「最近、トイレの時間が長い…」
「排便後に違和感が残る…」
「肛門に違和感がある…」
そんな悩みを抱えている方は、「肛門ポリープ」に気をつけた方がいいかもしれません。
あまり聞き慣れない名称かもしれませんが、「肛門ポリープ」とは、肛門の入り口近くにできる小さなイボ状の突起で、便秘や痔、下痢などの排便トラブルにより生じるケースが大半です。
“イボ”や“ポリープ”と聞くと物理的あるいは外科的な症状のように感じるかもしれませんが、実は生活習慣を見直すことで改善できる可能性があるのをご存知でしょうか?
特に注目されているのが、現代人に不足しがちなミネラルの一つである「マグネシウム」です。
マグネシウムは腸の動きをサポートし、便を柔らかく保つ働きがあります。
本記事では、肛門ポリープの基礎知識から、マグネシウムの働きと効果的な摂取法、予防のために気をつけるべきポイントまで詳しくご紹介します。
肛門ポリープと排便習慣の関係

正確に言うと、「ポリープ」というのは疾患名ではなく、「皮膚・粘膜などの面から突出し、茎をもつ卵球状の腫瘤(広辞苑第6版より)」を指します。
肛門ポリープは肛門にポリープができた状態で、慢性的な便秘や痔などにより形成されるケースが大半です。
特に、排便時に強くいきむ癖がある人や、トイレの時間が長い人は要注意。
排便時に強い圧力が肛門の粘膜にかかり続けることで、粘膜が盛り上がってポリープが形成されます。
ポリープ自体は基本的には良性ですが、放置すると違和感を覚えるようになったり、排便時に痛みが伴ったりする可能性があり、時には出血することもあるため、未然に防ぐのが理想的です。
肛門ポリープを予防するのにもっとも気をつけたいのが、排便習慣です。
排便時に強くいきまないこと。そして、排便にできるだけ長い時間をかけないこと。
また、腸内環境を整えるために食習慣を見直すことも大切です。

肛門ポリープの予防には、骨盤底筋を鍛えることも効果的です。これは「ケーゲル体操」と呼ばれる簡単な運動で、誰でも手軽に取り組めます。
方法はとてもシンプルで、排尿を我慢するときに使う筋肉を意識してギュッと締めるだけ。この動きを1回につき3秒間続け、それを10回で1セット、1日3セット行うのが目安です。
ケーゲル体操を継続することで骨盤底筋が強化され、痔や肛門ポリープの予防に役立ちます。
肛門ポリープの主な症状

肛門ポリープは目立った痛みを伴わないケースが多く、見過ごされがちです。
しかし、以下のような兆候がある場合は注意が必要です。
- 排便時に肛門付近に突起物を感じる
- 便やトイレットペーパーに血がつく
- 排便後も違和感や残便感がある
- 長期的に切れ痔やいぼ痔を繰り返している
もし、これらの症状がある場合は、自己判断せずに肛門科や肛門外科の専門医に相談することをおすすめします。
症状が軽いうちに対処すれば、手術など大掛かりな処置を避けられる可能性があります。
マグネシウム不足が引き起こす排便トラブル

排便トラブルの原因はさまざまですが、意外と見落とされやすいのが、マグネシウム不足による排便トラブルです。
マグネシウムは体の水分のバランスを保ち、腸の働きをサポートする役割があります。
マグネシウムが不足すると便の水分が減少して硬くなり、排便トラブルへとつながるのです。
特に便秘気味だとどうしてもいきむ力や回数が多くなり、肛門粘膜が刺激されて肛門ポリープが形成されやすくなります。
かといって下剤や整腸剤に頼り過ぎると、今度は腸の自然な運動機能が低下し、自力で排便する力が弱くなってしまう場合があります。
つまり、マグネシウムは自然な排便リズムを整える“縁の下の力持ち”なのです。
マグネシウムが便秘改善に役立つ理由

