栄養不足で「めまい」が起こる?食生活で整える改善法とおすすめレシピ

栄養不足で「めまい」が起こる?食生活で整える改善法とおすすめレシピ

疲れているときや寝不足のとき、空腹のときなどにめまいを感じた経験は、きっと多くの人にあるでしょう。

「めまい」はちょっとした原因で誰にでも起こり得る身近な症状です。

しかし、身近な症状だからこそ、体からの大切なサインをつい見過ごしやすくもあります。

今回は、めまい予防に役立つ栄養素や、手軽に取り入れやすいレシピ、生活習慣のポイントを紹介します。

「なんだか最近ふらつきやすい…」「めまいを覚えることが多くなった…」と感じている人は、ぜひ本記事を参考に生活習慣を見直してくださいね。

めまいの予防に役立つ栄養素

めまいの予防に役立つ栄養素

めまいを予防するには、体の働きを支える栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

特に、脳や神経、血流、内耳の環境に関わる栄養素は、日常の食事に取り入れることでコンディションを整える助けになります。

まずは、めまいと関係の深い栄養素をまとめて紹介します。

脳神経をサポートする栄養素

脳や神経の働きがスムーズでないと、体の位置情報を処理する力が弱まり、ふらつきや違和感につながることがあります。

そこで重要になるのが、神経のエネルギー代謝や情報伝達を支える栄養素です。

代表的なのが「ビタミンB群」です。

ビタミンB1、B6、B12は神経が正常に働くための基礎を整える役割があり、日々の脳疲労感や集中力の低下が気になる方が意識的に摂りたい栄養素です。

また、青魚に含まれるDHAなどのオメガ3脂肪酸は、脳の働きをサポートする栄養素として知られています。

神経が働きやすい環境を整えることは、めまいの予防にもつながるため、魚・卵・大豆製品・雑穀などを日常の食事に取り入れてみると良いでしょう。

出典:脳に良い食品…選び方を知る必要があります|INTERNATIONAL HOSPITAL

自律神経をサポートする栄養素

めまいの中には、ストレスや緊張状態によって自律神経が乱れることがきっかけで起こるタイプもあります。

心身のバランスを保つためには、神経の興奮を調整し、ゆらぎを整える栄養素が重要です。

特に注目されるのが「マグネシウム」です。

マグネシウムは神経の働きを調整するミネラルで、心身がストレスを受けたときに消費されやすいとされています。

豆類、海藻、ナッツなど取り入れやすい食品が多いのが特徴です。

関連記事:マグネシウムたっぷりのヘルシーレシピ5選|ダイエットにも嬉しい

また、体の水分バランスに関わる「カリウム」も、自律神経の安定に欠かせない要素の1つです。

カリウムは野菜や果物の多くに含まれ、特にバナナやほうれん草などが代表的です。

ストレスで体調を崩しやすい方は、これらのミネラルを意識してみると良いでしょう。

出典:自律神経を整える食べ物と乱す食べ物|本町整骨院

内耳の健康をサポートする栄養素

内耳は体のバランス情報を感知する場所で、とても繊細な器官です。

耳の一番奥の鼓膜の、さらに奥にある骨の中にあります。

水分バランスや血流状態が乱れると、小さな変化でも働きに影響が出やすいといわれています。

内耳をサポートする栄養として大切なのは、細胞の健康を守る抗酸化作用のある栄養素です。

ビタミンC、ビタミンE、βカロテンといった成分は、ストレスや加齢により増えやすい酸化ストレスから細胞を守る働きを持つとされています。

また、体内の水分調整に関わるカリウムも、内耳のむくみや水分バランスを整える上で重要なミネラルです。

むくみやすい・気圧の変化に弱いという人は、カリウムを意識的に摂取するのがおすすめです。

出典:難聴と健康に関する地域住民を対象とした疫学知見|J-STAGE

血行をサポートする栄養素

血行が悪くなると、脳や内耳に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、めまいを感じやすくなることがあります。

