カオやココアで手軽にミネラルチャージ!
最近、無性にチョコレートが食べたくなることはありませんか?
特に疲れたときやストレスを感じるとき、甘いものの中でもチョコだけがやけに恋しくなる──そんな経験をしたことがある方は多いはずです。
実はこの「チョコが食べたい」という欲求、単なる嗜好ではなく、体の中のミネラルサインかもしれません。
チョコレートの原料であるカカオには、私たちの体に欠かせないミネラル「マグネシウム」が豊富に含まれており、マグネシウム不足がこの欲求を引き起こすことがあるといわれています。
マグネシウムは、筋肉や神経の働き、エネルギー代謝、心の安定にも関わる大切な栄養素です。
しかし、現代の食生活では不足しがちで、多くの方が知らないうちに欠乏気味とされています。
今回は、チョコレートやココアを通して「美味しくマグネシウムを摂る」方法を紹介します。
適量を意識してチョコレートを楽しみつつ、体を内側からサポートするヒントを見つけましょう!
マグネシウム不足だとチョコレートが食べたくなる?

「チョコレートが食べたい」という衝動は単なる「甘いものへの欲求」ではなく、実は脳と体の複雑な仕組みが関わっています。
体内で起こるミネラルバランスの変化が、こうした欲求を引き起こすことがあるのです。
マグネシウムは、体内で800種類以上もの酵素反応に関与し、神経や筋肉の働きを整えたり、ストレスホルモンの分泌を調整したりする重要な栄養素です。
しかし、過度なストレス、睡眠不足、糖質の摂りすぎ、栄養バランスの偏った食事などによって失われやすい特徴があります。
マグネシウムが不足すると、神経伝達のバランスが崩れ、イライラや不安、集中力の低下を感じやすくなることも。このとき脳は、ストレスをやわらげるドーパミンやセロトニンといった幸福ホルモンを増やそうとします。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールやテオブロミンには、これらの神経伝達物質をサポートする働きがあるため、自然と「チョコが食べたい」という信号が出るのです。
また、体がマグネシウム不足を感じると、筋肉の緊張や疲労感、まぶたのピクピクといった軽いけいれん症状が起こることもあるとされています。そうした不快感をやわらげるために、脳はマグネシウムを多く含む食品を探そうとします。
その結果、カカオの香りや苦味が強いダークチョコレートを欲するようになるケースもあるのです。
つまり、チョコレートを欲する気持ちは、心の問題ではなく、体が発する自然なサインである場合が少なくありません。
甘い誘惑を「意志の弱さ」と決めつけず、まずは自分の体調や食生活を見直してみることが大切です。
チョコレートを食べるときは、糖分の多さに気をつけましょう。
黒糖やはちみつといった自然甘味料を使っていても、果糖やブドウ糖が多く含まれており、マグネシウムの吸収を妨げることがあります。これは、糖の代謝にマグネシウムが必要だからです。
糖分の多いチョコレートを食べると、体内で糖を処理するためにマグネシウムが使われてしまい、結果として吸収できる量が減ってしまいます。
つまり、加糖チョコレートでは、せっかく含まれているマグネシウムを十分に活かせないのです。
マグネシウムを効率よく摂りたい場合は、無糖の「モーレ(メキシコ風カカオソース)」を試してみるのがおすすめです。
トマトや玉ねぎ、スパイス、ココアパウダーを組み合わせた料理用ソースで、焼き鳥やグリル肉との相性も抜群。
健康的においしくマグネシウムを取り入れられます。
カカオ豆を使った食品はマグネシウムの宝庫

カカオ豆は「天然のミネラル食品」ともいわれるほど、マグネシウムをはじめとする栄養素が豊富に含まれています。
ここでは、カカオ豆を使った代表的な食品や、マグネシウム含有量、チョコレートやココアとの違いを見ていきましょう。
カカオ豆を使った代表的な食品
カカオ豆を原料とする食品には、私たちに身近なものが多くあります。
代表的なのはチョコレート、ココアパウダー、製菓用のカカオニブやカカオマスなどです。
どれも同じ「カカオ豆」から作られますが、加工の過程によって栄養成分量や風味、脂質の含有量が変わります。
カカオを原料とする代表的な食品
- カカオマス
- カカオニブ
- ココアバター(カカオバター)
