皆さんは普段、わかめをよく食べますか?
わかめのお味噌汁やサラダ、和え物にスープなど、わかめは日本人にとってとても馴染み深い食材です。
特に健康や美容を意識する人にとって、ミネラル豊富なわかめは重宝するでしょう。
わかめには、近年注目されているミネラルの一つ「マグネシウム」がたっぷり含まれています。
マグネシウムは、心身の健康を維持するために必要不可欠な栄養素ですが、多忙でストレス過多な現代人に不足しがちな栄養素としても知られています。
今回は、マグネシウム補給に役立つわかめの魅力と、おすすめの食べ方をご紹介します。
心身の健康と美容に興味がある方は、ぜひ本記事を参考にわかめを活用してください。
わかめに含まれるマグネシウムの量

海藻類の中でも特に栄養価が高いわかめは、マグネシウムの優秀な供給源です。
まずは、わかめに含まれるマグネシウムや、その他の栄養素について見ていきましょう。
わかめのマグネシウム含有量
生わかめ、乾燥わかめそれぞれに含まれるマグネシウムの量と、エネルギー量、食物繊維総量など、基本情報をわかりやすく表にまとめました。
生わかめの栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
マグネシウム | 110mg |
エネルギー | 24kcal |
たんぱく質 | 1.9g |
食物繊維送料 | 3.6g |
炭水化物 | 5.6g |
コレステロール | 0mg |
乾燥わかめ(素干し)の栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
マグネシウム | 1000mg |
エネルギー | 172kcal |
たんぱく質 | 14.4g |
食物繊維送料 | 29.8g |
炭水化物 | 39.6g |
コレステロール | 0mg |
参照:食品成分データベース
両者を比較してみると、100gあたりの生わかめに含まれるマグネシウムが110mgに対し、乾燥わかめは1000mgとおよそ10倍です。
乾燥により凝縮されている分、エネルギーやたんぱく質、食物繊維など、他の栄養素も乾燥わかめの方が多く含まれているため、栄養摂取には乾燥わかめの方が効率的であることがわかります。
また、乾燥わかめは保存が利くのも利点です。
一方、生わかめは、わかめ独特のフレッシュな風味や食感を楽しむことができます。
風味は料理の味を決める大切な要素なので、旬(2~5月頃)の時期は、新鮮なわかめで食事を楽しむのもいいでしょう。
次項では、マグネシウム以外のミネラルの含有量を見てみましょう。

わかめに含まれる他の栄養素
健康に欠かせない代表的なミネラルとして、5つの栄養素をピックアップしました。
生わかめの栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
カルシウム | 100mg |
カリウム | 730mg |
ナトリウム | 610mg |
亜鉛 | 0.3mg |
ヨウ素 | 1600μg |
乾燥わかめ(素干し)の栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
カルシウム | 830mg |
カリウム | 6000mg |
ナトリウム | 6400mg |
亜鉛 | 1.0mg |
ヨウ素 | 10000μg |
参照:食品成分データベース
カルシウムはマグネシウムと密接なミネラルの一つで、バランス良く摂取するのが理想的です。
表にある通り、わかめにはマグネシウムの他、カルシウムも豊富に含まれているため、栄養バランスが非常に優れた健康食品であることがわかります。
また、体の細胞の浸透圧を維持したり、心臓機能や筋肉機能をサポートするカリウムも、わかめにはたっぷりと含まれています。
その他、体の成長や健康維持をサポートする亜鉛も含有されています。
優れた栄養価を持つわかめを上手に食事へ取り入れて、効率的に栄養を摂取したいところです。
なお、わかめにはヨウ素も多く含まれています。
体内のヨウ素は、甲状腺ホルモンの原料として70~80%ほどが甲状腺に存在し、成長やエネルギー代謝の重要な役割を果たしています。
健康のために必要な栄養素ですが、一方で過剰摂取すると甲状腺ホルモンが生産されなくなり、甲状腺機能低下症になる可能性があります。
世界保健機関(WHO)によると、成人に推奨されるヨウ素の摂取量(1日あたり)は150μgです。
妊婦や授乳中の方はもう少し多く、250μg~290μgが推奨されています。
つまり、生わかめなら9~18g程度、乾燥わかめなら1.5~2.9g程度が、1日に摂取する適切な量ということになります。
甲状腺機能が低下している方や、甲状腺に何かしらの持病をお持ちの方は、医師と相談の上で適切な量、適切な頻度でわかめを取り入れましょう。

