マグネシウムの効果を徹底解説!効果の理由や必要な摂取量も

マグネシウムにはどんな効果があるのか、徹底解説していきます。また、さまざまな効果がある理由や、必要な摂取量、摂取をはじめていつ頃から効果が現れるのかなど、詳しくお伝えしていきます。

マグネシウムの効果の理由

マグネシウム 効果

マグネシウムは、人の体においてとても重要なミネラルの一つであり、骨や歯、筋肉、脳、神経などに多く存在しており、さまざまな効果があります。実は、あまりにもたくさんの効果がありすぎて、「これ!」と一言で表せないほど… 

厚生労働省が運営するe-ヘルスネットでは、マグネシウムについて、

300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。

マグネシウムが不足すると骨の形成に影響が出るほか、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんを引き起こします。また神経過敏や抑うつ感などが生じることもあります。

厚生労働省

そして、300種類以上の酵素というのは、約800以上の化学変化を体内でおこしています。つまり、マグネシウムは身体の働きの800以上に影響を与えると考えられるのです。

マグネシウムは補酵素

マグネシウム 効果

補酵素とは、文字通り“酵素を補う働きがある”物質のことで、ビタミンやミネラルがこの補酵素にあたります。

酵素と聞くと、消化酵素などが有名ですが、実は身体のほとんどの機能に酵素が関わっています。心臓を動かすのも、脳が記憶するのも、筋肉が動くのも、気分の浮き沈みや食欲、内臓の活動など。ここでは書ききれない程の化学反応を起こしているのが酵素であり、

私たちの身体は酵素がなくては生命活動のない、ただの糖質や脂質、タンパク質などと言っても過言ではありません。

そんな大切な酵素。実はいくら食べてもほとんどが胃や腸で消化されてしまうため、食べてもあまり意味がありません。そこで注目されるのがマグネシウム。

300種類以上の酵素を活性化させる働きがあるマグネシウムが不足すると身体にさまざまなエラーが現れますが、充分に補えていれば健康状態の維持につながるということなのです。

マグネシウムの効果

マグネシウム 効果

すべてをお伝えするには800種類以上の効果を述べなければいけなくなってしまうマグネシウム…。今回はその中でも特に代表的な効果についてご紹介していきます。

骨の健康
・けがの予防
・骨粗鬆症
マグネシウムはカルシウムと一緒に働いて骨を形成し、骨密度をサポートします。
特に女性は18歳をピークに骨密度が低下する傾向にあり、閉経に伴い骨粗鬆症の人口も急増します。カルシウムの摂取を促されることが多いかもしれませんが、健康な骨の維持にはカルシウムと同じくらいマグネシウムも必要となるのです。
筋肉の機能
・こむら返りなどの予防や改善
・リラックス作用
・パフォーマン向上柔軟力UP 
マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に重要な役割を果たしています。
カルシウムは筋肉を収縮、マグネシウムは筋肉を緩める働きがあり、マグネシウムが不足すると筋肉の急な収縮によるこむら返りがおこります。また、運動をする上でも筋肉を緩めることはけがの防止やパフォーマンスの向上につながります。
神経系の調整と脳への影響
・睡眠の改善
・食欲コントロール
・精神の安定
・記憶や認知の向上
・片頭痛の改善
マグネシウムは神経系の正常な機能に関与し、ストレスの軽減やリラックス効果があるとされています。
身体の神経系だけでなく、神経細胞のつまっている脳に影響を与えることで、記憶力や認知機能の向上、食欲コントロールなどの改善も期待できるのです。
さらに、脳内のGABA受容体に結合することで、良質な睡眠やリラックス作用の面でも取り入れられています。また、片頭痛も神経のエラーや筋肉の緊張によるものと考えられており、マグネシウムでリラックスさせることで改善する場合があります。
エネルギー生成
・代謝UP
・DNA合成
・細胞の健康維持
・肌質の改善
マグネシウムはATP(アデノシン三リン酸)の生成に関与し、細胞内でエネルギー生産に重要な役割を果たしています。
また、細胞合成のエラーによって起こるさまざまな病気の予防にも役立ちます。さらに、代謝が上がるということは老廃物の排出や肌のターンオーバーを正常に整えてくれることにもつながるため、肌質の改善などにも役立ちます。
心血管の健康
・不整脈の予防
・高血圧のリスク軽減
適切なマグネシウム摂取は、心臓の正常なリズムを維持し、血圧を調整するのに役立ちます。不足すると不整脈や高血圧のリスクが上がることがあります。
血糖値コントロール
・ダイエット効果
・血管への負担・軽減食欲コントロール
・偏食改善
マグネシウムはインスリンの分泌や細胞へのインスリンの効果を調整することで、血糖値のコントロールに役立ちます。また、インスリンのコントロールは暴飲暴食を抑えたり、偏食の改善をサポートしたりします。
抗酸化作用
・エイジングケア
・がん予防
・細胞を酸化ストレスから保護するサポート
マグネシウムは抗酸化物質としても機能し、細胞を酸化ストレスから保護する役割があります。細胞は過度な抗酸化ストレスを受けることで、年齢肌やしみ、しわなどのお悩みが出てくるほか、がん細胞などが発生する可能性を高めてしまいます。そうした意味でも、充分なマグネシウムの摂取が必要となるのです。
腸内の水分コントロール
・便秘の改善
・腸の健康改善
・セロトニン生成のサポート
マグネシウムは腸内の水分量を増やして便をやわらかくすることで、便秘の改善にも役立ちます。そのためマグネシウムは便秘薬として処方されることも多い成分のひとつです。また、便秘が改善することで、約80%以上が腸で生成されていると言われる幸せホルモンの分泌をサポートすることにもつながります。

