マグネシウム不足でめまいが起きる3つの理由|今すぐできる改善方法

なぜマグネシウム不足でめまいが起きるのか?今日からすぐに始められる解消法

実は、めまいの原因は「貧血」だけではありません。

マグネシウム不足によって、めまいが起きることがあります

マグネシウムは不神経伝達や血流に深く関わっており、不足すると平衡感覚が乱れてめまいを引き起こすことがあるのです。

「最近、立ち上がるとフラフラする…」

「原因不明のめまいが続いている…」

「貧血じゃないのに、なぜめまいがするんだろう?」

そんな悩みを抱えているあなたは、もしかするとマグネシウムが不足しているのかもしれません

今回は、マグネシウム不足とめまいの関係、マグネシウム不足が招くめまい以外の症状、そして今すぐ始められる具体的な改善方法を解説します。

マグネシウム不足でめまいが起きる3つの理由

なぜマグネシウム不足でめまいが起きるのか?今日からすぐに始められる解消法

マグネシウム不足がめまいを引き起こすメカニズムは、大きく分けて3つあります。

神経系、血管系、そして内耳の機能に影響を与えることで、平衡感覚が乱れるのです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①神経伝達の乱れで平衡感覚が狂う

マグネシウムは、神経細胞間で情報を伝達する「神経伝達物質」の働きを調整する重要なミネラルです。

不足すると、神経が過剰に興奮したり、逆に正常な信号が伝わりにくくなったりします。
特に、バランス感覚をつかさどる脳の神経回路に影響が出ると、めまいや平衡感覚の異常が生じやすくなるのです。

海外の医学論文でも、マグネシウム不足の神経系の症状としてめまいが報告されています。

「低マグネシウム血症に伴うその他の神経学的症状には、めまい、吐き気、認知障害、テタニー、嚥下障害、近位筋の筋力低下、下振れ眼振などがある」

参考:Movement Disorders and Other Neurologic Impairment Associated With Hypomagnesemia: A Systematic Review|PubMed

②血流悪化で脳への酸素供給が減る

マグネシウムには、血管を広げて血流を促進する働きがあります。

不足すると血管が収縮しやすくなり、脳への血液供給が減少します。

脳は酸素とブドウ糖を大量に必要とする臓器なので、血流が悪くなると酸欠状態になり、めまいやふらつきが起こりやすくなるのです。

最近の研究ではマグネシウムの不足が、(※)脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく)などの神経疾患と関連していることがわかってきています。

(※)脳の血管が収縮して血液の流れが悪くなる現象

特に片頭痛を伴うめまいがある場合は、マグネシウム不足による血管の問題が疑われます。

③内耳の筋肉が正常に働かなくなる

私たちの平衡感覚は、内耳にある「三半規管」や「耳石器(じせきき)」という器官が担っています。

マグネシウムは、これらの器官を支える筋肉や血管の収縮をコントロールしているため、不足すると、内耳の筋肉が異常に緊張したり、逆に弛緩しすぎたりして、平衡感覚の乱れに繋がることがあるのです。

