マグネシウム不足とかゆみの関係|肌荒れ・湿疹を防ぐメカニズムと改善方法

マグネシウム不足とかゆみの関係|肌荒れ・湿疹を防ぐメカニズムと改善方法

「保湿してもかゆい」

「原因不明のかゆみが続く」

「アレルギー体質じゃないのに、肌が荒れてかゆい」

「かゆみ」と聞くと、乾燥やアレルギーを連想する方が多いと思いますが、実は「マグネシウム不足」もかゆみの原因の1つになると言われています。

マグネシウムが不足すると肌のバリア機能が低下することで、乾燥や炎症が発生しやすくなり、かゆみを引き起こすことがあります。

特に、加工食品中心の食生活やストレスが多い現代人は、知らず知らずのうちにマグネシウムが不足している可能性があります。

今回はマグネシウム不足がかゆみとどのように関係しているのか、そのメカニズムや効果的な改善方法について詳しく解説します。

目次 表示

  1. マグネシウム不足とかゆみの関係は?
  2. かゆみを引き起こすマグネシウム不足の3つの原因
  3. 【科学的根拠】マグネシウム不足とかゆみの関係を示す研究
  4. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法3選
  5. マグネシウム不足とかゆみに関するよくある質問
  6. まとめ|マグネシウムの摂取でかゆみのない肌を手に入れよう!

マグネシウム不足とかゆみの関係は?

マグネシウム不足とかゆみの関係は?

なぜマグネシウムが不足するとかゆみが生じることにつながるのか?

それを解明するために、マグネシウムが皮膚にどのような働きをしているのか、またマグネシウム不足でどのようにかゆみが生じるのかの仕組みについて解説します。

マグネシウムの皮膚への4つの働き

体内の約800種類以上もの化学反応に影響を与え、私たちにとって必須ミネラルであるマグネシウム
なかでもマグネシウムは皮膚の健康維持において重要な役割を果たしており、主な働きは以下の4つです。

肌のバリア機能をサポート

マグネシウムは肌を外的刺激から守るバリア機能を強化しています。

乾燥や外部の有害物質から肌を守り、健康的な肌を保つ役割を果たしているのです。
さらに、アトピー性皮膚炎の症状軽減にも寄与しています。

参考:The role of magnesium in dermatology|JAAD Reviews

抗炎症作用

マグネシウムには、炎症を抑える作用があります。

肌の炎症や赤み、かゆみを軽減し、肌荒れを予防するだけでなく、ニキビの症状を和らげる効果も期待できます。

保湿効果

マグネシウムは肌の水分バランスを保ち、乾燥を防ぐのに役立ちます。
これにより、肌が柔らかく潤いを保つことができます。

細胞の新陳代謝を促進

マグネシウムは、肌細胞のターンオーバーを助け、古い角質を取り除き、新しい健康な肌細胞の生成を促進します。
その結果、肌が明るく滑らかな印象になる可能性もあります。

つまり、マグネシウムは肌のありとあらゆる活動に関与しており、肌の健康維持に欠かせない存在と言えます。

マグネシウムによる肌への効果は?スキンケアしながら肌バリア機能をサポート マグネシウムによる肌への効果は?スキンケアしながら肌バリア機能をサポート

マグネシウム不足でかゆみが生じるメカニズム

かゆみが生じる原因はアレルギー反応や糖質過剰、ヒスタミンの多い食品の摂取などさまざまですが、その要因の一つにマグネシウム不足が挙げられます。

先ほどお伝えしたように、マグネシウムは肌のバリア機能を高めたり、炎症を鎮めたり、乾燥を防ぐなど、肌の健康維持において重要な役割を果たしています。

皮膚にとって有効なマグネシウムが不足してしまえば、肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激やアレルゲン、細菌などが肌に侵入しやすくなってしまうのです。

