マグネシウムが不足すると私たちの体には、筋肉の痙攣(けいれん)や睡眠障害、片頭痛、便秘など、さまざまな不調が現れることが最新の研究でわかってきています。
マグネシウムは体内で800種類以上の酵素の働きを助ける重要なミネラルですが、加工食品の普及やストレス社会の影響で、必要量を満たせていない人が増えていると言われています。
マグネシウムは体内では合成できないため、こうした不調を防ぐには、日々の食事から適切にマグネシウムを摂取することが重要です。
今回は、マグネシウムを豊富に含む食べ物を分類別に紹介するとともに、1日に必要な摂取量や効果的な摂取方法について詳しく解説していきます。
【分類別ランキング】マグネシウム不足を改善する食べ物15選

マグネシウムを十分に摂取するには、マグネシウムを多く含む食品を積極的に取り入れることが大切です。
ここでは、日常的に摂取しやすい食品を分類別に紹介していきます。
藻類(TOP3)
海藻類はマグネシウムの宝庫です。
味噌汁やサラダに加えるだけで、手軽にマグネシウムを補給できます。
| 順位 | 食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) |
|---|---|---|
| 1 | あおさ(素干し) | 3,20mg |
| 2 | あおのり(素干し) | 1,400mg |
| 3 | わかめ(乾燥・素干し) | 1,100mg |
【おすすめの食べ方】
味噌汁に乾燥わかめを加える、納豆にあおのりをトッピングする、お好み焼きにあおさを混ぜるなど、普段の料理に少量加えるだけでマグネシウム摂取量がアップします。
魚介類(TOP3)
魚介類は、マグネシウムだけでなくカルシウムやタンパク質も豊富に含まれています。
| 順位 | 食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) |
|---|---|---|
| 1 | 干しえび | 520mg |
| 2 | しらす干し(半乾燥品) | 130mg |
| 3 | あさり(生) | 100mg |
【おすすめの食べ方】
干しえびは炒め物やチャーハンに、しらす干しはご飯やサラダに、あさりは味噌汁や酒蒸しにすると美味しくマグネシウムを摂取できるので、おすすめです。
穀類(TOP3)
主食となる穀類からマグネシウムを摂取できれば、毎日無理なく続けられます。
| 順位 | 食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) |
|---|---|---|
| 1 | 発芽玄米ご飯 | 53mg |
| 2 | ライ麦パン | 40mg |
| 3 | そば(ゆで) | 27mg |
【おすすめの食べ方】
白米に発芽玄米を混ぜて炊く、朝食をライ麦パンに変える、昼食にそばを選ぶだけで、主食からマグネシウムを効率よく摂取できますよ。
豆類(TOP3)
豆類は和食の定番食材で、毎日の食卓に取り入れやすい食品です。
| 順位 | 食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) |
|---|---|---|
| 1 | きな粉(全粒大豆) | 260mg |
| 2 | 油揚げ(生) | 150mg |
| 3 | 納豆 | 100mg |
【おすすめの食べ方】
納豆は朝食の定番に、油揚げは味噌汁や煮物に、きな粉はヨーグルトや牛乳に混ぜると手軽にマグネシウムを補給できます。
野菜・ナッツ類(TOP3)
野菜やナッツは、おかずやおやつとして取り入れやすい食品です。
| 順位 | 食品名 | マグネシウム含有量(100gあたり) |
|---|---|---|
| 1 | 切干しだいこん(乾) | 160mg |
| 2 | ほうれんそう(生) | | 69mg |
| 3 | アーモンド | 310mg |
【おすすめの食べ方】
切干しだいこんは煮物に、ほうれんそうはお浸しや炒め物に、アーモンドは間食やサラダのトッピングにすると良いでしょう。
参考:食品成分データベース|文部科学省
マグネシウム摂取のポイントは、1つの食べ物から大量に摂ろうとするのではなく、さまざまな種類の食品を組み合わせることです。
以下の記事では、マグネシウムを豊富に含む食材を使った具体的なレシピを紹介しているので、参考にしてください。
マグネシウムを効果的に摂る5つのコツ