また、内耳の血流も悪くなるため、めまいだけでなく耳鳴りや難聴といった症状が併発することもあります。

このように、マグネシウムは単なる栄養素ではなく、私たちの平衡感覚を保つために欠かせないミネラルだと言えるでしょう。

アレックス先生
アレックス先生

私がカナダで臨床医をしていたとき、 ADHDの薬を服用している患者さんやアルコールを飲みすぎている患者さんの多くがめまいを訴えていました。


その理由は、アルコール代謝とADHDの薬 (アンフェタミ ン系の薬)によって、大量のマグネシウムが消費され、 マグネシウム不足の状態になってしまうからです。


マグネシウムを補給すれば、これらの問題を解決できるだけでなく、 発生を防ぐこともできます。

あなたは大丈夫?マグネシウム不足のセルフチェック

マグネシウム不足は、めまい以外にもさまざまな症状として現れることがあります。

「もしかして自分も不足しているかも?」と気になった方は、以下の今すぐ1分でできる簡単な診断テストで確認してみましょう。

 マグネシウム不足のセルフチェックする /

めまいを防ぐマグネシウムの3つの摂取方法

めまいを防ぐマグネシウムの3つの摂取方法

食の欧米化、土壌が含むマグネシウムの減少、ストレスを受けやすい環境など、私たちの生活は近年ますます、マグネシウムが不足しやすい傾向にあります。

そこで、マグネシウムの摂取方法を知っておくことは、これからの健康維持には欠かせません。

代表的な3つのマグネシウム摂取方法は以下です。

  • 食品からの摂取
  • サプリ(サプリメント)で効率的に摂取
  • 経皮吸収で直接体に届ける

順番に1つずつ見ていきましょう。

①食事からの摂取|マグネシウムが豊富な食品

①食事からの摂取|マグネシウムが豊富な食品

最も自然で、体への負担が少ないのが食事からの摂取です。

マグネシウムは、海藻類、ナッツ類、豆類、魚介類、全粒穀物などに豊富に含まれています

マグネシウム研究の第一人者であり、“Dr.マグネシウム”とも呼ばれる横田邦信(よこたくにのぶ)医師は、マグネシウムを多く含む食材を覚えやすくするため、頭文字をとった標語「そばのひ孫と孫(は)優しい子かい?納得!!」を考案しました。

  • そ:そば
  • ば:バナナ
  • の:海苔
  • ひ:ひじき
  • ま:豆類
  • ご:五穀
  • と:豆腐
  • ま:抹茶
  • ご:ゴマ
  • わ:わかめ
  • や:野菜
  • さ:魚
  • し:しいたけ
  • い:いちじく
  • こ:昆布
  • か:牡蠣
  • い:芋類
  • な:納豆
  • と:とうもろこし
  • く:くるみ

引用:「そばのひ孫と孫(は)優しい子かい? 納得!!」|MAG21研究会

また、オーガニックサイエンスの公式YouTubeチャンネルにある以下の動画では、横田医師がマグネシウムの重要性について詳しく解説してくれています。

視聴回数も約26,000回と人気の動画(約15分)ですので、今すぐご覧ください。

②サプリメントで効率的に摂取

「忙しくて食事に手をかけられない」という方には、サプリ(サプリメント)がおすすめです。

サプリは必要な量をいつでも手軽に摂取できるのがメリットと言えます。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。

【サプリメント摂取のポイント】
・摂取量の耐容上限量:通常の食事以外からの摂取は1日350mgまで

・過剰摂取すると下痢や腹痛を引き起こす可能性がある

参考:6. 1. 4.マグネシウム(Mg)|厚生労働省

マグネシウムサプリには、酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウムなど、さまざまな種類があり、吸収率もそれぞれ異なります。

より詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考にしてください。

【マグネシウムの種類】サプリで使用される10種類のマグネシウム|効果と特徴 【マグネシウムの種類】サプリで使用される10種類のマグネシウム|効果と特徴

③経皮吸収で直接体に届ける

経皮吸収とは、皮膚を通してマグネシウムを吸収する方法です。

入浴剤やマグネシウムオイル、マグネシウムバーム・クリームなどがあり、皮膚から直接体内に取り込むことで、消化器官を通さずに吸収できるのが特徴です。

【経皮吸収のメリット】
・胃腸への負担がない
・下痢などの副作用が起こりにくい
・リラックス効果も期待できる

特に、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を使った入浴は、疲労回復やストレスの軽減にも効果的です。

エプソムソルトの効果とは?知っておきたい効能&正しい使い方を解説 エプソムソルトの効果とは?知っておきたい効能&正しい使い方を解説

これら3つの食事、サプリ、経皮吸収を組み合わせることで、より効果的にマグネシウムを補うことができるでしょう。

【こんな症状に注意】マグネシウム不足によるめまい以外の症状

【こんな症状に注意】マグネシウム不足によるめまい以外の症状

マグネシウム不足によって、めまい以外にも引き起こされる症状や病気があります

以下の一覧で確認していきましょう。

症状筋肉の痙攣(けいれん)やこむら返り不安感やイライラ不眠症月経前症候群(PMS)
慢性的な疲労感や倦怠感片頭痛便秘高血圧
病気マグネシウム欠乏症骨粗しょう症2型糖尿病動脈硬化症
アトピー性皮膚炎尿路結石うつ病気管支喘息

このような症状に身に覚えがあれば、もしかするとマグネシウム不足がその原因の1つになっているのかもしれません。

「自分にマグネシウムは足りているのかな?」

少しでも気になった方は、今すぐ1分でできる「マグネシウム診断」を受けてみてください。

ただし、自己判断は禁物です!

