳しくマグネシウムの摂取量と推奨量について知りたいかたは、以下の記事をご参考にしてください。

参考記事:マグネシウムの1日の「摂取量」と「推奨量」を解説|過剰摂取は危険?

マグネシウム不足の症状に関するよくある質問

マグネシウム不足の症状に関するよくある質問

マグネシウム不足が招く症状について、よくある質問を3つまとめてみました。
これまでの解説と合わせて、理解をより深められるよう参考にしてください。

Q1:マグネシウム不足の症状はどれくらいで改善する?

個人差はありますが、一般的に2週間〜1ヶ月程度で改善の兆しが見られる方もいらっしゃいます。

筋肉の痙攣やこむら返りなど、急性的な症状は比較的早く、数日〜1週間で改善を実感できる方もいるでしょう。

一方、骨の健康や慢性的な不眠、イライラなどは、継続的な摂取により1〜3ヶ月、またはそれ以上の期間をかけて徐々に改善傾向に向かうと考えられます。

ただ、1日だけ多く摂取しても効果は限定的ですので、、毎日適切な量を摂り続けることがポイントです。

Q2:マグネシウムを摂りすぎて副作用の症状が出たりしない?

食事から摂取する分には、過剰摂取の心配はほとんどありません
余分なマグネシウムは尿として排出されるためです。

ただし、サプリメントで大量に摂取した場合は、下痢、吐き気、腹痛などの消化器症状が現れることがあります。

特に1日あたり350mg以上をサプリメントで摂取すると、こうした副作用のリスクが高まるので気をつけましょう。

また、腎機能が低下している方は、マグネシウムの排出が上手くできず、体内に蓄積して「高マグネシウム血症」を引き起こす可能性があります。

腎臓疾患がある方は、必ず医師に相談してからサプリメントを使用してください。

6. 1. 4.マグネシウム(Mg)|厚生労働省

Q3:マグネシウム不足の症状は血液検査でわかる?

血液検査でマグネシウム値を測定することは可能ですが、実は正確な判断は難しいのが実情です。

体内のマグネシウムの約99%は骨や細胞内に存在し、血液中にあるのはわずか1%程度。
そのため、血中マグネシウム濃度が正常値でも、実際には体内で不足している「潜在性マグネシウム欠乏」の可能性があります。

より正確に調べるには、赤血球内のマグネシウム濃度や24時間の尿中マグネシウム排泄量などの検査が有効ですが、一般的な健康診断には含まれていません。

気になる症状がある場合は、血液検査の結果だけに頼らず、食生活の見直しや症状の経過観察、必要に応じて専門医への相談を検討しましょう。

まとめ|マグネシウム不足の症状には3つの摂取方法で対策

マグネシウムは私たちの健康を支えるうえで、欠かすことのできない重要なミネラルです。

そのため、マグネシウムが不足すると、筋肉の痙攣、骨の健康低下、不安感やイライラ、不眠、頭痛、不整脈、しびれなど、さまざまな症状を引き起こします

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、バランスの取れた食事やサプリメント、経皮吸収を利用してマグネシウムを積極的に摂取し、体内のマグネシウムレベルを適切に維持するようにしましょう。