- ココアパウダー
- チョコレート
このほか、カカオ豆はテオブロミンやカフェインといった成分も豊富に含んでおり、これらは利尿や平滑筋の弛緩に作用する成分として知られています。
また、アフリカでは料理用として、メキシコなどでも料理の一般的なソース(モーレ)としてカカオ豆が活用されています。
カカオ豆に豊富に含まれている必須栄養素の一つであるマグネシウムは、カカオ豆の胚芽部分に多く含まれており、精製度が高いほど減少傾向にあるのが一般的です。
そのため、より自然に近いカカオ食品ほど、マグネシウムを多く摂取しやすい傾向があります。
また、カカオニブやピュアココアは余計な糖分を含まないため、健康志向の方に人気です。
カカオ豆のマグネシウム含有量
カカオ豆は、チョコレートやココアの原材料です。
カカオ豆を発酵・乾燥・焙煎し、すりつぶしたものが「カカオマス」と呼ばれ、そこから脂肪分(カカオバター)を取り除くと「ココアパウダー」となります。
カカオ豆に豊富に含まれるマグネシウムは、ミネラルの中でも特にエネルギー代謝に関与する重要な栄養素で、体の中でATP(エネルギー分子)を安定させ筋肉や神経の働きをサポートする働きがあります。
また、カカオにはポリフェノール、鉄、亜鉛、食物繊維なども多く、抗酸化や代謝サポートにも役立つ成分を豊富に含んでいます。
カカオ豆に含まれるマグネシウムをはじめ、各種栄養成分の一部を以下にまとめました。
| 栄養成分 | 含有量(100gあたり) |
|---|---|
| マグネシウム | 476mg |
| カルシウム | 111mg |
| 鉄 | 16mg |
| 亜鉛 | 6.4mg |
| カリウム | 2509mg |
| 食物繊維 | 30g |
| たんぱく質 | 18g |
| カロリー | 220kcal |
出典:FOOD STRUCT
このように、カカオ豆はマグネシウムをはじめとするミネラルや食物繊維を非常に豊富に含む、まさに「天然の栄養パワーフード」といえます。
特にマグネシウム量は他の食品と比較しても突出しており、同量のアーモンド(約270mg)や海藻類よりも多いほどです。
チョコレートのマグネシウム含有量
チョコレートはカカオ豆から作られる代表的な加工食品です。
ただし、一口にチョコレートといっても「カカオマス」「カカオバター」「砂糖」「乳成分」の配合割合によって栄養バランスは大きく異なります。
特に、カカオの含有率が高いものほどマグネシウム量が多く、健康志向の方には「ダークチョコレート」が人気です。
カカオマスを多く含むほど苦味やコクが強くなり、砂糖やミルクが増えるほどマグネシウムは減少します。つまり、カカオ成分がチョコレートの栄養価を決定するのです。
以下は、カカオ70〜85%を含むダークチョコレートの栄養成分です。
| 栄養成分 | 含有量(100gあたり) |
|---|---|
| マグネシウム | 228mg |
| カルシウム | 73mg |
| 鉄 | 12mg |
| 亜鉛 | 3.3mg |
| カリウム | 715mg |
| 食物繊維 | 11g |
| たんぱく質 | 7.8g |
| カロリー | 598kcal |
出典:FOOD STRUCT
カカオ製品のマグネシウム含有量は、カカオ成分が多いほど高くなるのが一般的です。
たとえばミルクチョコレートやホワイトチョコレートは口当たりが良く人気ですが、栄養面ではダークチョコレートに軍配が上がります。
また、チョコレートにはマグネシウム以外にも、鉄や亜鉛、カルシウムなどのほか、カカオポリフェノールといった健康維持に役立つ成分が含まれています。
一方、チョコレートには脂質や糖分も多く含まれるため、食べすぎには注意が必要です。
ダークチョコレートであってもカロリーは高めなので、1日あたり20〜25g(板チョコ約5分の1枚)を目安に、ゆっくり味わうのが理想的です。
ココアのマグネシウム含有量
ココアは、カカオ豆から脂肪分(カカオバター)を取り除いて粉末状にした「カカオパウダー」を主原料とする飲み物です。
砂糖やミルクを加えるかどうかで「ピュアココア(無糖)」と「調整ココア(加糖)」に分かれますが、マグネシウムをしっかり摂りたい場合は、断然ピュアココアがおすすめです。
