ストレス社会に生きていると、「自分自身をいかに癒やすか」というのが大きな課題です。
日々の疲れやストレスなどを溜め込むと、気持ちがふさぎ込んでしまうだけでなく、体調が優れなくなったり、肌の不調に悩まされたりするものです。
そこで、「自分を癒やす方法」として近年注目されているのが「マグネシウム風呂」です。
マグネシウム風呂とは、マグネシウムを活用した入浴法のこと。
たとえば、エプソムソルトやにがりなどをお風呂に加えることで、心身のリフレッシュや美肌効果などに期待できます。
今回は、マグネシウム風呂の効果や作り方、注意点などを詳しく解説します。
マグネシウム風呂の効果とメリット

まずは、マグネシウムの具体的な効果やメリットから見ていきましょう。
疲労回復
疲労回復は、マグネシウム風呂に期待される代表的な効果であり、もっとも大きなメリットです。
そもそもマグネシウム風呂が、なぜ疲労回復に期待できるかというと、マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に関与しており、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できるからです。
エプソムソルトを使用した入浴により、皮膚からマグネシウムが吸収され、筋肉の疲労回復をサポートするとされています。
入浴前の浴槽にエプソムソルトを混ぜて溶かすだけなので、手間なく手軽に実践できるのも大きなメリットでしょう。
肌質の改善
肌のコンディションは、多くの女性にとって特に気になるポイントです。
肌質を改善するため、さまざまなスキンケア商品を試している人も多いでしょう。
実はマグネシウムには、疲労回復だけでなく、肌質の改善効果も期待されているのをご存知でしょうか。
エプソムソルトには角質を柔らかくする作用があり、肌のざらつきやくすみなどをケアするのに役立ちます。
また、にがりに含まれる塩化マグネシウムは保湿効果があり、乾燥肌のケアにも効果的です。
参考:エプソムソルト入浴で得られる効果の科学的根拠は?経皮吸収についても解説│epsom salt
睡眠改善
マグネシウムを積極的に摂取することで、睡眠の質が改善される可能性があることはよく知られています。
マグネシウムには神経の興奮を抑える作用があるため、マグネシウム風呂に入浴すると副交感神経が優位となってリラックス効果が高まり、結果的に睡眠の質が向上しやすくなるのです。
入浴によって体が温まる相乗効果もあり、欧米では自己管理の習慣の一つとして、マグネシウム風呂は比較的ポピュラーな方法です。
デトックス効果
「お風呂に入っても、なかなか体が芯から温まらない…」と悩んでいる女性は多いでしょう。
マグネシウムには発汗を促す作用があるため、マグネシウム風呂に入ることで、体の芯までぽかぽか温まる充実度の高い入浴体験が得られる可能性があります。
もちろん、感じ方には個人差がありますが、科学的には「マグネシウムが皮膚表面のたんぱく質と結合することで保温性が高まりやすくなる」とされています。
発汗が促進されると体内の老廃物や毒素なども排出しやすくなるため、マグネシウム風呂は体の内側からコンディションを整えるのに最適です。

リラックス効果
疲労回復効果や肌質・睡眠の質の改善、デトックス効果など、私たちにとってマグネシウムの影響はいずれも心地良く快適なものばかりです。
熱いお風呂に入って汗をかけば気持ちいいですし、気分がリフレッシュしたりリラックスできたりもするでしょう。
長期的なセルフケアにストレスを感じることなく取り組むために、マグネシウム風呂でリラックスする時間を、一日の疲れを癒やすルーティンとして暮らしの中に組み込むのがおすすめです。
マグネシウム風呂の作り方

それでは、自宅で簡単にできるマグネシウム風呂の作り方を紹介します。
マグネシウム風呂はマグネシウムの効果を実感しやすい方法の一つなので、ぜひ試してみてくださいね。