下記ではマグネシウムのダイエット効果について詳しくご紹介していますので、併せてご参照ください。

マグネシウムの6つダイエット効果!代謝UPに食欲コントロールも?

マグネシウムの必要摂取量は?

マグネシウム 効果

マグネシウムの推奨摂取量は、

男性30代約370㎎/日
女性30代約290㎎/日

ただし、厚生労働省が令和におこなったリサーチによると、実際のマグネシウムの摂取量は、

男性30代約236㎎/日
女性30代約205㎎/日

であることがわかりました。

厚生労働省

つまり、一般的に男性で約134㎎/日、女性で約85㎎/日、日々マグネシウムが不足しているということになるのです。

マグネシウム不足による不眠や睡眠の質低下の場合、この足りない部分を補う必要があります。日本人は西洋の食生活への以降やストレス社会などの影響でマグネシウムが欠乏しやすい傾向にあります。

こうしたさまざまなお悩みの原因のひとつが、マグネシウム不足によるものかもしれません。でも、実はこうしたお悩みで病院に言っても、マグネシウム不足であることが判明することはほとんどありません。(次の項目を参照)

日本では、人口の約30~40%もの人が不眠に対する何らかの症状で悩んでいるとされ、特に女性の割合が高いです。食事に含まれるマグネシウムの減少や、過度なストレス、疲労、生活環境などによって、マグネシウムが消耗されやすいことが、不眠の増加につながっている可能性も考えられます。

マグネシウムよる睡眠の改善については、近年エビデンスが増えてきています。不眠でお悩みの方や、夜目が覚めてしまうという方、睡眠の質を向上させたいという方はぜひこちらの記事もご参照ください。

マグネシウムが良質な睡眠のカギ?理由や改善策をご紹介

マグネシウムの数値は採血ではわからない?

マグネシウム 効果

不調を理由に病院に言っても、「ストレスですね」「野菜を食べて運動してください」などと言われたり、痛み止めなどの薬で対応するように言われたりして、根本的な問題や症状がなかなか改善されないというご経験はありませんか?

実は、病院で一般的な保険適応の検査としておこなわれる採血では、マグネシウム不足を見つけることが難しいのです。

マグネシウムは血中でとても重要な役割を果たしているため、もし血中のマグネシウム数値が低くなると、マグネシウムが多く存在する骨や筋肉の細胞から血中に取り込む必要があるのです。つまり、血中のマグネシウムは一定でも、細胞内のマグネシウム数値を表していることにはならないのですね。

マグネシウム数値を計るなら、細胞検査が必要となります。でも、細胞検査は保険適応外・・・。そのため、多くのクリニックでも以下のような問診を取り入れてマグネシウム不足をチェックしています。

  • 足がつりやすい(こむら返り)
  • 瞼がよくぴくぴく動く
  • 肩や首のコリがひどい
  • 疲れているのに寝付けない
  • 不安やイライラが続く
  • 突然心臓がどくどくすることがある
  • 偏食が止められない
  • 便秘がひどく肌荒れが治らない

この中で当てはまるものがある場合には、食事からはもちろん、足りない部分はサプリメントなどを活用しながら、マグネシウム不足を補ってみてください。

マグネシウムを効果的に摂りましょう!