わかめは、まさに日本で日常的に食べられている「スーパーフード」です。実際、日本人が欧米人に比べて基礎代謝が高く、肌の健康状態が良好で、乳がんや前立腺がんの発症率が低いのは、わかめの摂取と関係しているとも考えられています。その理由の一つが、わかめに豊富に含まれるミネラルです。特にマグネシウム、ヨウ素、亜鉛などは、体の機能を支える重要な栄養素であり、中でもヨウ素は、欧米の食生活では不足しがちな成分です。日本人が日常的にわかめや魚介類からヨウ素を摂取している点は大きな違いといえるでしょう。
一方で、体内の栄養素を消耗させてしまう要因として、「砂糖」「アルコール」「白米・パスタ・白パン」といった精製度の高い炭水化物が挙げられます。これらは食物繊維がほとんど含まれておらず、血糖値を急上昇させやすいため注意が必要です。健康を維持するためにも、わかめを積極的に取り入れつつ、精製された加工食品の摂取は控えめにすることをおすすめします。
マグネシウム補給にわかめをおすすめする理由

わかめには、マグネシウムをはじめさまざまなミネラルが豊富に含まれています。
しかし、わかめの魅力はそれだけではありません。
マグネシウム補給にわかめをおすすめする理由は、コストパフォーマンスに優れ、ミネラル補給以外にも高い健康効果に期待できるからです。
コスパが良くてお手軽
乾燥わかめは、スーパーやコンビニなどで手軽に購入できます。
価格も比較的安価で、保存性にも優れているのがポイント。
また、味噌汁や酢の物、炒め物やサラダなど、さまざまな料理にアレンジできるため、毎日の食事に無理なく取り入れやすいのが魅力です。
料理が苦手な方でも、カットわかめなら水で戻すだけで簡単に使えるので、気軽に続けられるのも大きなメリットでしょう。
続けやすさは、健康習慣においてとても大切です。
高い健康効果に期待できる
マグネシウムは、代謝の促進やホルモンバランスの維持などの働きがあります。
特に女性にとっては、PMS(月経前症候群)や更年期の不調の緩和など、ホルモンバランスを整える上でマグネシウムが欠かせません。
また、わかめには食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維には腸内環境を整える働きがあり、便秘の改善や血糖値の上昇抑制、コレステロールの排出などの効果に期待できます。
わかめは、健康と美容を意識する方にとって、非常に栄養価が高く有用な食品なのです。
わかめでマグネシウムを上手に摂るには?