体のすみずみまで血液が巡るためには、血液の質と血管の健康が欠かせません。

ここで役立つのが「EPA・DHA」といったオメガ3脂肪酸です。

これらは青魚に多く含まれ、健康的な血流環境を維持するサポートになるとされています。

週に数回、アジやサバを食事に取り入れるだけでも続けやすい方法です。

ちなみに、これらの魚は切り身や刺身にされたものより丸ごと購入するとお得で、節約にもつながります。

スーパーの鮮魚コーナーや魚屋の店主に「塩焼きや煮付け用にエラとワタ(はらわた)を抜いてほしい」「刺身用に三枚におろしてほしい」など用途をオーダーすれば、無料で対応してもらえるお店が大半です。

ぜひ試してみてください。

出典:オメガ3脂肪酸サプリは本当に必要?効果・副作用・選び方まで管理栄養士が徹底解説|中山クリニック

栄養不足でめまいが起こる理由

栄養不足でめまいが起こる理由

めまいは「急にふらっとする」「頭がぐるぐる回る」「意識が遠のくように感じる」など、人によってさまざまな感覚として現れます。

原因もさまざまで、病気や体調の変化が関係している場合もありますが、日常的な栄養不足が引き金になるケースも少なくありません。

脳や神経が正常に機能するには、エネルギー源となる栄養素が不可欠です。

栄養が不足すると情報処理が追いつかず、頭がぼんやりするようなふらつきを感じやすくなります。

また、自律神経を整えるミネラルが不足すると、ストレスに弱くなったり、体の調整機能が乱れやすくなることもあります。

これもめまいの背景としてよく見られる要因の1つです。

栄養不足は単なるエネルギー不足だけでなく、神経・内耳・血流など複数の機能へ影響し、総合的に「めまいが起こりやすい状態」をつくる場合があります。

日頃からバランスの取れた食事を意識することは、体全体のコンディションを整える上でとても重要な習慣といえるでしょう。

出典:<コラム16>「めまいと食生活」|医療法人 徹慈会 堀病院

アレックス先生
アレックス先生

「低血糖」がめまいの原因になる場合もあります。

低血糖とは、血糖値が通常よりも低くなる状態で、ストレス、糖尿病やメタボリックシンドローム、特定の薬の影響、または日常的にジャンクフード(キャンディー、清涼飲料水、白米、白パン、パスタなど)に偏った食生活などが原因で生じることがあります。

低血糖の症状には、神経過敏、イライラ、疲労感、虚脱感、めまい、冷や汗、抑うつ、眠気、不眠、不安感、思考の混乱、動悸、手の震え、記憶力の低下、頭痛、消化不良などがあげられます。

注意したいのが、低血糖は突然起こる場合があるということです。

本記事で紹介しているレシピは、低血糖の予防にも有効なので、ぜひ試してみてください。これらのレシピは、特に食物繊維や脂質、たんぱく質が豊富で、血糖値の急激な変動を抑える助けとなります。

めまいの種類

めまいの種類

「めまい」と一言でいっても、感じ方や原因にはいくつかのタイプがあります。

自分がどの種類のめまいを経験しているのか知ることで、原因の見極めや対策が立てやすくなるでしょう。

ここでは、代表的なめまいの種類をわかりやすく紹介します。

回転性めまい

回転性めまいは、文字通り自分や周囲がぐるぐる回っているように感じるタイプのめまいです。

急に景色が流れるように見えたり、体が引っ張られるような感覚が出ることもあります。

多くの場合、内耳の前庭とよばれる部分が関わっているとされ、平衡感覚の情報がうまく処理されないことで起こると考えられています。

回転性めまいは座っていても横になっていても突然起こることがあり、強い吐き気を伴うケースもあるため、不安を感じやすい種類の症状です。

また、頭を特定の方向に動かしたときに症状が強くなる傾向があるのが特徴です。

浮動性めまい(立ちくらみ)

浮動性めまいは、ふわふわと体が浮いているような感覚や、地面が安定しないように感じるタイプのめまいです。

立ち上がった瞬間に視界が暗くなったり、ふらついて踏ん張れないといった症状が出ることもあり、一般的には「立ちくらみ」として知られています。

このタイプのめまいは、急に血圧が下がることで脳に十分な血液が届かず、一時的にバランスが崩れることが原因で生じることが多いですが、睡眠不足や疲労、食事量の不足、脱水などが引き金になることもあり、日常生活の影響を受けやすいめまいといえます。