ココアの魅力は、チョコレートよりもカロリーが低く、マグネシウムや鉄、食物繊維、ポリフェノールといったカカオ由来の栄養素をバランス良く摂取できる点です。
甘さの調整もしやすく、温かくして飲むことでリラックス感につながりやすいため、健康志向の方に人気が高まっています。
以下は、一般的なココアの主な栄養成分です
| 栄養成分 | 含有量(100gあたり) |
|---|---|
| マグネシウム | 519mg |
| カルシウム | 122mg |
| 鉄 | 15mg |
| 亜鉛 | 6.7mg |
| カリウム | 1574mg |
| 食物繊維 | 30g |
| たんぱく質 | 17g |
| カロリー | 486kcal |
出典:FOOD STRUCT
無糖タイプのピュアココアは、マグネシウムや鉄分が特に豊富で、チョコレートに比べてカロリーも控えめです。
一方の調整ココアは飲みやすい反面、砂糖が多く含まれるため、過剰摂取には注意が必要です。
マグネシウムの吸収を高めるには、牛乳や豆乳で割るのがおすすめです。カルシウムやたんぱく質と一緒に摂ることで、ミネラルバランスが整い、栄養効率がより良くなります。
また、はちみつやシナモンを少量加えると、自然な甘みと香りで満足感がアップし、砂糖の量を減らしてもおいしく楽しめます。
温かいココアは、寒い季節だけでなく、仕事の合間のひと休みにも最適。マグネシウムの補給だけでなく、リラックスタイムを楽しむ方法の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
マグネシウムの主な働き
体内にはおよそ25gのマグネシウムが存在し、そのうち約6割が骨に、残りは筋肉や神経、血液、細胞内に分布しています。
普段は目に見えませんが、実は体のあらゆる代謝や活動を支えている「縁の下の力持ち」のような存在です。
主な働きとして、次のようなものがあげられます。
- エネルギー代謝のサポート…マグネシウムは、食べた栄養をエネルギーに変える過程で欠かせない酵素の働きを助けます。体を動かしたり、頭を使ったりする際の「エネルギーの燃料作り」に関与しています。
- 筋肉と神経のバランスを整える…カルシウムと協調しながら筋肉の収縮や弛緩をコントロールしています。マグネシウムが不足すると、足がつったり、まぶたがピクピクしたりすることも。神経の興奮を抑える働きもあり、リラックスの維持にも役立っています。
- 心と体のストレス緩和…ストレスを感じるとマグネシウムが尿中に排出されやすくなります。逆にマグネシウムを十分に摂取していると、ストレスホルモンの分泌に影響しうると報告されています。
- 血圧や血糖値への関与…血管の収縮を緩やかにし、血流をスムーズに保つ働きがあります。また、インスリンの働きをサポートすることで血糖値の安定にも関与しています。
このように、マグネシウムは「体」「心」「代謝」のすべてに関わる重要なミネラルです。
しかし現代人の多くは、加工食品中心の食生活やストレス過多により慢性的に不足しがちです。
そんなとき、チョコレートやココアのようなカカオ由来食品を上手に取り入れることで、マグネシウムをおいしく補うことができます。
マグネシウムの働きについては、「マグネシウムの効果とは?体に効く理由と効率的な3つの摂取方法を完全解説」で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
マグネシウムと他の栄養素の関係
マグネシウムは単独では十分に働かず、カルシウムやカリウム・ナトリウムとの連携で本来の力を発揮します。
筋肉や神経の調整、骨代謝、体液と血圧のバランスに関与するため、摂取量だけでなく比率と組み合わせが大切です。
日々の食事で乳製品や小魚とともにナッツや豆類、海藻や野菜を組み合わせ、過不足のないミネラルバランスを意識しましょう。
また、ビタミンDもマグネシウムと深く関係しています。
マグネシウムはビタミンDの活性化を助け、骨の形成やカルシウムの利用効率を高めます。逆にマグネシウムが不足すると、せっかく摂ったビタミンDがうまく働かない場合もあります。
カカオ食品のほか、豆腐やナッツ、海藻、野菜、魚介類など、多様な食品からミネラルをまんべんなく摂って、健康的な体づくりを目指しましょう!