必要なもの
- エプソムソルト(硫酸マグネシウム)…無色無臭で肌に優しく、初心者や敏感肌の方におすすめです。
- にがり(塩化マグネシウム)…発汗作用が高く、デトックスを重視する方に適しています。
エプソムソルト(マグネシウム)のおすすめの使用量
一般的な浴槽(約150〜200L)に対し、エプソムソルトを150〜300g(濃度0.1〜0.2%)程度加えるのが目安です。
にがりを使用する場合も同程度の濃度になるように、1.2~2.4cc程度の量が適切です。
いずれもお風呂のお湯に溶かして入浴するだけですが、体質や肌質との相性もあるので、最初は濃度を薄く調整して試しましょう。
また、腎機能が低下している人や糖尿病を患っている人は、医師に相談の上で利用を検討するのがおすすめです。
参考:エプソムソルトの使い方│お湯に入れる量や効果的な入浴方法を解説│epsom salt
入浴時間の目安
マグネシウム風呂は、血行が促進されやすくなるため、長風呂をするとのぼせてしまったり、脱水症状を起こしたりする可能性があります。
特に小さな子どもや、心肺機能が低下したお年寄り、妊娠中の方などは、入浴時間や温度に気をつける必要があります。
それぞれ次の入浴時間を目安とし、長風呂をしないよう気をつけましょう。
- 成人…15〜20分程度
- 子ども…5〜10分程度
- 高齢者…5〜15分程度
- 妊婦…5〜10分程度
入浴中はこまめな水分補給を心がけ、体調に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
マグネシウム風呂の注意点
マグネシウム風呂は、私たちの健康をサポートするおすすめの習慣ですが、いくつかの注意点もあります。
次の点をよく理解し、マグネシウム風呂を正しく快適に活用しましょう。
- 脱水症状の予防…発汗により脱水のリスクがあるため、入浴前後に十分な水分補給を行いましょう。
- 肌の乾燥対策…入浴後は5〜10分以内に保湿ケアを行い、肌の乾燥を防ぎましょう。
- 長風呂の注意…長時間の入浴は体力を消耗し、肌の乾燥を招く可能性があるため、適度な時間を守りましょう。
- 追い焚き機能の使用…エプソムソルトは塩分を含まないため追い焚き可能ですが、にがりは塩分を含むため、追い焚き機能の使用は避けるのがおすすめです。
参考:入浴時間は20分以内が理想的│長風呂のメリットとデメリットを解説│epsom salt
マグネシウム風呂はこんな人におすすめ!

次の条件にあてはまる人は、マグネシウム風呂のメリットを実感でしやすいでしょう。
ぜひ一度、マグネシウム風呂を試してみてください。
おすすめの人 | 期待できる効果 |
---|---|
デスクワークで肩こり・腰痛がつらい人 | マグネシウム風呂は筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、体の凝りや張りのケアをサポートします。 |
ストレスが多くて眠りが浅い人 | マグネシウム風呂のリラックス効果により、睡眠の質が向上し、より快適な睡眠が得られやすくなります。 |
肌トラブルが気になる人 | マグネシウム風呂は角質を柔らかくし、肌の保湿をサポートします。 |
運動後の筋肉疲労を早く取りたい人 | マグネシウム風呂は、筋肉の回復をサポートします。 |
冷え性や代謝の低下が気になる人 | マグネシウムには、血管を拡張して血行を促進する作用があり、冷え対策や代謝の改善にも効果的です。 |
マグネシウム風呂のQ&A

マグネシウム風呂を始めてみたいけれど、「毎日入っても大丈夫?」「敏感肌でも使える?」「どのくらいの量が適量?」など、気になることがある方も多いでしょう。
ここからは、マグネシウム風呂に関するよくある疑問をピックアップし、わかりやすく解説します。
マグネシウム風呂には毎日入ってもいいの?
適切な濃度と時間(15〜20分程度)であれば、毎日入っても安全とされています。
ただし、肌が敏感な方は毎日使用すると乾燥や刺激を感じることがあるため、週2〜3回から始めるのがおすすめです。
入浴後は保湿ケアを忘れずに行いましょう。

エプソムソルトとにがり、どっちがいいの?
エプソムソルト(硫酸マグネシウム)は無色無臭で肌に優しく、初心者や敏感肌の方におすすめです。一方、にがり(塩化マグネシウム)は発汗作用が高く、マグネシウム風呂にデトックス効果を期待する人向けです。
肌質による相性や感覚の好みなどもあるので、両方を少量から試し、自分に合う方を選ぶのがおすすめです。
傷があってもマグネシウム風呂に入れる?
エプソムソルトは比較的刺激が少ないとはいえ、傷口にしみる可能性があります。
マグネシウムが傷の回復を阻害することはありませんが、人によってはピリピリとする感覚に不快感を覚えることもあるでしょう。
傷口がある場合は入浴を避け、傷口が回復してからマグネシウム風呂を再開するのがおすすめです。
特ににがりは刺激が強めなので、傷口にしみやすい可能性があり注意が必要です。

ムダ毛の処理(たとえば脚や脇のシェービング)を行ったばかりの場合は、注意が必要です。ムダ毛処理を行った直後は、マグネシウム入りの入浴剤を使った入浴を数時間ほど控えましょう。
シェービングによって、肌には目に見えないごく小さな傷(マイクロアブレーション)ができている可能性があるため、肌がある程度回復するまで時間をおくことが大切です。
まとめ|マグネシウム風呂で日々のコンディションを整えよう!

マグネシウム風呂は、疲労回復やリラックス、美肌、睡眠の質の向上など、さまざまな効果が期待できる手軽なセルフケア法です。
入浴剤としてエプソムソルトやにがりを使うだけで、毎日のバスタイムが体と心を整えるための時間に変わるでしょう。
特にストレスや冷え、肩こり、不眠、肌荒れといった日常の小さな不調が気になる方は、今日からでもマグネシウム風呂を取り入れてみてください。
無理なく続けることで、心地よい変化が少しずつ感じられるようになるはずです。