「肩が上がらなくなった…」
「肩を動かすと痛む…」
「夜中にズキズキする…」
肩に痛みを伴う症状はさまざまですが、もしこのような症状があるのなら、「腱板断裂(けんばんだんれつ)」の可能性を視野に入れておいた方がいいかもしれません。
腱板断裂は、加齢や日常の肩の酷使、ちょっとした外傷などが引き金となり、気づかないうちに肩の深部にダメージを負い、痛みが発生します。
四十肩や五十肩のように、加齢による筋力の衰えなどが原因で生じる場合もありますが、脱臼などの外傷が原因で起こる場合もあり、必ずしもお年寄りだけに表れる症状ではありません。
最近は腱板断裂の予防や回復、治療と並行しながら、ケガの回復を早めるために生活習慣を見直すことが勧められています。
たとえば食事の栄養バランスに配慮したり、睡眠の質を上げるために寝具を工夫したり。
中でもミネラルの摂取は、ミネラル不足に陥りがちな私たち日本人にとって大きな課題です。
今回は、筋肉や神経の働きをサポートするミネラルの一種「マグネシウム」の性質に注目し、マグネシウムを活用した具体的なセルフケア方法をわかりやすく解説します。
健康維持のためのマグネシウム活用法

腱板断裂は、肩関節の使い過ぎや、小さな炎症の積み重ねが原因で起こることが多い症状です。
この症状を回復するには、日ごろの肩へのケアももちろん大切ですが、体の回復力を高めるために十分な栄養を摂取することも大切です。
特にマグネシウムは、筋肉の弛緩や神経伝達に必要不可欠なミネラルです。
筋肉を使った後にしっかりと緩めたり、神経の興奮を落ち着かせたりなど健康をサポートするといわれており、筋肉や神経の健康を保つために重要なミネラルとされています。
筋肉の柔軟性を保つために、栄養バランスを意識した生活が大切です

腱板損傷の治療は難航することが多く、効果的な回復には複数のアプローチを組み合わせるのが一般的です。
たとえば、医師の指導のもとで無理のないリハビリを行い、鍼灸師による鍼灸治療を取り入れるといったアプローチを試みたり、初期段階ではヨガの優しいストレッチで筋肉をほぐし、状態が安定してきたら徐々に筋力トレーニングを加えたりします。
さらに、体内のマグネシウムを十分に保つことも、筋肉や神経の働きを助け、回復をサポートする大切な要素です。
腱板断裂とは?~肩の深部に起きる損傷~

腱板断裂は、高齢者やスポーツ愛好者に多い肩の障害です。
見た目では異常がわかりづらく、「四十肩・五十肩」と混同されやすいのが特徴です。
腱板断裂は、四十肩・五十肩とどう違うのでしょうか?
まずは鍵盤断裂の特徴について解説します。
腱板とは?
腱板とは、肩の奥深くにある4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)と、その腱が集まってできた「筋腱複合体」のことを指します。
この腱板が上腕骨の骨頭をしっかりと押さえ、肩のスムーズな動きをサポートしています。
足でいうところの「アキレス腱のような役割」といえば、イメージしやすいでしょうか。
腱板があるお陰で、私たちは腕をスムーズに上げたり回したりできます。
腱板断裂は、これらの筋肉のうちのどこかが剥がれてしまったり、損傷してしまったりすることで起こります。
筋肉が剥がれたり裂けたりしているわけですから、当然損傷による痛みが伴いますし、肩の動かしづらさも生じます。
腱板断裂の主な原因
腱板断裂の原因は、大きく以下の3つに分けられます。
- 加齢による変性…40代以降になると、腱の弾力や強度が徐々に低下し、ちょっとした負荷でも断裂しやすくなります。
- スポーツや作業での使い過ぎ…テニス、野球、大工仕事など、肩を繰り返し使う動作が原因になることがあります。
- 外傷…転倒して肩を強打したり、無理に引っ張られるような力がかかることで、急性の断裂を起こすケースもあります。
高齢者の場合、肩の痛みや違和感から検査をしてみた結果、腱板断裂が発覚するケースもありますが、上記からわかるように、肩の酷使やケガなどによって腱板断裂するケースもあるため、全年齢に起こり得る症状といえます。
腱板断裂の主な症状
腱板断裂では、主に以下のような症状がみられます。
- 腕を上げようとすると痛みが走る
- 夜間、痛みで眠れない(夜間痛)
- 肩を動かすとゴリゴリ音がする
- 力が入らず、物を持ち上げられない
- 放置しているうちに可動域が制限される
断裂の程度によっては痛みが軽いこともあり、気づかずに長期間放置して悪化することも。
手術が必要になるケースも少なくないため、早めの対処が望ましいでしょう。