マグネシウムが不足するとどうなる?
マグネシウムは生命活動に欠かせないミネラルでありながら、体内で合成できないため、食事から摂るしかありません。
しかし現代人の多くは、精製食品や外食中心の食生活、ストレスや飲酒などの影響でマグネシウムが慢性的に不足しやすい傾向にあります。
マグネシウムが不足すると、まず現れるのは「神経」と「筋肉」のトラブルです。
足がつる、まぶたがピクピクする、肩や首がこりやすい──こうした症状は、筋肉を弛緩させるマグネシウムが足りず、カルシウムによる収縮が優位になっているサインかもしれません。
また、精神面にも影響が及ぶ場合もあります。
マグネシウムはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える働きを持つため、不足するとイライラや不安感、集中力の低下などが起こりやすくなるとされています。睡眠の質が下がるのもその一因です。
さらに、マグネシウムは糖代謝や血圧のコントロールにも関わっており、不足が続くとインスリンの働きが低下し、血糖値の乱れや高血圧傾向を招くこともあります。
長期的なマグネシウム不足は、骨密度の低下や骨粗しょう症のリスクに影響することも。
マグネシウム不足の初期症状は見過ごされがちですが、次のようなサインに心当たりがある方は注意が必要かもしれません。
- 最近よく足がつる
- 疲れが抜けにくい
- イライラしやすくなった
- 寝つきが悪い
- 甘いものやチョコレートが無性に食べたくなる
こうしたサインが複数当てはまる場合、体がマグネシウムを求めている可能性があります。
自分の状態を確認したい方は、マグネシウム不足セルフチェックで簡単にチェックしてみましょう。

マグネシウム不足はなぜ起こる?
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、男女ともにマグネシウムの摂取量が推奨量を下回る傾向が続いています。
豊富なレシピが共有され、近年は健康志向の方も増加傾向にある中、なぜ現代人にはマグネシウムが不足しがちなのでしょうか。
大きな要因としてあげられるのが、精製食品の増加です。
白米、精製小麦、白砂糖などの「精製食品」は、加工の過程でミネラルが大幅に失われます。
つまり、玄米や全粒粉、小麦胚芽などに豊富に含まれていたマグネシウムが、精製により取り除かれてしまうのです。
精製食品は便利で食べやすい反面、こうした食品中心の食生活ではミネラルが不足しやすくなります。
また、インスタント食品やファストフードなどの加工食品の多用も、マグネシウム不足のリスクを高めます。これらの加工食品には、マグネシウムの吸収を妨げることがあるリン酸塩やナトリウムが多く含まれているためです。
味付けが濃い食事を続けると、知らず知らずのうちにミネラルバランスが崩れてしまいます。
次に、ストレスや飲酒、カフェイン摂取も無視できません。
マグネシウムは「ストレスに弱いミネラル」と呼ばれるほど、精神的・肉体的な負担がかかると体外に排出されやすくなります。
ストレス社会と呼ばれる現代社会において、マグネシウムは意識的に摂取したいミネラルの一つなのです。
また、アルコールやコーヒー、エナジードリンクなどに含まれる利尿作用のある成分も、マグネシウムの排泄を促進することがあります。
こうした複数の要因が重なることで、慢性的なマグネシウム不足が起こりやすくなります。
とはいえ、意識して食生活を整えれば、十分な栄養を補うことは可能です。
玄米、豆類、ナッツ、海藻類、そしてカカオ製品を毎日の食卓に少しずつ取り入れて、自然な形で栄養バランスを整えるのが理想です。
