マグネシウムは、筋肉や神経の働き、便通の維持などに関わる重要なミネラルですが、現代の不規則な食生活などから、不足しがちなミネラルでもあります。
マグネシウム不足を補う手段として、食事やサプリメントがよく挙げられますが、「毎日無理なく続けやすい」のは飲み物からの摂取です。
実は、コンビニやスーパーで手に入る飲み物の中にも、マグネシウムを多く含む飲み物があります。
本記事では、コンビニで買えるマグネシウムが多い飲み物7つの紹介に加え、飲み物で摂るメリットや、効率よく摂取するためのポイントも解説します。
マグネシウム不足が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
マグネシウムが多い飲み物7選【コンビニで買える】

ミネラルが多い飲み物は、水分補給と同時に、食事だけでは不足しがちなミネラルを手軽に補えるメリットがあります。
なかでもマグネシウムは、筋肉や神経の働きに関わる重要な栄養素であり、日常的に意識して摂取したいものの1つです。
本章では、コンビニで手に入る飲み物の中から、マグネシウムを多く含む飲み物を次の7つに厳選しました。
- ミネラルウォーター
- お茶
- 豆乳
- スポーツドリンク
- 青汁
- 野菜ジュース
- ココア
それぞれの飲み物について、選び方のポイントを踏まえて解説します。

ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは、原料が水のみの清涼飲料水で、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれており、ミネラルの含有量によって「軟水」と「硬水」に分類されます。
マグネシウムを効率よく摂れるものは、ミネラルを多く含んでいる「硬水」で、なかでもヨーロッパ産の硬水にはマグネシウムが豊富に含まれている製品が多くあります。
以下の銘柄は、コンビニでも見かけることがあり、日常的なマグネシウム補給にぴったりです。
クセが少なく、硬水初心者にもおすすめ
飲み始めると独特の苦味や渋みを感じる場合がある
硬水はノンカロリーかつ無添加で、水分補給しながらマグネシウムが摂れますが、含有量が多いとお腹が緩くなる場合もあるため、最初は少量から取り入れるのをおすすめします。
お茶
お茶のなかでも、「茶葉から煮出して飲むタイプ」や「麦茶」「ルイボスティー」などは、ミネラル含有量が比較的高く、カロリーゼロで続けやすいのが魅力です。
茶葉を煮出した緑茶
ペットボトルの緑茶にもミネラルは含まれていますが、マグネシウムに関しては、茶葉から煮出すタイプの方がしっかり抽出されやすいと言われています。
とくに玉露には多くのミネラルが含まれており、茶葉には100gあたり約210mgのマグネシウムが含まれていますが、他の茶葉に比べてカフェインの量が多いため飲む量には注意が必要です。
麦茶
大麦を焙煎して作る麦茶は、マグネシウムやナトリウム、カリウムなどのミネラルがバランスよく含まれています。
コンビニでよく見かける麦茶製品のなかで、マグネシウムが含まれている製品は次の2つです。
また、麦茶はノンカフェイン飲料なので妊娠中の女性も安心して飲め、夏場や汗をかくシーズンの水分補給におすすめの飲み物です。
ルイボスティー
ルイボスティーは南アフリカ原産のハーブティーで、紅茶に近い赤褐色の色合いで、やや甘めな味わいなのに爽やかでスッキリした後味が特徴です。
美容に効果的なポリフェノールが豊富で、マグネシウム・カルシウム・亜鉛などのミネラルも含まれています。
また、ノンカフェインで寝る前のリラックスタイムにも取り入れやすく、妊婦さんでも安心して飲めます。
もともとは現地で消費されていたお茶ですが、世界各国に輸出され、日本国内でもコンビニが自社ブランド製品として販売するなど、注目を集める飲み物です。
豆乳
豆乳のなかでも、大豆と水だけで作られている「無調整豆乳」にはマグネシウムが豊富に含まれています。
栄養価は高いですが、クセがやや強いため、飲みにくいと感じた場合は、ココアやスムージーなど他の飲み物に混ぜると飲みやすくなります。
マグネシウム含有量は無調整豆乳に比べるとやや少ないですが、豆乳初心者や甘みが欲しい人には、糖分や香料などを加えた「調整豆乳」がおすすめです。
スポーツドリンク
スポーツドリンクは、汗で失われやすい電解質(マグネシウム・カリウム・ナトリウムなど)を効率よく補給できる飲み物です。
運動後などの水分補給と一緒にマグネシウムを摂れるのが特徴で、製品によっては100mlあたり5〜10mg程度のマグネシウムが含まれています。
成分表示を確認して、マグネシウム量が明記されている製品を選ぶのもポイントです。
また、通常タイプのスポーツドリンクは糖分が多いため、日常的に飲むのではなく、汗を多くかくシチュエーションに絞るのがおすすめです。
青汁
青汁は、ケールや大麦若葉、明日葉などの緑葉野菜を原料とする栄養補助飲料で、マグネシウムをはじめとするミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。
「苦い」「美味しくない」などのイメージが強い青汁ですが、最近ではフルーツ風味など、味を工夫したものもあり、非常に飲みやすくなっています。
また、粉末スティックや錠剤タイプの青汁も多く、コンビニでも紙パックやペットボトルタイプの青汁が販売されており、手軽に入手可能です。
野菜ジュース
野菜ジュースは、野菜の栄養を手軽に摂取できる飲み物として人気があります。
なかでも、にんじん・小松菜・ほうれん草・バナナ・アボカドなどの素材にはマグネシウムが含まれており、これらを使ったジュースやスムージーから自然な形でのミネラル摂取が可能です。
製品によっては、食塩や砂糖が添加されているものもあるため、糖質やカロリーに注意しましょう。
ココア
ココアは、マグネシウム・カルシウム・鉄などのミネラルが多い飲み物です。
なかでも、カカオ豆を粉末にした「ピュアココア(純ココア)」には、マグネシウムが440mgと豊富に含まれています。
コンビニで販売されている、一般的な甘いココアでもマグネシウムなどのミネラルは含まれているので、おやつ代わりの飲み物として取り入れやすいですが、砂糖や添加物が多く含まれているため、カロリーには注意が必要です。
マグネシウムが多い飲み物を効率的に摂る4つのポイント