マグネシウムを多く含む食品を選ぶだけでなく、調理法や食べ合わせを工夫することで、より効率的に摂取できます。
ここでは、マグネシウムを効果的に摂るための5つのコツを紹介します。
水に溶けやすいので素早く洗う
マグネシウムは水溶性のミネラルのため、野菜を長時間水にさらすと流出してしまいます。
野菜は使う直前に素早く洗い、水にさらす時間を最小限にしましょう。
また、茹でる場合は茹で汁も一緒に使える料理(味噌汁、スープ、煮物など)がおすすめです。
参考:Magnesium is essential to good health|Michigan State University
ビタミンDと一緒に摂る
ビタミンDはマグネシウムの吸収を促進する働きがあります。
鮭、イワシ、サンマなどの魚類や、きくらげ、しいたけなどのきのこ類と一緒に摂ることで、マグネシウムの吸収率を高めることができます。
たとえば、鮭のムニエルにほうれんそうを添える、しいたけとわかめの味噌汁にするなど、組み合わせを意識してみましょう。
カルシウムとのバランスを意識する(Mg1:Ca2が理想)
マグネシウムとカルシウムは、お互いにバランスを取り合って働く「ブラザーミネラル」と呼ばれています。
理想的な摂取バランスは、マグネシウム1に対してカルシウム2の割合です。
カルシウムを必要以上に摂りすぎると、余った分が尿として排出される際にマグネシウムも一緒に排出されてしまうため、カルシウム以上にマグネシウムを意識して摂ることが大切です。
加熱調理OKを知る
マグネシウムは熱に強いため、加熱調理をしても失われません。
生で食べる必要はないので、炒め物、煮物、焼き物など、お好みの調理法で美味しく摂取しましょう。
毎日コツコツ続ける
マグネシウムは体内に貯蔵できる量が限られているため、毎日継続して摂取することが重要です。
1回の食事で大量に摂るよりも、朝・昼・夕の3食でバランスよく摂るようにしてください。
マグネシウム不足で起こる症状

マグネシウムが不足すると、私たちの体にはさまざまな不調が現れる可能性があります。
ここでは、主な症状を3つ紹介します。
・ 筋肉の痙攣(けいれん)、こむら返り
夜中に突然ふくらはぎがつって目が覚める、まぶたがピクピクと痙攣する。
これらはマグネシウム不足の典型的なサインです。
マグネシウムは筋肉を弛緩させる働きがあり、不足すると筋肉が収縮したまま元に戻りにくくなります。
・睡眠障害
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝起きても疲れが取れない。
マグネシウムは神経の興奮を抑え、リラックスを促す働きがあるため、不足すると睡眠の質が低下します。
・便秘
マグネシウムは腸内の水分量を増やし、便を柔らかくする働きがあります。
不足すると便が硬くなり、排便が困難になることがあります。
マグネシウム不足の症状や原因について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
マグネシウム不足になる3つの要因

残念ながら、現代人のマグネシウム不足は“Forgotten Mineral(忘れられたミネラル)”と称されるほど、深刻化しています。
“Dr.マグネシウム”とも呼ばれる横⽥邦信医師は、現代人のマグネシウム不足について以下のように警鐘を鳴らしています。

