マグネシウムが豊富な食材を厚生労働省のデータをもとにランキング形式でご紹介!また、ランキングを用いたマグネシウム豊富な献立と現代の一般的な食事を比較し、メニューや栄養素を具体的に検証しました!ぜひ普段の食事と比較してみてください。
マグネシウムが豊富な食材の効果
マグネシウムが豊富に含まれた食材には、マグネシウム本来の効果が秘められています。
- 筋肉の収縮(筋肉を緩める)
- 神経伝達物質をスムーズに運ばせる
- 体温や血圧の調整
- 骨への影響や関節炎の改善
- 不整脈や狭心症の改善サポートや予防
- 高血圧や筋肉のけいれんの改善
- 足などが“つる” “こむら返り”を抑える
- リラックス作用
- 便を柔らかくする
近年の研究では、マグネシウムが体に与える影響について、以下のようなことがわかっています。
Currently, enzymatic databases list over 600 enzymes for which Mg2+ serves as cofactor, and an additional 200 in which Mg2+ may act as activator. (訳:現在、酵素データベースには、Mg2+が補因子として機能する酵素が600以上リストされており、さらにMg2+が活性化剤として機能する可能性のある酵素が200以上リストされています。
Magnesium in Man: Implications for Health and Disease | Physiological Reviews?
つまり、マグネシウムの影響を受ける酵素の働きは約800種類もあると考えられているのです。
マグネシウムが豊富な食材の効果については、下記の記事でさらに詳しくご紹介しているので、そちらを併せてチェックしてみてください。
マグネシウムが豊富な食品の効果とは?摂取のコツと注意点もマグネシウム不足の典型的な例である
- 足がつりやすい
- ストレスを感じる
- 瞼がぴくぴくと軽くけいれんする
- 睡眠の質がよくない
など、思いあたることがある場合には、まずは食事を見直してみましょう。
【マグネシウムが豊富な食材ランキング】
マグネシウムが豊富な食材を順に並べてみました。それぞれ100gあたりのマグネシウム含有量となります。“素干し”や“乾燥”などと記載してある食材は料理すると水分が含まれることになりますのでご注意ください。
あおさ 素干し | 3200㎎ |
あおのり 素干し | 1400㎎ |
ひじき 乾燥 | 640㎎ |
昆布 素干し | 490㎎ |
えんどう豆 乾燥 | 360㎎ |
ごま(生) | 351㎎ |
いわのり 素干し | 340㎎ |
カシューナッツ(生、無塩) | 292㎎ |
あわ | 270㎎ |
アーモンド(生、無塩) | 268㎎ |
きなこ | 260㎎ |
黄色大豆 乾燥 | 220㎎ |
玄米(生) | 143㎎ |
全粒粉 | 140㎎ |
木綿豆腐 | 130㎎ |
あずき 乾燥 | 120㎎ |
玄米 | 110㎎ |
ほうれん草(生、葉のみ) | 79㎎ |
ハバネロペッパー(生) | 76㎎ |
えだまめ ゆで | 72㎎ |
マッシュルーム(生) | 42㎎ |
サケ(生) | 27㎎ |
バナナ | 27㎎ |
ヨーグルト | 11㎎ |
マグネシウム豊富な食材ランキング【一般食と比較してみた】
今回はマグネシウムが多く摂取できる食品をせっかくランキングにしてみたので、これらを使って実際の献立と、一般的な現代食でどれだけ栄養素などが異なるのか比較してみました!
今回はインスタグラムでアップされていた、とある30代半ばのOL、女性Aの一日と体系をもとに比較していきます。
身長 | 160㎝ |
体重 | 52kg |
一日の目安摂取カロリー | 2148kcal |
また、30代半ば女性の場合マグネシウムの摂取推奨量は310‐320㎎が推奨されています。
それでは早速みていきましょう!