マグネシウムの多い飲み物を効率よく摂るために、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
- マグネシウムの含有量を意識して選ぶ
- 毎日継続できるものを選ぶ
- 空腹時よりも「食後」に摂るとマグネシウム吸収率がアップ
- 糖分やカフェインが多く含まれている飲み物は要注意
次に、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
マグネシウムの含有量を意識して選ぶ
マグネシウムの多い飲み物を効率よく摂取するには、製品にどれくらいのマグネシウムが含まれているかの確認が大切です。
コンビニなど、市販の飲料には栄養成分表示があるため、「マグネシウム(mg)」の項目から量を確認し、状況に合わせたものを選びましょう。
スポーツドリンクや野菜ジュースなどは製品ごとの差が大きいため、数字で比較すると選びやすくなります。
毎日継続できるものを選ぶ
マグネシウムは、毎日の食生活での継続的な摂取が大切で、1度に大量に摂れば良いものではありません。
飲み物でマグネシウムを補う場合も、習慣として無理なく続けられるものを選びましょう。
飲みやすさや味の好み、価格などを考慮して、自分のライフスタイルに合った飲み物を見つけると、自然と長続きします。
また、複数の種類をローテーションすると飽きがこず、継続しやすくなります。
空腹時よりも「食後」に摂るとマグネシウム吸収率がアップ
マグネシウムは、空腹時よりも「食後」に摂る方が吸収効率が高まるとされています。
これは、食事によって胃腸の動きが活発になり、消化吸収がスムーズになるためです。
たとえば、朝食後に青汁、昼食後はミネラルウォーターなど、ちょっとした時間帯の工夫で、マグネシウムの効率的な吸収につながります。
人によっては、空腹時にマグネシウムの多い飲み物を飲むと、お腹がゆるくなる場合があるため、体質に合わせたタイミングを見つけましょう。