その結果、これらの異物が免疫細胞と反応してアレルギー性の炎症を引き起こします。

【実証済み】マグネシウム不足とかゆみの関係とは?そのメカニズムと改善法を解説

加えて、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、肌はよりかゆみを感じやすい状態に。

そんな敏感な肌を掻くことによって、さらに「バリア機能が低下する」→「異物が侵入しやすくなる」→「かゆみを感じる」→「肌を掻く」という悪循環に陥ってしまいます。

マグネシウムとかゆみの関係について、より詳しく知りたい方は以下の記事も一緒にお読みいただくと理解が深まるでしょう。

【医師監修】マグネシウム不足が肌のかゆみの原因に?セルフチェックと2つの摂取法 【医師監修】マグネシウム不足が肌のかゆみの原因に?セルフチェックと2つの摂取法

マグネシウム不足と肌荒れ・湿疹・アトピーとの関係

マグネシウム不足によるかゆみは、単なる一時的な症状ではなく、肌荒れ、湿疹、アトピー性皮膚炎といった慢性的な肌トラブルとも深く関わっています

【肌荒れとの関係】

マグネシウム不足により肌のバリア機能が低下すると、外部刺激に対する防御力が弱まります。

その結果、ちょっとした刺激でも肌が赤くなったり、ヒリヒリしたり、ガサガサしたりといった肌荒れの症状が現れやすくなります。

【湿疹との関係】

湿疹は、皮膚のバリア機能が損なわれることで炎症が起こり、赤み、かゆみ、水疱などの症状が現れる皮膚疾患です。

マグネシウムには抗炎症作用があるため、不足すると炎症を抑える力が弱まり、湿疹が発生しやすくなったり、既存の湿疹が悪化しやすくなったりします。

【アトピー性皮膚炎との関係】

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な体質やアレルゲンなど複数の要因が絡み合って発症する慢性的な皮膚疾患です。

マグネシウムはアトピー性皮膚炎の症状軽減に寄与することが研究で示されており、マグネシウムが十分に存在すると、肌のバリア機能が強化され、外部からのアレルゲンの侵入を防ぐと考えられます。

参考:The role of magnesium in dermatology|JAAD Reviews

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の3つの原因

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の3つの原因

マグネシウムは肌の健康維持だけでなく、私たちの体や肌の健康維持に欠かすことのできない必須ミネラルです。

しかし、現代の食生活やライフスタイルの影響で、多くの人が知らず知らずのうちにマグネシウム不足に陥っています。
ここでは、かゆみを引き起こすマグネシウム不足の代表的な原因を3つ紹介します。

  • 不適切な食生活
  • ストレス
  • 飲酒

以下で1つずつ見ていきましょう。

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因1:不適切な食生活 

食の欧米化が進んだことで加工食品やファストフードが多くなり、マグネシウムが豊富な食品(例えば、海藻類、ナッツ、全粒穀物、緑の葉野菜)が不足する傾向にあります。

外食や便利さを求めるあまり、栄養価の低い食事を選ぶことが多いと結果的にマグネシウムの摂取量が減少してしまいます。

できる限りバランスのいい食事を心がけ、コンビニなどを利用する際はマグネシウムが豊富な食品を摂るなどするとよいでしょう。

こちらではコンビニでも買えるマグネシウム食品を10品紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

コンビニで買えるマグネシウム食品10選!手軽にマグネシウム補給! コンビニで買えるマグネシウム食品10選!手軽にマグネシウム補給!

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因2:ストレス

ストレスは体内のマグネシウムの消費を増加させる要因の1つです。

ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れ、マグネシウムが多く必要になることがあります。そのため、慢性的なストレスを抱えると、マグネシウム不足が進行しやすくなってしまうのです。

仕事や学業、家事、育児などで日々を忙しく過ごす現代人にとって、ストレスは避けては通れない問題です。
そのため、意識的に休息の時間を確保することも大切です。

かゆみを引き起こすマグネシウム不足の原因3:飲酒

アルコールの過剰摂取もマグネシウム不足を招く原因と考えられています。

アルコールは腸からのマグネシウムの吸収を妨げるだけでなく、尿中への排出を促進するため、体内のマグネシウムが減少します。
特に毎日大量に飲酒する習慣がある人は注意が必要です。

適度なアルコール摂取はストレス解消につながることもあるかもしれませんが、休肝日を設けたり、アルコールフリーの飲料で代用するなどして、過剰摂取にならないよう工夫するとよいでしょう。

ここまで読んで「もしかすると自分もマグネシウム不足かも?」と心配になった方は、わずか1分で完了するマグネシウム不足診断をお試しください。
今の体の状態を簡単にチェックできますよ。


 マグネシウム不足のセルフチェックする /

【科学的根拠】マグネシウム不足とかゆみの関係を示す研究

【科学的根拠】マグネシウム不足とかゆみの関係を示す研究

ここでは、マグネシウムとかゆみの関係について科学的に実証されている論文をご紹介します。

マグネシウム不足とかゆみの関係 研究①マグネシウムは肌の炎症を改善する

「PubMed」に掲載された研究では、マグネシウムが肌の炎症に関係しており、マグネシウムを投与することで、皮膚の炎症が改善されたと報告しています。

“Magnesium is an important micronutrient essential for various biological processes and its deficiency has been linked to several inflammatory disorders in humans. 
Topical magnesium delivery is one of the oldest forms of therapy for skin diseases, for example Dead Sea therapy and Epsom salt baths. 
Some anecdotal evidence and a few published reports have attributed amelioration of inflammatory skin conditions to the topical application of magnesium.”