【一般的な女性の食事例】
上述女性Aが実際に食べていた、とある一日の食事を参考にさせていただきました。
朝 | ロールパン×2、スクランブルエッグ、ヨーグルト、カフェオレ |
昼 | カルボナーラスパゲッティー、サラダ |
夜 | 白米、唐揚げ、ポテトサラダ、味噌汁 |
しっかり朝も自分で用意していて、昼は同僚と楽しく食事をし、夜も自炊しており、サラダなども摂り入れており、ごく一般的な現代人の食事のように思えますが、結果はこちら。
カロリー | 2315kcal/2148kcal |
タンパク質 | 101g/81g |
脂質 | 129g/60g |
炭水化物 | 208g/322g |
食物繊維 | 15g/18g |
マグネシウム | 234mg/320mg |
マグネシウムの摂取不足し、カロリーと脂質が大幅にオーバーしています。
また、さらに詳しくデータを見ると、
- 脂質の中でもコレステロール値が特に高く、また塩分過多
- カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルの摂取不足
- ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンCなどのビタミンの摂取不足
という結果となりました。
今回の例だけに限らず、現代人の食事ではマグネシウム不足や、その他ミネラルやビタミンなどの補酵素も不足しがちになり、コレステロールや塩分の摂取量が多くなりやすい特徴があります。
【マグネシウム豊富な食材を摂り入れた献立例】
では、次にマグネシウムを補うための食事を見ていきましょう。マグネシウムの摂取推奨量320㎎に合わせた献立にするため、主に上記の食材ランキングから食材を選んでメニューを考えています。
朝 | 全粒粉パン、目玉焼き、バナナ、コーヒー |
昼 | きなこもち、ヨーグルト、フルーツサラダ |
夜 | 玄米、焼き魚(さけ)、ほうれん草のお浸し、海藻の味噌汁 |
全粒パンや玄米、魚など、和食中心の食事で、一見ヘルシーな健康食に見えますね。でも、次の結果をご覧ください。
カロリー | 1270kcal |
タンパク質 | 67g/80g |
脂質 | 29g/59g |
炭水化物 | 200g/322g |
食物繊維 | 13g/18g |
マグネシウム | 320㎎/320㎎ |
マグネシウムは摂取推奨量の320㎎ピッタリにすることができましたが、以下の問題が出てきました。
- 2000kcalを目安としなければならない摂取カロリーを大幅に下回っている
- 炭水化物、食物繊維が摂取不足
- 鉄、亜鉛などのミネラルが摂取不足
- ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどの摂取不足
一般的な現代食ではカロリーオーバーとなっていましたが、マグネシウムの摂取量に合わせて食事をするとカロリーが大幅に少なくなってしまいましたね。実際、玄米や海藻など、マグネシウムが豊富な食品は噛み応えがあり、満腹中枢を刺激するためお腹がいっぱいになりやすい傾向があります。
ここまで摂取カロリーが低くその他栄養素も足りていないと栄養失調の恐れが出たり、そうでなくでも肌や髪などにダメージが出て、美容面でも健康面でもよくありません。
マグネシウム不足は気になるけど、食事はバランスを重要視し、必要な時には食事以外からもマグネシウムを摂取できるようにしておくのが大切です。
マグネシウムが不足しがちな日本人
実は日本人の多くはマグネシウムが不足している傾向にあるといわれています。
令和元年に厚生労働省による調査では、男性のマグネシウム平均摂取量が236㎎/日、女性の平均205㎎ほどしか摂取できていないとされており、これは推奨摂取量と比較すると、男性で約37%、女性で約30%ほど、マグネシウムの摂取量が毎日足りていないということになるのです。