糖分やカフェインが多く含まれている飲み物は要注意
飲み物からマグネシウムを効率よく摂取するためには、「含まれている栄養素」だけでなく、「一緒に摂る成分」にも注意が必要です。
なかでも、糖分やカフェインが多く含まれている飲み物は、マグネシウムの吸収や体内での利用を妨げる可能性があります。
マグネシウムを意識して摂るなら、できるだけ「カロリーオフ・ゼロ」かつ「カフェイン控えめ」な飲み物を選びましょう。

マグネシウムの役割と不足しやすい理由

マグネシウムは体内で300以上の酵素反応に関与する重要なミネラルです。
筋肉の収縮、神経の伝達、骨の形成、エネルギー代謝などに関与しており、健康を維持するうえで非常に重要な役割を果たしています。
そんなマグネシウムの1日あたりの推奨量は以下の通りです。
成人男性(18~64歳) | 340~370mg |
成人女性(18~64歳) | 270~290mg |
参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省
しかし、実際の平均摂取量はこれらを下回っているケースが多く、慢性的なマグネシウム不足が懸念されています。
マグネシウム不足の背景には、次のような原因があります。
精製された食品には、マグネシウムがほとんど含まれていない
本来マグネシウムが多く含まれる食材をあまり食べない
マグネシウムの排出が促進される
高齢者や胃腸が弱い人では吸収が悪くなる場合がある
そして、体内のマグネシウムが不足すると、こむら返りや筋肉の痙攣(けいれん)やイライラや不安感、便秘や疲労感などの症状が現れる場合があります。
参考:マグネシウム不足の症状と原因|セルフチェックや改善策|東京原宿クリニック

前述の通り、マグネシウム不足の主な原因には、高糖質・高炭水化物の摂取、アルコール摂取、発汗などが挙げられます。しかしそれ以外にも、ストレスレベルの上昇、発酵食品(味噌、納豆、漬物、ヨーグルトなど)の不足による腸内環境の乱れ、ニコチン摂取(あらゆる形態)、さらには一部の医薬品(抗生物質や降圧剤など)の使用も、マグネシウム不足の原因となります。これらの原因を完全に排除することは現実的ではありませんが、要因を認識し、それに応じて適切に補う意識を持つことが、常に最善の対策となります。
マグネシウムの多い飲み物とサプリメントの併用で効率よく摂る

マグネシウムをしっかり補いたい場合、飲み物だけでなくサプリメントと併用する方法も効果的です。
マグネシウムの多い飲み物は手軽に摂れる反面、含有量には限りがあるため、日々の食事や生活習慣によってはどうしても不足してしまう場合があります。
その点、サプリメントは、一定量を安定して摂取できるため、特定のミネラルが不足しがちな人には、効率的な補給が可能です。
こむら返りが頻繁に起こる方や妊娠中・授乳中でマグネシウムの需要が高まっている方などは、必要に応じてマグネシウムの多い飲み物にプラスしてサプリメントを取り入れると、より効率的な補給が可能になります。


まとめ|飲み物+αでマグネシウム不足をしっかり対策!
マグネシウムは、筋肉や神経、骨の健康を支える大切なミネラルです。
しかし、現代の食生活はマグネシウムが不足しやすく、気づかないうちに体調不良の原因になっているケースも少なくありません。
今回ご紹介したように、コンビニで手に入る飲み物でも、マグネシウムの摂取は可能です。
まずは、日々の水分補給をマグネシウムの多い飲み物に置き換えるところから始めてみましょう。
また、食事内容の見直しや必要に応じたサプリメントの活用で、マグネシウム不足の対策ができます。
自分に合った継続しやすい方法で、無理なくマグネシウムを補いましょう。