ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

飽食の時代が続いているこの40~50年の日本。

現代日本では、スーパーやコンビニなどであらゆる食品を手軽に購入できるだけでなく、外食などでさまざまな国籍の多種多様な食事を楽しむことができます。

世界的に見ると食事に関してはとても豊かな境遇であり、私たちはそれらを当たり前のように消費しますが、一方でメタボリックシンドロームをはじめとするさまざまな生活習慣病が大きな課題にもなっています。

特に、濃い味付けの加工食品やインスタント食品、スナック菓子類やアルコール類といった嗜好品の過剰な摂取に加え、運動不足やストレスといった、生活に根ざすさまざまな問題は、内臓脂肪の蓄積を促してメタボリックシンドロームのリスクを高めます。

食が豊かな社会であるにも関わらず、深刻さを増す生活習慣病。

そんな中で注目されているのが、糖質や脂質の代謝に関わり、インスリンの働きを助け、血圧や血中脂質のバランスにも深く関与している「マグネシウム」です。

今回は、メタボリックシンドロームの基礎知識から、マグネシウムの健康効果、効果的な摂取方法まで詳しく解説します。

マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防できる?

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

結論から言うと、マグネシウムはメタボリックシンドロームを予防に効果的な栄養素です。

実際にマグネシウムが不足すると、血糖値や血圧が上がりやすくなったり、中性脂肪の増加を招いたりする場合があります。

つまり、マグネシウムはメタボリックシンドロームの発症に関係するさまざまな要因に影響を及ぼしているのです。

また、代謝全般への幅広い影響も、マグネシウムが注目されている理由の一つです。

マグネシウムは、糖質や脂質をエネルギーに変える働きをサポートし、インスリンの感受性を高めることで血糖値のコントロールに貢献します。

さらに、マグネシウムは血管の健康を守る働きも担っている他、800以上の酵素反応に関わっていることがわかっています。

マグネシウムが不足すると、メタボリックシンドロームをはじめ、動脈硬化や高血圧といった症状を引き起こす可能性も。

近年の研究では、マグネシウムの摂取量が多い人ほど、メタボリックシンドロームの発症率が低いという報告もされています。

つまり、マグネシウムは単なるミネラルではなく、私たちの健康維持に欠かせない重要な栄養素なのです。

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

インスリン感受性の面では、NAD+が体内のサーチュイン遺伝子を活性化し、インスリンの働きを高める役割を果たしています。ただし、そのNAD+を体内で効率よくリサイクルするためには、マグネシウムが欠かせません。

また、血圧に関して重要なのは、塩分そのものよりも、ナトリウム・カリウム・マグネシウムのバランスです。ナトリウムが多く、マグネシウムやカリウムが不足していると(たとえば超加工食品を頻繁に摂取している場合など)、このバランスが崩れ、結果として血圧に悪影響を与えてしまいます。

参考:まだ間に合う!?メタボリックシンドロームを予防するためにやっておくべきこと│MAGNESIUM DATABASE

そもそもメタボリックシンドロームとは

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メタボリックシンドロームとは、内臓肥満と高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより心臓病を筆頭とする心血管疾患や脳卒中などを引き起こしやすい状態のことです。

まずは、メタボリックシンドロームの概要とリスクについて解説します。

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドロームがどういう症状なのかを理解するには、診断基準が参考になるでしょう。

厚生労働省が定める診断基準では、以下の要件を満たす場合にメタボリックシンドロームと診断されます。

男性の場合女性の場合
腹囲が85cm以上であり、かつ以下のうち2項目以上を満たす(※)
・中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満
・収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
・空腹時血糖110mg/dL以上
腹囲が90cm以上であり、かつ以下のうち2項目以上を満たす(※)
・中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満
・収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
・空腹時血糖110mg/dL以上