腱板断裂をケアするマグネシウム活用法

腱板断裂の原因はさまざまですが、まずはできることから予防・対策に努めたいですよね。
筋力の低下や、筋肉の柔軟性が失われたことなどが一因となり、体の不具合やケガにつながる可能性もあります。
特に日本人は、マグネシウムをはじめとするミネラルが不足しがちですから、食習慣など栄養面を見直し、内側から体づくりを行う目線を持つのが望ましいでしょう。
ここからは、マグネシウムを日常的に取り入れるお手軽な方法をご紹介します。
食事からマグネシウムを摂取する方法
マグネシウムを積極的に摂取するなら、やはり食事内容を見直すのが基本です。
日々の食事から自然にマグネシウムを取り入れることは、過剰摂取などのリスクの予防につながるだけでなく、栄養バランスが整った食習慣の実現にも寄与します。
マグネシウムを豊富に含む主な食品は次の通りです。
- 玄米、雑穀米
- 納豆、豆腐などの大豆製品
- かぼちゃの種、アーモンド、くるみなどナッツ類
- わかめ、ひじき、昆布などの海藻類
- ほうれん草、モロヘイヤなどの葉野菜
- バナナ、アボカド
これらの食材を意識的に組み合わせ、マグネシウム量300mg/1日程度の摂取を目指しましょう。

入浴やクリームなどを活用する方法
マグネシウムを多く含む食品を摂取して、体を内側から整えるのと並行して、体の外側からアプローチすることもできます。
たとえば、リラックス目的で使用されることが多いマグネシウム配合製品を取り入れるのも一つの方法です。
エプソムソルトは、お風呂でリラックスして心身を癒やす方法として欧米ではポピュラーです。
マグネシウムオイルやクリームは、肩や首に塗って優しくマッサージするようにして使うのがおすすめ。
入浴後の血流がよい状態で使うのが理想的です。
サプリメントを活用する方法
食事での摂取が難しい場合や、マグネシウムを急いで補いたいときは、サプリメントを活用する方法もあります。
クエン酸マグネシウムやグリシン酸マグネシウムなど、吸収率の高いタイプを選ぶと良いでしょう。
ただし、サプリメントは過剰摂取による下痢や不調を招く可能性があるため、必ず用量を守り、体調に注意しながら使用してください。
マグネシウムと併用したいセルフケア

腱板断裂をはじめとする体の不具合やケガを予防するためには、マグネシウムを摂取するだけでなく、日ごろからこまめに肩や体をケアする意識を持つことが大切です。
無理のない程度に、以下の方法も併せて実施しましょう。
無理のない肩の運動とリハビリ
痛みなどがある場合は安静にし、医師に相談するのがセオリーですが、完全な安静がかえって筋肉を硬直させる場合もあります。
医師や理学療法士の指導の下、軽いストレッチやリハビリを行い、筋肉をほぐして血行を促す方法を身につけておくのがおすすめです。
肩の軽いストレッチの場合、肩を回したり壁押し体操を行ったりして、肩甲骨を動かすようにするのが効果的です。
また、腕をゆっくり上げる振り子運動や、チューブなどを使ったソフトな筋力トレーニングなども、お手軽で取り組みやすい方法です。
ただし、無理に動かすと逆効果になる場合があるため、痛みのない範囲で行いましょう。
冷え対策と温熱療法
肩周辺の血流が悪くなると、筋肉や腱が硬直しやすくなりがちです。
夏場は冷房の冷たさ、冬場は寒さから肩を守り、温めることが基本です。
湯たんぽやホットパックで肩を温めたり、お風呂でしっかり体を温めたり。冷えない服装やカイロで保温するのも効果的です。
体を温めることは、リラックスや健康維持にもつながります。
ただし、痛みが生じている時や炎症が強い時などは、温め過ぎると痛みが増す可能性があるので注意が必要です。
十分な睡眠とストレスケア
睡眠不足や慢性的なストレスは、体の回復力を下げ、炎症を悪化させる可能性があります。
特にマグネシウムは精神安定にも関わっており、不足するとイライラや不眠を引き起こすことも。
就寝前にマグネシウム入りの入浴剤でリラックスしたり、スマホやPCから離れて入眠しやすい環境を整えたりなど、睡眠の質を高めるために工夫しましょう。
就寝前に、呼吸法や瞑想などでリラックスするのもおすすめです。
まとめ|マグネシウムを暮らしに取り入れよう!

腱板断裂は、気づかないうちに進行し、生活の質を大きく下げてしまうこともある肩のトラブルです。
だからこそ、日頃の体のケアとともに、筋肉や神経の健康に欠かせない健康習慣を意識的に取り入れることが大切です。
食事・入浴・サプリメントなど、自分のライフスタイルに合った方法で、運動や温熱、睡眠などと組み合わせながらセルフケアしましょう。
「もう歳だから…」とあきらめず、毎日を快適に過ごすための習慣として、本記事を参考にまずはできることから始めてみてください。