マグネシウムは800以上の酵素反応に関与していることがわかっており、体の内外の健康を守るために必要不可欠な必須ミネラルです。
体内の水分のバランスを保ったり、腸の活動をサポートしたりする他、さまざまな役割を担っています。
ここからは、マグネシウムが体に与える影響について、より詳しく解説します。
マグネシウムの効果
肛門ポリープを予防するには、水分を腸内に引き込む浸透圧の作用を持つマグネシウムの力が欠かせません。
医療機関においても「酸化マグネシウム」という便秘薬が処方されることがあるほど。
つまり、マグネシウムの効果は科学的に裏付けられている──ということです。
特に、高齢者や体力が低下している方には、習慣的な下剤よりも副作用が少なく、穏やかな効き方をするマグネシウム系の便秘薬が推奨される場合があります。
また、マグネシウムにはエネルギーの産生や代謝を促進したり、筋肉の緊張を緩和させたりする作用があります。
筋肉や骨・歯の形成をサポートするだけでなく、自律神経を整えたりホルモンバランスを調整したりする作用もあり、体だけでなくメンタルをも左右する重要な栄養素なのです。
マグネシウムが腸に与える影響
マグネシウムは腸内の水分を適切に維持するだけでなく、腸のぜん動運動をサポートし、腸内の老廃物の排出を促します。
また、 腸内のpH値を適切に調整して悪玉菌の繁殖を抑制し、腸内細菌を健康的なバランスで維持することにも寄与します。
腸内環境が整えば、便秘などの排便トラブルのリスクや負担が軽減しやすいのはもちろん、肌荒れや疲れやすさなどの改善にもつながる可能性もあります。
結果として、心身の健康だけでなく美容面でも恩恵を受けやすくなるのです。
マグネシウムの効果的な摂取方法

他のミネラルと比較すると、マグネシウムの吸収率はあまり高くなく30%程度に留まります。
そのため、マグネシウムを効率的に摂取するには、いくつかのポイントに配慮する必要があります。
食事から摂取する
もっとも自然、かつ継続しやすいのが、「マグネシウムが豊富に含まれている食品を食べること」です。
たとえば、あおさやわかめ、昆布などの海藻類や、かぼちゃの種、カシューナッツといった種実類、玄米や麦ごはんなどの全粒穀物などには、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜にもマグネシウムが比較的多く含まれているので、他の栄養素もバランス良く摂取するために、どこかに偏らずさまざまな食品をバランス良く摂取するようにしましょう。
サプリメントで摂取する
食事からマグネシウムを摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのも一つの手段です。
ただし、マグネシウムを含むサプリメントは、商品によって成分や吸収率が異なるため、信頼できるメーカーのものを選ぶことが大切です。
なお、マグネシウムの過剰摂取は基本的に無害とされていますが、下痢の原因になったり、腎臓に持病をお持ちの方は腎臓への負担が大きくなったりする可能性があるのでご注意ください。
経皮吸収で摂取する
近年注目されているのが、マグネシウムオイルやマグネシウムフレークなどを使った経皮吸収です。
たとえば、入浴時にバスソルトとして使用したり、肌に塗ったりすることで、マグネシウムを直接体内に取り込むことができるため、胃腸が弱い人やサプリが苦手な人にもおすすめの方法です。
また、エプソムソルトなどを使ったマグネシウム風呂は、皮膚からのマグネシウムの吸収を助けるだけでなく、リラックス効果や睡眠の質の上昇といった副次的な効果にも期待できます。
1日の疲れを癒やす習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。
肛門ポリープを予防するその他のポイント

肛門ポリープを予防するには、「排便習慣の改善」と「食生活の見直し」が大切であることを、ここまでお話ししてきました。
他にも気をつけたいポイントがいくつかあります。
- 適度な運動
- こまめな水分補給
- 食物繊維の摂取
- 排便を我慢しない習慣など
日ごろから運動をしていたり、スポーツジムなどに通っていたりするのならともかく、現代人は運動の機会も減少傾向にあると言います。
運動不足に陥ると腸をはじめ内臓の機能が低下するだけでなく、筋力の低下などにより排便の負担が大きくなったり、血行不良などによりますます腸の機能が低下したりなど、悪循環に陥りやすくなってしまいます。
ウォーキングやジョギングといった運動を毎日のルーティンに組み込むのが難しい場合は、起床後や就寝前のストレッチを心掛けたり、近所への移動は徒歩、ビル内ではできるだけ階段を利用したりすることを意識しましょう。
また、便を柔らかくするにも、腸の機能を維持するにも、こまめな水分補給が欠かせません。
意識的に水分を補給するようにすると共に、食事の栄養バランスや生活習慣にも配慮しましょう。
まとめ|マグネシウムを摂取して肛門ポリープを予防しよう!

肛門ポリープが形成される原因はさまざまですが、まさか「マグネシウム不足」「いきみ過ぎ」「便秘」などが原因とは想像もしていなかった方が大半ではないでしょうか。
肛門ポリープは、日常のちょっとした排便習慣の乱れから生じることが多く、誰にでも起こり得るトラブルです。
だからこそ、ちょっとしたことに意識を向けた予防が大切です。
マグネシウムは、便秘改善や腸内環境の整備に大きく貢献する栄養素であり、肛門ポリープの予防にも役立つ必須ミネラルです。
現代人に不足しがちなこの栄養素を意識的に取り入れ、快適な排便習慣を手に入れましょう。