普段からふらつきやすい人は、無理な立ち上がり動作を避けたり、水分や栄養をしっかり補給したりなど、生活習慣を見直してみるのがおすすめです。

前失神性

前失神性のめまいは、意識が遠のくような感覚が特徴で、「倒れそう」「視界が白くなる」「耳が遠くなる」といった症状を伴うことがあります。

完全に気を失うわけではありませんが、失神の直前に起こる状態に似ているため、このように呼ばれています。

原因としては、一時的に脳への血流が低下することがあげられます。

急激な立ち上がりや長時間の立ち仕事、強い緊張や痛みなど、血圧が急に変動したり、血液がうまく循環しなかったりする状況で起こりやすい症状とされています。

また、水分不足や過度の疲労、睡眠不足などが重なることで症状が出やすくなる場合もあるので、注意が必要です。

前失神性のめまいは、無理な姿勢や環境が引き金になることが多いため、めまいを感じたらすぐに座る・横になるなど、安全を確保することが大切です。

頻繁に起こる場合は、循環器系のトラブルが関係していることもあるため、医療機関で相談することをおすすめします。

中枢性と末梢性

めまいは大きく「中枢性」と「末梢性」に分けられます。

この分類は、めまいの原因がどこにあるのかを示すもので、対処の仕方を考える上でも重要な視点です。

中枢性のめまいは、脳幹や小脳といった「体のバランス情報を統合する中枢」に原因があるタイプです。

ふらつきが強い、まっすぐ歩きにくい、ろれつが回りにくい、手足が動かしづらいなど、他の神経症状を伴うことがあるのが特徴です。

脳の病気が関係している場合もあるため、突然の強い症状や普段と明らかに違う違和感がある場合は、早めの受診がすすめられます。

一方、末梢性のめまいは、内耳や前庭神経といった「体のバランス情報を受け取る部分」にトラブルが起こった場合に生じます。

ぐるぐる回るような回転性めまいが起きやすく、頭を動かしたときに症状が強くなりやすいのが特徴です。

代表的なものには次のようなものがあります。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

頭を動かしたときに短時間の回転性めまいが起こるタイプで、耳の中の小さな結晶が関係するといわれている

前庭神経炎

突然強いめまいが起こるタイプで、ウイルス感染などが引き金になることがあるとされている

末梢性のめまいは強い不快感を伴うことが多いものの、他の神経症状を伴わないことが一般的です。

出典:【医師監修】めまいの種類と症状|小林製薬株式会社

めまい対策におすすめのレシピ5選

めまいを予防するためには、必要な栄養素を日々の食事から無理なく補うことが大切です。

とはいえ、「何を作ればいいのかわからない…」と感じる方も多いかもしれません。

ここでは、めまい対策に役立つ栄養素を手軽に取り入れられるレシピを5つご紹介します。

どれも家庭で手軽に作りやすいレシピなので、ぜひ今日からの食事に活用してください。

レバーとほうれん草の鉄分炒め

レバーとほうれん草の鉄分炒め
材料(2人分)
  • 鶏レバーまたは豚レバー…150g
  • ほうれん草…1束
  • パプリカ(赤・黄どちらでも)…1/2個
  • にんにく…1片(みじん切り)
  • みりん…小さじ2
  • サラダ油…大さじ2
  • 塩…3g
  • 粗挽き黒こしょう…1g
作り方
  1. レバーは一口大に切り、流水で軽く洗って臭みを取り、水気を拭いておく
  2. ほうれん草は4〜5cmに切り、パプリカは細切りにする
  3. フライパンにサラダ油を熱し、にんにくを炒め、香りが立ったらレバーを入れる
  4. レバーの表面に火が通ったら、パプリカ・ほうれん草を加えてさっと炒める
  5. 塩とみりんを回し入れ、全体がなじむまで炒める
  6. 最後にこしょうで味を整えたら完成
ポイント
  • パプリカにはビタミンCが豊富に含まれており、レバーの鉄分を効率よく摂るのに役立つ組み合わせです。
  • レバーは火を通しすぎるとかたくなるため、表面に火が通ったら手早く仕上げると食べやすいです。
  • ほうれん草の代わりに小松菜を使っても風味が良く、鉄分をしっかり補えます。

