忙しい毎日を過ごしていると、つい食生活が偏りがちになってしまいますよね。
そんな時に気をつけたいのが「ミネラル不足」です。
特にマグネシウムは、私たちの体にとって欠かせないミネラルの一つであり、筋肉や神経の働き、エネルギー代謝、骨の健康など、実にさまざまな役割を担っています。
しかし、普段の食事だけでは十分なマグネシウムを摂取できていない人も多く、実際に日本人の平均摂取量は推奨量を下回っているというデータもあります。
一方で、サプリメントなどでマグネシウムを補う際には、過剰摂取にも注意が必要です。
そこで今回は、1日に必要なマグネシウムの摂取量や推奨量、過剰摂取のリスク、さらにはマグネシウム不足がもたらす影響や効果的な摂取方法について、わかりやすく解説します。
自分や家族など大切な人の健康管理のために、ぜひ最後までご覧ください。

栄養補助食品を摂取する上で「安全第一」であることは当然の前提ですが、それと同じくらい大切なのが、正しい文脈での理解です。
確かに、マグネシウムを過剰に摂取すると体に害を及ぼす可能性があります。しかし、皮膚に塗るタイプの製品(経皮吸収)によって過剰摂取が起きるリスクはほとんどありません。
経口サプリメントの場合、過剰に摂ると下痢などの副作用が出ることがありますが、命に関わるような深刻な中毒は極めて稀であり、世界的な医学文献においてもごく限られた症例しか報告されていません。
なお、致命的なマグネシウム中毒の多くは、点滴や浣腸、あるいは医療従事者による誤投与など、医療現場における特殊なケースに限られています。
このように、経口サプリメントの使用と医療処置はまったく異なるものであることを、正しく理解しておくことが大切です。
参照:厚生労働省eJIM
1日に必要なマグネシウムの摂取量・推奨量

マグネシウムは年齢や性別、妊娠・授乳の有無によって必要量が異なります。
まずは、大人と子どもそれぞれの推奨摂取量について詳しくご紹介します。
大人の1日に必要なマグネシウムの摂取量・推奨量
成人の1日あたりのマグネシウム推奨量は、以下のようになっています。
男性 | 400–420 mg |
女性 | 310-320 mg |
妊婦 | 350-360 mg |
授乳婦 | 310-320 mg |
引用:厚生労働省eJIM
マグネシウムは、男性の方が女性よりもやや多く必要とされ、妊娠中の女性は胎児の成長や母体の代謝機能維持のため、通常よりも多めの摂取が推奨されています。
とはいえ、食事だけでこれらの量を摂取するのは、それほど難しいことではありません。
なぜなら、マグネシウムは玄米や大豆製品、ナッツ類、海藻など、日本人の食卓に馴染みのある食品に多く含まれているからです。
ただし、加工食品やファストフード中心の食生活ではどうしても不足しがちになるため、日ごろから意識して摂取することが大切です。
子どもの1日に必要なマグネシウムの摂取量・推奨量
子どもの場合、年齢に応じて必要なマグネシウムの量が異なります。
生後0〜6カ月 | 30 mg |
7~12カ月の幼児 | 75 mg |
1~3歳の小児 | 80 mg |
4~8歳の小児 | 130 mg |
9~13歳の小児 | 240 mg |
14~18歳の男性 | 410 mg |
14~18歳の男性 | 360 mg |
10代の妊婦 | 400 mg |
10代の授乳婦 | 360 mg |
引用:厚生労働省eJIM
子どもも、成長に伴ってマグネシウムの必要量が増えていきます。
特に思春期以降は、骨や筋肉の発達が著しくなるため、大人に近い量が必要となります。
偏食がちな子どもや、好き嫌いが多い子どもの場合は、意識してマグネシウムを含む食品を取り入れたいですね。
たとえば、納豆やきなこ、お味噌汁、アーモンドなど、子どもでも食べやすいメニューから取り入れてみるのがおすすめです。
マグネシウムを過剰摂取すると危険?
「体に良い」とされるマグネシウムですが、過剰に摂り過ぎると逆効果になることもあります。
もちろん、食事からマグネシウムを摂取している分には、基本的に過剰摂取になることはありません。
注意が必要なのは、サプリメントや医薬品としてマグネシウムを摂る場合です。
サプリメントの過剰摂取によって、下痢や腹痛、吐き気などの消化器症状を引き起こすことがあります。
特に、腎臓に疾患を抱えている人や糖尿病の方は、体内のマグネシウム排出能力が低下しているため、過剰摂取が危険になることも。
マグネシウムは、筋肉や神経の調整、血圧コントロールなどに関わる大切な栄養素です。
だからこそ、適切な量を守って、無理なく健康維持に役立てたいですね。

マグネシウムが不足するとどうなる?