現代人は無意識のうちに慢性的なMg(マグネシウム)摂取不足に陥っている。
日ごろから十分なMg摂取を心がけることが、2型糖尿病・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の発症あるいは進展の予防に極めて重要であり、若いころからの正しい食育が強く望まれる。
横田医師が言うように、マグネシウム不足によって私たちの体には、筋肉の痙攣(けいれん)や骨の健康低下、睡眠障害、片頭痛、高血圧、便秘などのさまざまな症状が現れることがあります。
そもそも、なぜ現代人はマグネシウム不足に陥りやすいのでしょうか?
主な理由は以下の3つです。
- 加工食品やファストフードの摂りすぎ
- マグネシウムがほとんど含まれていない
- 過度なストレス
- 体外へ排出されるマグネシウム量が増える
- アルコール摂取の増加
- 尿中に排出されるマグネシウム量が増加
加工の過程でマグネシウムが失われてしまう食品が増え、さらにストレスやアルコールによって体外へ排出される量が増えることで、慢性的な不足状態に陥りやすくなっているのです。
【男女別・年齢別】マグネシウム不足を改善する1日の推奨量

マグネシウム不足を食べ物で解消するには、1日にどのぐらい摂取する必要があるのか確認していきましょう。
| 性別 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 年齢 | 推奨量 (mg/日) | 推奨量 (mg/日) |
| 1~2 (才) | 70 | 70 |
| 3~5 (才) | 100 | 100 |
| 6~7(才) | 130 | 130 |
| 8~9(才) | 170 | 160 |
| 10~11(才) | 210 | 220 |
| 12~14(才) | 290 | 290 |
| 15~17(才) | 360 | 310 |
| 18~29(才) | 340 | 280 |
| 30~49(才) | 380 | 290 |
| 50~64(才) | 370 | 290 |
| 65~74(才) | 350 | 280 |
| 75以上(才) | 330 | 270 |
| 妊婦(付加量) | ー | +40 |
| 授乳婦(付加量) | ー | +0 |
参考:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省
男女で比較してみると、男性の方がよりマグネシウムの摂取量が必要なことがわかります。
しかし、「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、実際の摂取量は各年代で推奨量を約60〜110mgほど下回っていることが明らかになりました。
そのため、健康を維持するには積極的なマグネシウムの摂取が求められているのです。
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マグネシウムを食べ物から摂取しすぎるとどうなる?

マグネシウム不足だからといって、極端にマグネシウムを摂りすぎることに問題はないのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言いますと、通常の食事では摂り過ぎによる問題はまず起こりません。
「Harvard T. H. Chan School of Public Health’s Department of Nutrition」の報告でも、食事によるマグネシウムの過剰摂取の安全性が実証されています。
“Extra magnesium from food is safe because the kidneys will eliminate excess amounts in urine. ”
「マグネシウムは腎臓から尿として排出されるため、食品から過剰に摂取しても安全である」
引用:Magnesium|Harvard T. H. Chan School of Public Health’s Department of Nutrition
ただし、マグネシウムをサプリメントや医薬品などで過剰に摂取した場合は話が別です。
サプリメントなどによる過剰摂取では、下痢や軟便を引き起こすことがあるのでご注意ください。
理想的なのは、やはりバランスのいい食事で適度にマグネシウム摂取するということです。
マグネシウム不足を食べ物以外で改善する方法

マグネシウム不足を食べ物からの摂取で改善できるのがベストですが、食事からだけで1日に必要なマグネシウムを摂取するのは、現実的に難しい方もいらっしゃるでしょう。
そこで、マグネシウム不足を食べ物以外で改善する方法を2つご紹介します。
- マグネシウム不足を食べ物以外で改善する方法:サプリメント
- マグネシウム不足を食べ物以外で改善する方法:経皮吸収
それぞれ、詳しく解説していきます。
サプリメント
マグネシウム不足を効率よく改善するために、サプリメントの摂取は有効な手段といえます。
特に仕事や学業、家事、育児などで日常の食事で十分な量を摂取できない方や、消化不良などの理由で食事からの吸収が難しい方には効果的な方法です。
サプリメントの摂取で1点注意していただきたいのが、サプリメントの構造です。
市販されているサプリメントにはさまざまな種類のものがありますが、細胞膜と同じ成分であるリポソームを活用した『吸収率に着目した』サプリメントを選ぶようにしましょう。
リポソームとは簡単に言うと、”体内に有効成分を効果的に届ける「小さなカプセル」”のようなものです。
リポソームの構造は細胞の膜に似ているため、体内に自然に吸収されやすいという特徴があります。

