「毎日お通じが出ない…」
「お腹が張っている…」
「薬に頼るのは不安…」
そんな慢性的な便秘に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、その原因のひとつにマグネシウム不足が関係しているかもしれません。
マグネシウムは腸の水分バランスを整え、自然なお通じを促す重要なミネラルです。
日々の食事やマグネシウムを豊富に含む食品をうまく摂取することで、体に負担をかけずに自然な便秘を改善することが期待できます。
今回はマグネシウムと便秘の関係やマグネシウムを豊富に含む食材、効果的な摂取方法についてわかりやすく解説します。
マグネシウムと便秘の関係

マグネシウムは、妊婦の方や子供も飲める便秘薬として広く使われている成分です。
便秘薬には腸を刺激して排便を促すもの、腸内菌のバランスを整えて腸内フローラの健康を促すものなどがありますが、マグネシウムは腸の水分量を増やして便を柔らかくし、スムーズな排出を促します。
マグネシウムは腸内の水分量を増加させ、腸の運動を助けるのに役立ちます。Magnesium helps to increase the amount of water in the intestines, which can help with bowel movements.
ミシガン大学
特にIBS(過敏性腸症候群)などで腸の水分が減少しやすい方にはマグネシウムが優しくサポートしてくれるでしょう。
「それなら、マグネシウムの便秘薬を飲めばいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、薬の形で摂るマグネシウムは肝臓に負担をかけたり、吸収率が低かったりするため、長期的に見ると体に優しいとは言えない場合があります。
特に、下剤に含まれる水酸化マグネシウムは吸収率が低く、胃や消化器系に影響を及ぼす可能性もあります。
したがって、体に優しくマグネシウムを補うためには、食品をうまく活用することが大切です。
便秘改善!マグネシウム豊富な食材リスト

それでは早速、便秘改善に役立つマグネシウムが豊富な食材を見ていきましょう。
ぜひ参考にして食事に摂り入れてみてくださいね。
食品名 | マグネシウム含有量 | 分類 |
あわ | 270mg | 穀類 |
全粒粉 | 140mg | 穀類 |
玄米 | 110mg | 穀類 |
あずき 乾燥 | 120mg | 豆類 |
えんどう豆 乾燥 | 360mg | 豆類 |
黄色大豆 乾燥 | 220mg | 豆類 |
きなこ | 260mg | 豆類 |
木綿豆腐 | 130mg | 豆類 |
あおのり 素干し | 1400mg | 海藻類 |
あおさ 素干し | 3200mg | 海藻類 |
いわのり 素干し | 340mg | 海藻類 |
昆布 素干し | 490mg | 海藻類 |
ひじき 乾燥 | 640mg ゆで37mg | 海藻類 |
えだまめ ゆで | 72mg | 野菜 |
以下の記事ではマグネシウムを豊富に含む食べ物ベスト10を紹介しているので、こちらも合わせてご覧ください。
マグネシウム不足を改善する食べ物ベスト10!効果的な摂取方法も解説

便秘改善にはマグネシウムが豊富な海藻類がいい?

文部科学省が公表しているマグネシウムが多い食品リストを見ると、野菜や果物よりも圧倒的にのりやわかめなどの海藻類に多くマグネシウムが含まれていることがわかります。
「便秘には海藻類を食べればいいんだ!」と思った方も多いかもしれません。
しかし、実はここに便秘の落とし穴があります。
次の項目で詳しくお伝えします。
参考:食品成分データベース(日本食品標準成分表)|文部科学省
マグネシウムが多い食品で便秘に?2つの注意点