マグネシウム 効果

先ほど、マグネシウムを食事やサプリメントから補いましょうとお伝えしましたが、実はマグネシウムって吸収されにくいという性質があります。便秘薬で用いられるマグネシウムはこの性質を利用しており、細胞に取り込まれなかったマグネシウムが腸内で水分を保持するサポートをするため、便秘の改善につながり、のちに排出されるのです。

便秘薬の場合はこの構造でいいのですが、細胞内にマグネシウムを細胞内に取り込むためのサプリメントはどうでしょう?

実は一般的な構造のサプリメントは細胞に吸収されにくく、一般的に15%程しか吸収されないケースも少なくないそう。

これをもとに、高含有量500㎎のマグネシウムサプリメントで計算してみると、体内吸収されるのは

500×15%=75g

男女ともに一粒では足りないですね。

しかも吸収されなかった残りの425gは代謝排出されるため、内臓機能はフル活動しなければならなくなります。時には副作用で気持ちが悪くなったり下痢が続いてしまったりすることもあるため、高含有のサプリメントには注意が必要です。

マグネシウムを効果的に摂る方法はあるの?

吸収率が悪いマグネシウムを効果的に摂るためには、主に一般的に以下の3つの方法があります。

  1. 食事から摂る
  2. サプリメントから摂る
  3. 経皮から摂る

順番に詳しくご紹介します。

マグネシウムを効果的に摂る方法①食事から摂る

マグネシウムは食事から摂ることで、含有量の約30%程を吸収できるとされています。

おおよそ30%の摂取されたマグネシウムは、食物や飲み水を通じて腸に吸収されますが、吸収の程度は体内のマグネシウムの状態に依存します(Mg2+不足の場合には増加します)。Roughly 30% of ingested magnesium through food or drinking water is absorbed by the intestine, although the extent of absorption depends on the body magnesium status (increased in case of Mg2+ deficiency).

NIH

先ほどご紹介した通り、サプリメントが15%程しか吸収されないものも多いとなると、やはり健康的な食事からマグネシウムを摂るのがベターですね。

下記ではマグネシウムの含有量が多い食品をランキングでご紹介しているので併せてご参照ください。

マグネシウムが豊富な食べ物ランキング!実際の食事で比較してみた!

マグネシウムを効果的に摂る方法②サプリメントで摂る

健康的な食事はマグネシウムだけでなく、その他多くの栄養バランスを整えるためにもとても重要です。

ただし、マグネシウムの含有量が多い食品って実はたくさん食べるのが難しいものばかり…しかも、マグネシウムは加熱に弱いため、大豆や乾燥ひじきなど、必要な含有量を目指して食べるには、ちょっと難しいですよね…。

そんな時は、サプリメントを活用しましょう!

注意点は、サプリメント自体の『構造』にあります。一般的なサプリメントの構造だと、あまり吸収されないだけでなく肝臓などの消化器や泌尿器系などに負担をかけてしまうこともあります。

おすすめは、細胞膜と同じ成分であるリポソームを活用したサプリメント。細胞膜と同じ成分だから体内で細胞とくっつきやすく、消化器や泌尿器などに負担をかけずにマグネシウムを細胞へと運んでくれると言われています。吸収率が高い構造であれば、マグネシウム自体も必要な分だけ取り入れればOK。身体に余計な負担を欠けずに続けられるのです。

マグネシウムを効果的に摂る方法③経皮から摂る

マグネシウムを経皮吸収すると言えば、エプソムソルトを思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか?

エプソムソルトはお風呂に入れるバスソルトのような見た目で、マグネシウムが含有されています。入浴とマグネシウムによるリラックス効果で、日々のストレス軽減にも人気が高いですね。

また、マグネシウムが含有されたスキンケア製品なども活用することが可能。仕事中のつらい肩こりや急な片頭痛、外出先での肌トラブルなど、お風呂に入れない時でも取り入れられるため、人気が高まっています。

まとめ

今回はマグネシウムの効果や必要摂取量なのどについて詳しくご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?マグネシウムは800以上もの体内の化学変化に関わっており、欠乏していれば何かしらのお悩みが現れやすい栄養素でもあります。気になる方はぜひ、マグネシウムを摂り入れてみてください。

その他参考文献