基本はバランスの取れた食事でマグネシウムを摂取することがベストですが、補助的にサプリメントを使っていくことはベターな選択肢といえるでしょう。
経皮吸収
マグネシウム不足を食べ物以外で補う方法として、経皮吸収が注目されています。
経皮吸収とは、皮膚を通してマグネシウムを体内に取り入れる方法で、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を使った入浴剤が有名です。
体を温めコリをほぐすだけでなく、リラックス効果やマグネシウムを効率よく吸収できる方法として人気があります。
また、バームやクリーム、スプレーなどで直接肌にマグネシウムを塗ることでも経皮吸収が可能とされています。
バームやクリームを直接肌に塗ることで、ピンポイントでマグネシウムを吸収でき、肩こりや筋肉の張りなどを和らげる効果が期待できるでしょう。特に、消化器系に負担をかけることなく即効性があるため、サプリメントと比べて体に優しい点が利点です。
マグネシウム不足と食べ物に関するよくある質問

マグネシウム不足と食べ物に関して、よくある質問にお答えします。
Q1:マグネシウムが多い食べ物で一番手軽なのは?
納豆、わかめの味噌汁、アーモンドなどがおすすめです。
納豆1パック(40g)で約40mg、わかめの味噌汁1杯で約20mg、アーモンド10粒(約10g)で約31mgのマグネシウムを手軽に摂取できます。
特に納豆とわかめの味噌汁は、朝食の定番メニューとして取り入れやすく、毎日継続しやすい点が魅力です。
この2つを組み合わせるだけで、1日の不足分の約半分(約60mg)を補うことができます。
参考:食品成分データベース|文部科学省
Q2:マグネシウムは調理すると失われますか?
マグネシウムは水に溶けやすいため、野菜を長時間水にさらすと流出しますが、加熱調理では失われません。
野菜を洗う際は、使う直前に素早く洗うことがポイントです。
また、茹でる場合は茹で汁にマグネシウムが溶け出してしまうため、茹で汁ごと使える料理(味噌汁、スープ、煮物など)がおすすめです。
炒め物や焼き物など、水を使わない調理法であれば、マグネシウムの損失を最小限に抑えられます。
Q3:サプリメントと食べ物、どちらがいい?
基本は食べ物から摂るのがベストです。
食事から摂取したマグネシウムは、腸で約30%が吸収され、過剰摂取の心配もありません。
また、食品にはマグネシウム以外にもビタミンやミネラル、食物繊維など、体に必要な栄養素が豊富に含まれているため、総合的な健康維持につながります。
ただし、食事だけでは十分な量を摂取できない場合は、吸収率の高いリポソーム型サプリメントを補助的に使うのも1つの方法です。
サプリメントはあくまで「補助」として位置づけ、まずは日々の食事を見直すことから始めましょう。
Predicting and Testing Bioavailability of Magnesium Supplements|PubMed
まとめ|マグネシウム不足を防ぐ食べ物を積極的に摂取しよう!
マグネシウムは体内で800種類以上の酵素の働きを助ける重要なミネラルですが、現代人の多くが慢性的な不足状態にあります。
筋肉の痙攣や睡眠障害、便秘などの症状がある方は、もしかするとマグネシウム不足がその原因かもしれません。
幸いなことに、マグネシウム不足は毎日の食事で改善できます。
納豆やわかめ、魚介類、発芽玄米など、身近な食品を意識的に取り入れるだけで、無理なく推奨量に近づけることができるはずです。
そして、必要に応じてサプリメントや経皮吸収からマグネシウムを体内に取り入れることで、健康で活力あふれる生活を手に入れましょう。