マグネシウムの多い食品をリストアップしましたが、マグネシウムの含有量のみに気を取られていると、逆に便秘を引き起こす可能性があります。
食品からマグネシウムを摂取して便秘を改善したいと考えた場合には、以下2つの注意点をしっかり覚えておきましょう。
注意点①調理するとマグネシウムが減少する
上記のリストを見ると、マグネシウムを多く含む豆類や海藻類は、乾燥状態での数値が高くなっていることがわかるでしょう。
しかし、実際にはゆでたり調理したりして食べることが多いため、加熱によってマグネシウムの含有量が大幅に減少してしまいます。
例えば、
・乾燥あずき:120mg → こしあんにすると30mg
・乾燥えんどう豆:360mg → ゆでると64mg
・乾燥ひじき:640mg → ゆでると37mg
このように、マグネシウムは加熱することで含有量が大きく減ってしまいます。
さらに、水分を含むことでマグネシウムの濃度も薄まってしまうのです。
また、乾燥のりなどの海藻類はそのまま食べられますが、さすがに100mgを食べるのは難しいですよね。
つまり、食事だけで十分な量のマグネシウムを摂取するのは、想像以上に難しいと言えるでしょう。
マグネシウムの推奨摂取量は男性30代以降で約370mg/日、女性30代以降で約290mg/となっていますので、食材だけでこれらを摂取するにはさまざまな工夫が必要となります。
参考:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
注意点②不溶性食物繊維が腸の詰まりの原因になる

マグネシウムが多い食材には、食物繊維が豊富なものも多いです。
便秘解消には良いとされる食物繊維ですが、日本人の8割が「ねじれ腸」や「落下腸」であると言われているため、不溶性食物繊維が腸の詰まりの原因になることもあります。
「ねじれ腸」や「落下腸」とは、腸の形が本来と異なり、便がスムーズに通らない構造のことです。
理科室の人体模型や教科書にあるような、きれいなスクエア型の大腸は、西洋人の腸がモデル。日本人の大腸は、ねじれたり、落下したりして、変形しているケースが大半なのです。
ねじれ腸 落下腸 滞った便がグイグイ出てくる 快うんマッサージ 水上健 (著)
このような腸の構造を持つ人にとっては、不溶性食物繊維の摂りすぎが逆効果になることもあるため、マグネシウムだけでなく、食品に含まれる他の成分にも目を向けることが大切です。

マグネシウムが豊富な食品で便秘改善するコツ

You Are Not What You Eat – You Are What You Absorb. (訳:何を食べるかではなく、何を吸収するかだ)
Enzyme Nutrition: The Food Enzyme Concept Book by Edward Howell
このフレーズは今も昔も栄養学の本などに書かれていますが、マグネシウムも「どれだけ吸収されるか」が重要です。
マグネシウムが多く含有されている食品を食べたからといって、必ずしも体内のマグネシウムを補うことはできません。
その大きな理由の一つが、マグネシウムは吸収率がよくないということです。
厚生労働省では食事からのマグネシウム吸収率は30〜40%としています。
Approximately 30% to 40% of the dietary magnesium consumed is typically absorbed by the body [2,9].
NIH.
つまり、食材にマグネシウムが豊富でも、体内に吸収されなければ意味がないということです。
しかし、先にお伝えした通り、薬はマグネシウムを吸収するために肝臓での代謝が必要となるため、肝臓に負担がかかってしまいます。
そのため、もし毎回の食事を計算するのも難しいという場合には、肝臓に負担がかからないサプリメントを利用するのがベターです。
そこでおすすめなのが、リポソームマグネシウムです。
サプリメントのほとんどは、薬と同じように肝臓で代謝されてからマグネシウムが血液に送られますが、リポソームマグネシウムならダイレクトに血管へ送られるため、肝臓への負担の心配もありません。
それゆえ、日々の食事での摂取が難しいと感じる方には、リポソーム型のサプリメントの活用が有効と考えられます。
参照記事:【マグネシウムの種類】サプリで見かける10種類の効果と特徴
マグネシウムサプリメントの重要性を動画で解説
オーガニックサイエンスの公式YouTubeチャンネルでは、マグネシウムサプリの重要性について「日本オーソモレキュラー医学会」代表理事の柳澤厚生(あつお)先生が、以下の動画で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
まとめ|マグネシウムの摂り方を意識して便秘を改善しましょう
マグネシウムが豊富な食品を摂ることは、便秘改善に有効な手段の一つです。
その際には加熱や食物繊維とのバランス、吸収率などに注意して食品を摂取することが重要です。
また、「毎日の食事でマグネシウムを摂るのは難しいかも…」という方には、肝臓に負担をかけず、吸収率が高いサプリメントを併用するといいでしょう。
大切なのは一度きりで終わりにせず、無理なく、継続してマグネシウムを摂取することです。
今回の記事を参考にしていただき、マグネシウムの摂取で便秘の改善を目指しましょう!