 ※内臓脂肪の蓄積の指標 参照:メタボリックシンドロームの診断基準│厚生労働省

このように、体型など見た目だけでなく、内臓脂肪の状態や血液の状態などが、メタボリックシンドロームの重要な判断材料になります。

メタボリックシンドロームと病気のリスク

メタボリックシンドロームは、健康と病気の間の状態を指すいわゆる「未病(みびょう)」の状態です。

まだ病気を発症してはいないものの、そのまま放置すると糖尿病や高血圧、脂質異常症、さらには心筋梗塞や脳卒中といった、命に関わる重大な病気を引き起こすリスクが高まります。

内臓脂肪の蓄積は体重の増加や体型の変化などで比較的わかりやすいですが、血糖値やコレステロール値、血圧異常など、見た目からはわかりにくい症状を伴うため、自覚症状がないまま進行するケースが少なくありません。

進行すると生活に支障をきたしたり命に関わったりするため、早期の予防や生活習慣の見直しが大切です。

メタボリックシンドロームを予防するには

メタボリックシンドロームを予防するには、やはり生活習慣を改善するのが第一です。

特に重要なのが、栄養バランスの良い食事を摂ることと、適度な運動を取り入れること。

また、質の良い睡眠もメタボリックシンドロームを予防する上でとても大切な柱です。

特にマグネシウムのような、現代人に不足しがちで、かつ意識的に摂取しなければ不足状態に陥りやすいミネラルを積極的に取り入れることが大切です。

もちろん、適度な運動や睡眠環境の改善も大切で、さらにはこれらを整えるためにストレス対策をするなど、ライフスタイル全般を見直して生活習慣を改善していく視点が欠かせません。

マグネシウムが果たす主な健康効果

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

メタボリックシンドロームの予防や改善には、マグネシウムの積極的な摂取が効果的です。

そもそも、マグネシウムにはどのような健康効果があるのでしょうか?

ここでは、メタボリックシンドロームの予防に直結するマグネシウムの3つの働きについて解説します。

血糖値のコントロール

糖尿病の主な原因となる血糖値の異常は、メタボリックシンドロームと密接です。

マグネシウムはインスリンの働きを助け、細胞が効率よくブドウ糖を取り込めるようサポートします。

これにより血糖値の急上昇が和らげられ、糖尿病の予防につながります。

逆にマグネシウムが不足するとインスリン抵抗性が高まり、血糖値のコントロールが難しくなります。

特に加工食品の多い現代の食生活では、加工食品に多く含まれているリンの過剰摂取によりマグネシウムの吸収が阻害され、知らず知らずのうちにマグネシウム不足に陥ってしまうリスクが高いとされています。

高血圧の抑制

マグネシウムには、血管の拡張を促す作用があります。

血管が拡張すると血流がスムーズになり、高血圧の予防につながります。

しかし、現代的な食生活はどうしても塩分の摂取量が多くなりやすく、血圧も高くなりがちです。

特に加工食品やインスタント食品、ファストフード、外食などが多いと、塩分摂取量が増えてしまいやすくなります。

食生活を見直すと同時に、血圧を適切に調節してくれるマグネシウムを意識的に摂取することが大切です。

また、カリウムやカルシウムとのバランスも重要で、マグネシウムを中心にミネラル全体の摂取バランスに配慮するのが理想的です。

中性脂肪やコレステロールの低下

マグネシウムは脂質の代謝にも関与しており、血中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)を低下させる役割があります。