こうした症状が続くようであれば、すみやかに病院に行き、医師の診察を受けましょう。

マグネシウム不足の7つの症状とセルフチェック|原因と改善方法を解説 マグネシウム不足の7つの症状とセルフチェック|原因と改善方法を解説

病院に行くべき目安|危険なめまいの見分け方

病院に行くべき目安|危険なめまいの見分け方

これまでマグネシウム不足によるめまいについて解説してきましたが、めまいの中には、脳や心臓の重大な病気が原因で起こるものもあります

特に以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

【すぐに病院へ行くべき症状】
・ 突然の激しい頭痛を伴うめまい
・ ろれつが回らない、言葉が出にくい
・ 手足のしびれや麻痺がある
・ 物が二重に見える
・ 激しい吐き気や嘔吐が続く
・ 意識がもうろうとする
・ 胸の痛みや動悸を伴う
・ 突然の難聴や耳鳴りを伴う

これらは、脳卒中、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、メニエール病などの可能性があります。

【受診する診療科】
・ 耳鼻咽喉科:回転性のめまい、耳鳴りがあるケース
・ 神経内科:ふらつき、しびれ、頭痛を伴うケース
・ 内科:血圧の異常、動悸があるケース

原因不明のめまいが長期間続く場合も、命に関わる重大な病気につながる恐れがあるので、必ず医師に相談しましょう。

マグネシウム不足とめまいに関するよくある質問

マグネシウム不足とめまいに関するよくある質問

ここではマグネシウム不足とめまいに関するよくある質問に回答していきます。

Q1:マグネシウム不足のめまいと貧血のめまいの違いは何ですか?

マグネシウム不足のめまいは、回転性のめまい(グルグル回る感覚)やふらつきが特徴で、筋肉のけいれんや片頭痛を伴うことが多いです。

一方、貧血のめまいは立ちくらみが中心で、顔色が悪くなる、動悸や息切れを伴うといった違いがあります。
ただし、両方が併発することもあるため、原因を特定するには医療機関を受診するようにしましょう。

Q2:マグネシウム不足によるめまいは病院で検査できますか?

はい、血液検査でマグネシウム濃度を測定できます。


ただし、血液中のマグネシウムは体内に微量にしか含まれていないため、正常値でも細胞内で不足している「潜在性マグネシウム欠乏」の可能性があります

めまいの原因がマグネシウム不足だけとは限らず、重大な病気につながる恐れもあるため、症状や食生活も含めて総合的に判断する必要があります。

まずは耳鼻咽喉科や神経内科、内科を受診しましょう。

Q3:めまい以外にマグネシウム不足で起きる症状はありますか?

はい、筋肉の痙攣(けいれん)やこむら返り、慢性的な疲労感、不安感やイライラ、不眠症、片頭痛、便秘などが代表的な症状です。

女性では月経前症候群(PMS)の悪化も見られます。
長期的には、骨粗しょう症、2型糖尿病、高血圧などのリスクも高まります。

まとめ|マグネシウムの適切な摂取でめまいを防ごう!

マグネシウム不足は、神経伝達の乱れ、血流悪化、内耳の機能低下によって、めまいを引き起こすことがあります

そのため、海藻や豆類、ナッツ、魚介類など、マグネシウムが豊富な食品を毎日の食事に取り入れることから始めてみてください。

・朝食を菓子パン1つで済ませるのではなく、バナナも一緒に食べる
・間食にお菓子やスイーツを食べる代わりに、ナッツ類を摂る
・いつものおかずに緑の野菜を一品付け足しみる

ちょっとした意識と行動の積み重ねが、将来の健康を左右します。
忙しくて食事に手が回らない方は、サプリメントや経皮吸収を利用しても良いでしょう。

本記事を参考に今日から、あなたの体に必要なマグネシウムを摂取して、健やかな毎日を手に入れてください。