マグネシウムはさまざまな生物学的プロセスに不可欠な重要な微量栄養素です。
そして、マグネシウム不足はいくつかの炎症性疾患と関連しています。

マグネシウムの局所投与は、死海療法(※1)やエプソム塩浴(※2)など、皮膚疾患に対する最も古い治療法の1つである。
マグネシウムの局所投与によって炎症性皮膚疾患が改善されたという事例や報告もいくつかあります。

※1 イスラエルとヨルダンにまたがる「死海」という塩湖の特殊な環境を利用した治療法。死海の水は塩分濃度が非常に高く、通常の海水よりも10倍ほどの塩分を含んでいます。この高い塩分濃度と死海周辺のミネラルが豊富な環境が、さまざまな皮膚疾患や関節の問題を改善するのに効果があるとされています。


※2 エプソム塩浴とは、エプソム塩(エプソムソルト)と呼ばれる硫酸マグネシウムをお風呂に入れて浸かる入浴法です。エプソム塩は、通常の食塩とは異なり、ミネラルであるマグネシウムと硫酸塩でできており、体に良い影響を与えるとされています。

参考:Permeation of topically applied Magnesium ions through human skin is facilitated by hair follicles|PubMed

マグネシウム不足とかゆみの関係 研究②マグネシウムはアトピーを軽減する

Acta Dermato-Venereologicaに掲載された研究では、マグネシウムがアトピー性皮膚炎の症状を軽減する可能性があることを示唆しています。

対象アトピー性皮膚炎と診断された患者100名
方法患者は二つの皮膚部分にそれぞれ異なるクリームを塗布する。
片側にはCer-Mg(マグネシウム)を、反対側にはヒドロコルチゾンまたはエモリエントクリームを使用。
期間6週間
結果【症状の改善】 6週間後、Cer-Mgクリームはヒドロコルチゾンと同等の効果が認められ、両者ともエモリエントクリームよりも優れた改善が見られました。
【皮膚の水分保持】 Cer-Mgは皮膚の水分保持能力を改善し、天然保湿因子の維持にも効果がありました。

この研究はセラミドとマグネシウムの組み合わせが、アトピー性皮膚炎の非ステロイド治療として有望であることを示唆しています。
さらに、マグネシウムは皮膚のバリア機能を改善し、アトピー性皮膚炎の症状を軽減する可能性があります。
参考Efficacy of a Cream Containing Ceramides and Magnesium in the Treatment of Mild to Moderate Atopic Dermatitis: A Randomized, Double-blind, Emollient- and Hydrocortisone-controlled Trial|Acta Dermato-Venereologica

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法3選

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法3選

最後にマグネシウム不足によりかゆみを改善するための3つの方法について、お伝えします。

  1. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法:食事
  2. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法:サプリメント
  3. マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法:経皮吸収

1つずつ順を追って見ていきましょう。

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法1:食事

まずみなさんが思い浮かぶのが、食事による改善ではないでしょうか?

ご想像のように栄養バランスのとれた食事からのマグネシウムの摂取が、体にとっては最も自然な方法となります。

毎回マグネシウム量を計算して食事を用意するのは現実的ではありませんし、そのような時間をとることも難しいでしょう。

したがって、まずは加工食品やファストフードをできる限り減らしていき、マグネシウムが豊富な食品を1食に1品取り入れるだけでも栄養バランスは改善されるはずです。

マグネシウムが豊富な食品については以下の記事にまとめられていますので、今後の食事改善の参考として、ぜひご覧ください。

マグネシウムの効果とは?ミネラル豊富な食品と吸収率を高める摂取方法・注意点を解説 マグネシウムの効果とは?ミネラル豊富な食品と吸収率を高める摂取方法・注意点を解説

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法2:サプリメント

食事からマグネシウムを十分に摂取するのが難しい方や、より効果的にマグネシウムを摂取したい方には、サプリメントの利用が日常生活に取り入れやすい選択肢かもしれません。