代謝をスムーズにし、脂肪が過剰に蓄積するのを防ぐことで、動脈硬化などのリスクが軽減されます。

現代人がマグネシウム不足になりやすい理由

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

飽食社会ではあるものの、実は現代人は慢性的にマグネシウムが不足しやすい生活を送っています。

現代人にマグネシウムが不足しがちな主な理由は次の通りです。

  • 加工食品の多様…インスタント食品やレトルト食品などの加工食品はマグネシウム含有量が少なく、かつ、過剰摂取するとマグネシウムの吸収率を妨げるリンを多く含んでいます。
  • 生成食品の多用…白米や精製小麦などは、外皮や胚芽に含まれるマグネシウムが除去されています。
  • 過度なストレス…ストレスを感じると、体はマグネシウムを消費してストレスに対抗しようとします。結果、マグネシウムの排出量が増加し、マグネシウム不足へとつながります。
  • アルコール・カフェインの過度な摂取…アルコールやカフェインの摂取により尿中排泄が促進され、マグネシウムが体内に蓄積されにくくなります。
  • マグネシウムは吸収率が低い…マグネシウムは他のミネラルと比較して吸収率が低く、経口摂取で30%程度しか体内に取り込まれません。

加工食品が飽和している現代、さらには「ストレス社会」と呼ばれる状況だからこそ、意識的に摂取しないとマグネシウム不足を招きやすいのです。

マグネシウム摂取量の目安と効果的な摂取方法

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

マグネシウムを効果的に摂取するには、マグネシウムの摂取量や吸収率に配慮する必要があります。

ここでは、マグネシウムの推奨摂取量と、効果的な摂取方法をご紹介します。

マグネシウムの推奨摂取量

成人男性の推奨量は、1日あたり320〜370mg程度。

女性は260〜300mg程度とされています。

妊娠中の方はもう少し多めの300~340mg程度が推奨されています。

体重の他、運動量やストレスレベルによっても適正量が変わるため、自分に合った量を意識することが大切です。

マグネシウムの推奨摂取量や、摂取するのに理想的なタイミングについては、「マグネシウムはいつ飲むと効果的?種類別の効果と摂取タイミングも紹介」で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

マグネシウムはいつ飲むと効果的?種類別の効果と摂取タイミングも紹介 マグネシウムはいつ飲むと効果的?種類別の効果と摂取タイミングも紹介

マグネシウムの効果的な摂取方法

マグネシウムを効果的に摂取するために意識しておきたいポイントは、次の3つです。

  1. マグネシウムが豊富な食材を積極的に摂取する
  2. マグネシウムの吸収をサポートする食材を一緒に摂る
  3. 経口摂取だけでなく経皮吸収も併用する

マグネシウムを豊富に含む代表的な食品として、あおさや海苔、わかめなどの海藻類、かぼちゃの種やカシューナッツなどの種実類、玄米やきび、あわなど未精製の穀類などがあげられます。

マグネシウムの吸収率を高めるのは、ビタミンDです。

サバやマグロ、鮭などの魚介類、干ししいたけやきくらげなどのきのこ類はビタミンDを豊富に含んでいるので、マグネシウムを豊富に含む食品と一緒に摂るよう意識しましょう。

また、エプソムソルトなどを利用したマグネシウム風呂や、マグネシウムを含むクリームやオイルを肌に塗布するなどして、マグネシウムを経皮吸収する習慣も意識すると、なお理想的です。

マグネシウムを効率よく摂る方法!豊富な食品ランキング&簡単献立例

まとめ|マグネシウムを活用してメタボを予防しよう!

ミネラルで対策!マグネシウムでメタボリックシンドロームを予防しよう

命に関わる心臓や脳の病気のリスクを高めるメタボリックシンドローム。

足音をたてずにじわじわと体を蝕んでいくこの病気を予防するには、食事・運動・睡眠といった基本的な生活習慣の見直しが欠かせません。

特にマグネシウムは、血糖や血圧、脂質代謝など、メタボリックシンドロームの主たる要因に働きかける、重要なミネラルです。

多忙な現代人は食生活が偏りやすく、ストレスも溜め込みがちです。忙しさのあまり、つい手軽な食事やストレス解消のための嗜好品に頼ってしまいがちですが、こうした小さな習慣の積み重ねが、メタボリックシンドロームのリスクを着実に高めていることを意識しなければなりません。

「食事は未来の自分への投資」と考え、今日から少しずつマグネシウムを取り入れる生活を始めてみませんか?