マグネシウムをより効率的に摂取するには、わかめの種類や食べ合わせを工夫するのがおすすめです。
ここでは、わかめを無理なく取り入れるためのポイントをご紹介します。
わかめを上手に使い分けよう!
わかめにはさまざまな種類があります。
たとえば乾燥わかめは保存が利き、常備しやすいのが特徴です。
生わかめや、わかめを塩漬けにした塩蔵(えんぞう)わかめは風味が良く、シャキッとした食感が魅力。酢の物や和え物などに使いやすいのが特徴です(ただし、塩蔵わかめを使う際は塩抜きする必要があります)。
また、カットわかめは調理の手間が少なく、水で戻すだけで簡単に使えるので、料理初心者の方や料理が苦手な方、忙しくて料理に時間をかけられない方などにおすすめです。
関連記事:マグネシウムたっぷりのヘルシーレシピ5選|ダイエットにも嬉しい
食べ合わせを工夫しよう!
マグネシウムの吸収を高めるには、ビタミンDと一緒に摂るのが効果的です。
わかめを、ビタミンDが豊富なきのこ類や魚と組み合わせることで、体への吸収率がアップします。
逆に、リンが多く含まれる加工食品やレトルト食品を頻繁に食べていたり、アルコールを飲み過ぎていたりすると、マグネシウムの吸収が妨げられる可能性があるため注意が必要です。
1日に必要な摂取量と推奨量
マグネシウムの1日の摂取量の目安は、年齢や性別によって異なります。
一般的な推奨量を表にまとめたので、参考にしてください。
性別・年齢 | 1日あたりの推奨摂取量 |
---|---|
成人男性(19歳以上) | 約320~370mg |
成人女性(19歳以上) | 約260~300mg |
妊娠中の女性 | 約300~340mg |
授乳中の女性 | 約260~300mg |
子ども | 年齢に応じ約80~320mgの範囲 |
マグネシウムを摂取する理想的なタイミングや、摂取する上での注意点などについては、「マグネシウムはいつ飲むと効果的?種類別の効果と摂取タイミングも紹介」で詳しく解説しています。併せてご覧ください。


わかめを使ったおすすめレシピ

では、実際にどんな風にわかめを食事に取り入れればいいのでしょうか。
ここでは、簡単・おいしい・続けやすい、わかめを使ったレシピを3つご紹介します。
毎日の習慣に「わかめと海苔の簡単味噌汁」

- 塩蔵わかめ…20g
- 焼き海苔(全形)…1枚
- 水…700ml
- 味噌…大さじ1.5
- 塩蔵わかめを5分ほど水に浸けて塩抜きする。
- 鍋に水、わかめ、焼き海苔を入れて加熱する。
- 鍋が沸騰する前に火を消し、味噌を溶かしたら完成。
出汁を使わなくても、海苔のうまみだけで衝撃的なおいしさになるレシピです。等級が低い海苔は味噌汁に溶けにくいので、等級が高めの良質な海苔を使いましょう。
ご飯に混ぜるだけ!「絶品わかめご飯」

- 乾燥わかめ…6g
- 水(戻し用)…300ml
- 塩(戻し用)…5g
- 米…2合
- 水(炊飯用)…適量
- みりん…大さじ1
- 塩…小さじ1
- 米を研いで30分浸水する。
- 炊飯器の内釜に水を切った米、みりん、塩を入れて混ぜ、水(炊飯用)を入れて炊く(通常炊飯)。
- ボウルに戻し用の水と塩を入れ、乾燥わかめを入れて戻す。
- ご飯が炊けたら、戻して刻んだわかめを混ぜて完成。
水で戻したわかめは、できるだけ水気を拭き取ると◎。仕上げに煎りごまを振りかけたり、大葉を混ぜたりなど、お好みでアレンジをお楽しみください。
ダイエットに最適!「わかめと鶏胸肉のサラダ」

- カットわかめ…3g
- 鶏むね肉…1枚
- 新玉ねぎ…1/2個
- 塩…1つまみ
- 醤油…小さじ1
- マヨネーズ…小さじ2
- 鍋に鶏むね肉が浸るくらいの水(分量外)と鶏むね肉を入れ、中火で加熱する。
- 湯が沸いたら弱火に落とし、20分ほど茹でる。
- 鶏むね肉に火が通ったら鍋から取り出し、スプーンやフォークなどを使って細かくほぐす。
- ほぐした鶏肉とスライスした新玉ねぎ、カットわかめ、塩、醤油、マヨネーズを加えて和えたら完成。
新玉ねぎが手に入らない場合は、普通の玉ねぎをスライスし、酢水に5分ほどさらして水気を拭き取ったもので代用可能です。
まとめ|ミネラルたっぷりのわかめを活用しよう!

不足しがちなマグネシウムを、手軽かつおいしく補えるわかめ。
高い栄養価と使いやすさを兼ね備えたわかめは、私たちの健康を支えてくれる食材です。
今日からさっそくわかめを使い、健康と美容にいっそう配慮してみませんか?