ただし、サプリメントの構造によってはあまり吸収されないだけでなく、肝臓などの消化器や泌尿器系などに負担をかけてしまう場合もあるので注意が必要です。

そのため、サプリメントでマグネシウムを補うには『吸収率に着目した』サプリメントを選ぶようにしましょう。

マグネシウムサプリメントのおすすめ5選|吸収率で選ぶ失敗しないコツ マグネシウムサプリメントのおすすめ5選|吸収率で選ぶ失敗しないコツ

マグネシウム不足によるかゆみを改善する方法3:経皮吸収

肌からのマグネシウムの吸収は入浴やバーム、クリームの塗布で行われます。

たとえば、マグネシウムを豊富に含むエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を用いた入浴は、リラックス効果だけでなく、肌から直接のマグネシウム補給を期待できます。

さらに、マグネシウムを含むバームやクリームも販売されており、これらを直接気になる箇所に塗ることでピンポイントでマグネシウムを供給することが可能になります。

経皮吸収とは?肌から成分が吸収される仕組みを分かりやすく解説 経皮吸収とは?肌から成分が吸収される仕組みを分かりやすく解説

マグネシウム不足とかゆみに関するよくある質問

マグネシウム不足とかゆみに関するよくある質問

最後に、マグネシウム不足とかゆみの関係について、よくある質問に回答していきます。

Q1:マグネシウム入浴剤は毎日使っても大丈夫?

はい、マグネシウム入浴剤(エプソムソルト)は、基本的に毎日使用しても問題ありません。

マグネシウムは経皮吸収されますが、過剰に吸収されることはなく、体に必要な分だけが取り込まれます。
むしろ、毎日の入浴習慣にすることで、継続的にマグネシウムを補給でき、肌の保湿やかゆみの改善効果が高まるでしょう。

入浴後は肌が温まり水分が蒸発しやすいため、マグネシウム配合のバームやクリームで保湿ケアをするとより効果的です。

エプソムソルトの効果とは?知っておきたい効能&正しい使い方を解説 エプソムソルトの効果とは?知っておきたい効能&正しい使い方を解説

Q2:マグネシウムが多い食べ物でアレルギーはある?

マグネシウム自体に対するアレルギーは非常にまれですが、マグネシウムを多く含む食品の中には、アレルギーを起こしやすいものがあります

ナッツ類、魚介類、大豆製品などにアレルギーがある方は、海藻類、全粒穀物、緑の葉野菜から摂取すると良いでしょう。

また、経皮吸収(入浴剤やバーム、クリーム)であれば食物アレルギーの心配がなく、安心してマグネシウムを補給できます。

マグネシウムとアレルギーの関係は?最新の研究から見える可能性 マグネシウムとアレルギーの関係は?最新の研究から見える可能性

Q3:マグネシウムクリームとステロイドはどちらが効く?

ステロイド外用薬は炎症を素早く抑える効果がありますが、長期使用による副作用のリスクがあります。

一方、マグネシウムを含むクリームは即効性ではステロイドに劣るものの、副作用が少なく長期的に使用できるのが特徴です。

研究では、セラミドとマグネシウムを組み合わせたクリームが、弱いステロイド外用薬と同等の効果を示したという報告があります。

軽度から中等度のかゆみであれば、まずマグネシウムクリームを試してみても良いでしょう。
ただし、症状が重い場合は皮膚科医に相談してください。

参考:Efficacy of a Cream Containing Ceramides and Magnesium in the Treatment of Mild to Moderate Atopic Dermatitis: A Randomized, Double-blind, Emollient- and Hydrocortisone-controlled Trial|Acta Dermato-Venereologica

まとめ|マグネシウムの摂取でかゆみのない肌を手に入れよう!

マグネシウムは単に骨や筋肉に必要なミネラルではなく、肌のバリア機能を守り、炎症を抑え、保湿を助ける重要な栄養素です。
不足すると肌荒れ、湿疹、かゆみといったさまざまな肌トラブルを引き起こす可能性があります。

主な改善方法は、食事、サプリメント、経皮吸収の3つ
ご自身に合った続けやすい方法を選ぶとよいでしょう。

肌のかゆみやトラブルで悩まれている方は、今回の記事を参考にしていただき、毎日のお肌のお手入れや美容だけでなく「マグネシウムの摂取」も取り入れてみてください。