チョコレートとココアの上手な選び方

マグネシウムをおいしく補えるカカオ製品ですが、糖分や脂質を摂りすぎてしまわないよう上手に選びたいものです。
ここでは、健康的に楽しむためのチョコレートとココアの上手な選び方を見ていきましょう。
チョコレートの上手な選び方
マグネシウムを意識して摂りたい場合は、「カカオ分」に注目しましょう。
一般的に、カカオ分が高いほどマグネシウムやポリフェノールなどの栄養素が多く、糖分や添加物が少なくなります。
目安として、カカオ70%以上のダークチョコレートを選ぶと、苦味の中にも自然な甘さと満足感を得られやすいでしょう。
一方、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートは口当たりがまろやかですが、砂糖や乳脂肪が多く、マグネシウム量は控えめです。
また、チョコレートを選ぶ際には、原材料表示もチェックしましょう。
原材料欄は原則として、含有量の多い材料から順に表記されます。つまり、「砂糖」が最初に書かれている商品は糖分が多い傾向にあるということです。
「カカオマス」「カカオバター」「ココアパウダー」など、カカオ由来の成分が前半に書かれているものを選ぶと安心です。
もう一つ注目したいのが、フェアトレードチョコレートです。
フェアトレードとは、開発途上国の生産者が適正な価格で取引できるように支援する仕組みのこと。
特にカカオ豆は、児童労働や過酷な労働環境が問題となっており、フェアトレード製品を選ぶことは、生産者の生活を守ることにもつながります。
ただし、フェアトレードチョコレートは一般製品より価格が高めで、流通量が限られている点がデメリットです。
フェアトレードという社会的な取り組みを通して少しでも社会貢献したい方は、ぜひ気に留めてみてください。
ココアの上手な選び方
ココアにも、加糖タイプや無糖タイプ、低脂肪タイプなどさまざまな種類がありますが、栄養バランスを意識するなら「無糖タイプのピュアココア」を選ぶのが基本です。
スーパーなどでよく見かける「調整ココア」は、あらかじめ砂糖やミルクパウダーが加えられており、飲みやすい反面、糖質量が多くなりがちです。
一方、ピュアココア(純ココア)は、カカオ豆から抽出したカカオパウダーのみを使用しており、マグネシウムや鉄、ポリフェノールなどの栄養をそのまま摂取できます。
ただし、ピュアココアは苦味が強く感じられることがあるので、飲みにくさを感じる場合や、お子さんに与える場合などは、黒糖やはちみつ、きなこなど自然由来の甘味を少量加えるのがおすすめです。
また、牛乳や豆乳で割るとカルシウムやたんぱく質も同時に補えるため、ミネラルバランスが整いやすくなります。
さらに、ココアを選ぶ際は「アルカリ処理(ダッチプロセス)」の有無にも注目してみましょう。
アルカリ処理を施したココアは苦味がマイルドになりますが、その分ポリフェノールやマグネシウムがやや減少します。
栄養面をより重視するなら「ナチュラルココア」と表示されたものを選ぶのがおすすめです。
カカオ豆製品を上手に取り入れよう

カカオ豆を使った食品は、チョコレートやココアだけではありません。
カカオニブやカカオマス、ピュアココアなど、加工度の低い製品を上手に活用すれば、毎日の食生活の中で自然にマグネシウムを取り入れることができます。
カカオ豆そのものは苦味が強いですが、工夫次第でおいしく続けられるのが魅力です。
ここでは、カカオ製品をより手軽に、そして健康的に取り入れるための具体的なアイデアを紹介します。
お菓子作りに利用する