マグネシウムが不足すると、私たちの体にはどんな影響が現れるのでしょうか?
ここでは身体的・精神的な不調、さらには慢性的な不足による長期的なリスクについて解説します。
マグネシウム不足による身体的影響
マグネシウムが不足すると、筋肉や神経にトラブルが起こりやすくなります。
代表的なのが「こむら返り」や「筋肉のけいれん」などです。
これらは運動時だけでなく、睡眠中や日常生活の中でも起こることがあります。
また、マグネシウムは血圧の調整にも関わっているため、不足すると高血圧や不整脈のリスクが高まるおそれも。
さらに、マグネシウムは骨の形成にも必要なため、慢性的に不足していると骨粗しょう症の原因にもなりかねません。
マグネシウムは、私の心身の健康をさまざまな面からサポートしてくれているのです。
マグネシウム不足による精神的影響
意外に思われるかもしれませんが、マグネシウムは精神の安定にも深く関わっています。
マグネシウムが不足すると、イライラしやすくなったり、不安感や抑うつ状態になったり可能性も。
実際、現代人に多い「ストレス過多」な状態では、体内のマグネシウム消費量が増加します。
マグネシウムは「抗ストレスミネラル」とも呼ばれおり、私たちの体はストレスを感じるとマグネシウムを消費してストレスに対応しようとするのです。
そのため、忙しくてストレスが多い人ほど、マグネシウム不足に陥りやすい傾向があります。
マグネシウム不足によるその他の影響
身体的影響や精神的影響の他にも、慢性的なマグネシウム不足は、疲れやすさや食欲不振、頭痛、便秘といった不調を招くこともあります。
生活習慣病や心疾患のリスクを高める可能性もあるため、軽視せずに日頃から意識して摂取するのがおすすめです。
マグネシウムを効率的に摂取するには?

マグネシウムを、無理なく効率的に摂取するためにはどうすればよいのでしょうか。
ここからは、日常生活で実践できる3つの方法をご紹介します。
食事を工夫する
マグネシウムを摂取するのにもっとも基本的で安全な方法は、食事を工夫することです。
マグネシウムを多く含む食品には以下のようなものがあります。
- 玄米、胚芽米
- 納豆、豆腐、味噌などの大豆製品
- かぼちゃの種、アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類
- ひじき、わかめなどの海藻類
- ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜
特に和食中心の食生活は、マグネシウムをバランスよく摂れる理想的なスタイルです。
忙しくても、できるだけ味噌汁や納豆などをプラスするのがおすすめです。
サプリメントを活用する
忙しくて食事だけでマグネシウムを補うのが難しい場合や、ミネラルや栄養が明らかに不足している場合は、サプリメントを活用するのも一つの手です。
ただし、サプリメントは「摂りすぎ」に注意が必要です。
特にマグネシウムサプリメントは、酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウムなど、種類によって吸収率や効果が異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
また、必ず用法・用量を守って使いましょう。
経皮吸収を利用する
近年、入浴剤やマグネシウムオイルを利用して、皮膚からマグネシウムを吸収する方法も注目されています。
マグネシウムは皮膚からも吸収される性質があるため、入浴しながら気軽に補えるのがメリットです。
特に筋肉の疲労回復やリラックス効果を求める方には、バスソルトやマグネシウムオイルを使ったセルフケアがおすすめです。
まとめ|摂取量を守ってマグネシウムで健康的な毎日を

マグネシウムは、私たちの健康維持に欠かせない大切なミネラルです。
不足しても過剰に摂り過ぎても体調に悪影響を及ぼすため、日ごろから適切な量を意識して摂取することが大切です。
忙しい毎日でも、食事を工夫したり、必要に応じてサプリメントや経皮吸収を取り入れたりして、無理なくマグネシウムを補いましょう。
まずは今日の食事から、少しずつ意識してみませんか?