また、マグネシウム研究の第一人者で“Dr.マグネシウム”との呼ばれる医師の横田邦信先生は、日本のマグネシウム検査の基準に対して、研究結果から以下のようにお話されています。
「マグネシウムの採血検査において、現在の基準値の下限が甘すぎるため、低マグネシウム血症の診断が過小評価される危険性があります。長い目で健康を考えると、この基準は好ましくないと言えます。現在の日本の多くの基準値が1.8~2.6㎎/㎗ですが、私どもは2022年にグローバルな標準化の推奨を報告しました。低マグネシウム血症の推奨値:2.06~2.33㎎/㎗としています」
上述で一般的な食事を見てみてもわかる通り、一見健康的に思えても、マグネシウムが足りていない場合が多いです。さらに基準値自体も見直しが必要だと言われているマグネシウム。食事の見直しはもちろん、別の方法でマグネシウムを補う必要がありそうです。
マグネシウムが豊富な食材とサプリメントを併用
マグネシウムは人にとってなくてはならない大切なミネラルです。だからこそ、食事で調整できない時には、サプリメント等で補うのがとても重要になります。
でも、
「サプリメントってどれが良いのかわからない」
「効果を実感したことがない」
「逆に気持ち悪くなる」
「続けられない」
そんな声を耳にします。そこで今回は、マグネシウム豊富な食材とサプリメントをどのように併用していけば、継続的かつ健康的にマグネシウムを補えるのか、いくつかの方法をご紹介していきます。ランキングに入った食材も活用しつつ、ぜひ試してみてください。
マグネシウム豊富な食材とサプリの併用方法①摂取方法
マグネシウムは毎日摂取しなければならないため、継続的に摂取できる自分なりの方法を見つけなければいけません。「気持ちが悪くなる」「飲みにくい」「匂いがきつい」など、自分にとってつらい時間はなかなか継続できないため、まずはどんな方法でマグネシウムを摂取できるのか確認しましょう。
マグネシウムの摂取方法は主に以下の二つ。
経口摂取と経皮摂取
経口摂取とはよくあるサプリメントと同じ方法で、口から摂取することができます。でも、実は、マグネシウムは皮膚からも摂取することができるのです。
特に、足がつりやすい(こむら返りしやすい)、歯ぎしりや睡眠の質が気になる、イライラしてこめかみがきしむ、などのマグネシウム不足の症状でお悩みの場合には、経皮からマグネシウムを摂取するのもおすすめです。マグネシウムを外からも摂取できるようになれば、継続的にマグネシウムを補えるようになります。「飲み忘れた!」「今日の食事はよくなかった・・・」などと反省したり自分にプレッシャーをかけたりせず、気になるときに楽しく栄養を補えるのがベストですね。
マグネシウムを経皮吸収する場合、香りがしっかりした海外製品を輸入できるサイトもありますし、国産で安心して使える製品もあります。気になる方はチェックしてみてくださいね。
マグネシウム豊富な食材とサプリの併用方法②肝臓を労わる
マグネシウムのサプリメントもそれ以外のものも、一度肝臓で代謝されてから血液に成分が送られます。つまり、化学薬品と同じ経由で体内をめぐるのです。
よくサプリメントを飲んで気分が悪くなるという人は、胃などの消化器が疲れている他、肝臓が弱っている可能性もあるのです。そのため、肝臓で代謝されるサプリメントの裏表示には「肝臓に疾患がある方は使用を控えてください」などと書かれているものもありますよね。
ただし、中には肝臓で代謝せずにすぐに血液に送られる製法のサプリメントもあります。そのひとつがリポソームを用いた製法です。もともと医薬品などが消化されずに確実に体に届くように開発された製法ですが、最近ではビタミン剤などのサプリメントや化粧品にもこの技術がとり入れられています。
食事で充分な栄養を補えない時には、できるだけ体に優しく負担が少ないサプリメントを摂り入れるようにしましょう。
まとめ
今回はマグネシウムが豊富な食品をランキングにしてお伝えしました!まずは食事から摂れるように!でも自分自身にプレッシャーをかけないために自分に合った摂取方法を選んでみてくださいね。