カカオニブやピュアココアは、お菓子作りに取り入れやすい食材で、マフィンやクッキー、グラノーラバーなどに混ぜるだけで、風味と栄養価がぐっと高まるのが魅力です。
特にカカオニブは、砂糖を使わずにチョコのような香ばしさと食感が加えられるため、甘さを控えたい方にもぴったり。
また、ピュアココアを使用する場合は、バターや砂糖を控えめにし、素材の風味を生かすと上品な味わいに仕上がります。
ココナッツオイルやオートミールを合わせれば、よりヘルシーなスイーツとして活用できます。
家庭で作るお菓子は、材料を自由に調整できるのが最大の利点です。
ナッツ類と合わせる
カカオとナッツは、栄養的にも相性抜群の組み合わせです。
どちらもマグネシウムが豊富で、さらにナッツにはビタミンEやオメガ3脂肪酸など、抗酸化作用のある成分も含まれています。
アーモンドやクルミに溶かしたダークチョコレートを絡めて冷やすだけで、手軽で満足感のあるスナックが完成します。
小腹が空いたときに少量をつまむだけで、エネルギー補給と気分転換の両方に役立てられるでしょう。
市販のチョコナッツバーを選ぶ場合は、砂糖や添加物が少ないシンプルなものを選びましょう。
ヘルシーなおやつに
チョコレートやココアを上手に使えば、罪悪感のないヘルシーおやつにすることもできます。
たとえば、無糖ヨーグルトにピュアココアを混ぜ、バナナやベリーをトッピングすれば、自然な甘みと栄養が両立した一品に。
また、カカオニブをシリアルやスムージーに加えると、香ばしい風味と食感のアクセントになります。
マグネシウムは毎日少しずつ摂ることが大切です。
「おやつの時間=栄養補給の時間」と考え、体にやさしいスイーツ習慣を楽しみましょう。
チョコレート・ココアの注意点

厚生労働省および農林水産省が示す「食事バランスガイド」では、菓子類などの嗜好品は1日200kcal程度を目安としています。
これは板チョコでいえばおよそ3分の2枚に相当します。
少量でも満足感を得られるように、食べるときは「ながら食べ」を避け、香りや口溶けをゆっくり楽しむのがおすすめです。
また、カカオ製品には砂糖が含まれているものがあるほか、カフェインやテオブロミンも含まれています。
これらの成分には覚醒作用があるとされているため、寝る直前の摂取は避けるのが無難です。特にカフェインに敏感な方は、夜遅くのチョコレートやココアを控えましょう。
なお、もしチョコレートやココアを食べても「なんだか満足できない…」と感じる場合は、体が他のミネラルを求めている可能性もあります。そんなときは、ナッツや海藻類など、マグネシウムが多いお菓子を取り入れるのもおすすめです。
「美味しく健康に!マグネシウムが摂れるお菓子15選を多い順で紹介」では、マグネシウムを摂りやすいお菓子をランキング形式で紹介しています。チョコやココアで満足できない方は、こちらの記事を参考に自分に合うお菓子を探してみてください。
まとめ|チョコレートとココアでおいしくマグネシウムを補給しよう!

マグネシウムが、私たちの体にとっていかに重要な栄養素なのか、よくおわかりいただけたと思います。
チョコレートやココアの原料であるカカオ豆は、あらゆる食品の中でもとりわけマグネシウムを豊富に含んでいる食品で、まさに自然の恵みそのものです。
特にカカオ分の高いダークチョコレートや、無糖タイプのピュアココアを選べば、甘い満足感と同時にミネラル補給も叶いやすくなるでしょう。
大切なのは「適量を楽しむこと」です。
食べる罪悪感を抱くのではなく、心と体をいたわる時間として、チョコやココアを味わうのが理想的です。
今日からチョコレートとココアを「ご褒美」だけでなく、「体がよろこぶ栄養源」として楽しんでみませんか?