玄米と豆の栄養リゾット

玄米と豆の栄養リゾット
材料(2人分)
  • 炊いた玄米…160g
  • レンズ豆…100g
  • 鶏もも肉…1/2枚
  • 玉ねぎ…1/4個(みじん切り)
  • 水…100ml
  • 牛乳または豆乳…200ml
  • 塩・こしょう…適量
  • オリーブオイル…大さじ1
作り方
  1. 鶏もも肉をぶつ切りにしておく
  2. 鍋にオリーブオイルを熱し、鶏もも肉・玉ねぎをしんなりするまで炒める
  3. 鶏もも肉に火が通ったら玄米とレンズ豆を加え、軽く混ぜ合わせる
  4. 水を入れて鍋にフタをし、中火で5分ほど煮て全体をなじませる
  5. 牛乳または豆乳を加え、とろみが出るまで煮る(フタはしない)
  6. 塩・こしょうで味を調え、器に盛って完成
ポイント
  • 玄米にはビタミンB群が含まれ、豆類は鉄やマグネシウムを含むため、めまい対策に役立つ栄養をバランスよく補える一皿です。
  • 牛乳の代わりに豆乳を使うと、よりあっさりした仕上がりになり、植物性の栄養も加わります。
  • リゾットは水分が多く、体調がすぐれないときでも食べやすいのがメリット。冷蔵庫の残り野菜でアレンジも可能です。

さば味噌とチーズのオーブン焼き

さば味噌とチーズのオーブン焼き
材料(2人分)
  • さば味噌煮(市販の缶詰)…1缶
  • 玉ねぎ…1/4個(薄切り)
  • ピザ用チーズ…適量
  • 黒こしょう…少々
  • オリーブオイル…少々
作り方
  1. オーブンを180℃に予熱する
  2. 耐熱皿に薄くオリーブオイルを塗り、玉ねぎを広げる
  3. さば味噌煮をほぐしながら玉ねぎの上にのせる
  4. ピザ用チーズを全体に散らし、180℃のオーブンで10〜12分ほど焼く
  5. 焼き上がったら黒こしょうを振って完成
ポイント
  • さば味噌煮缶を使うことで、下準備なしでDHA・EPAやビタミンB群を手軽に取り入れられます。
  • 玉ねぎを加えることで甘みが出て、チーズとの相性も良く、満足感のある一品に仕上がります。
  • オーブンがない場合は、トースターでも同様に焼けます(焼き時間は様子を見て調整してください)。

鮭とブロッコリーのオートミールグラタン

鮭とブロッコリーのオートミールグラタン
材料(2人分)
  • 生鮭…2切れ(または甘塩鮭)
  • ブロッコリー…1/2株(小房に分ける)
  • オートミール…40g
  • 牛乳または豆乳…250ml
  • 玉ねぎ…1/4個(薄切り)
  • バター…10g
  • 小麦粉(または米粉)…大さじ1
  • 塩・こしょう…適量
  • ピザ用チーズ…適量
作り方
  1. 鮭は一口大に切り、塩・こしょうを軽くふっておく
  2. ブロッコリーは下茹でするか、電子レンジで軽く加熱しておく
  3. フライパンにバターを溶かし、玉ねぎを弱火で炒める
  4. 玉ねぎがしんなりしたら小麦粉をふり入れ、粉っぽさがなくなるまで炒める
  5. 牛乳(または豆乳)を少しずつ加え、とろみがつくまで混ぜる
  6. オートミール、鮭、ブロッコリーを加えて全体を軽く煮込む
  7. 耐熱皿に移し、チーズをのせてオーブンで8〜10分焼く
  8. 表面に焼き色がついたら完成
ポイント
  • 鮭にはたんぱく質やビタミンB群、ブロッコリーには鉄やビタミンCが含まれ、栄養バランスの良い組み合わせです。
  • オートミールをホワイトソースに加えることで、とろみが出やすく食物繊維も補えます。
  • 豆乳を使うとあっさりした仕上がりになり、よりヘルシーに楽しめます。

ナッツとバナナのスムージー

ナッツとバナナのスムージー
材料(2人分)
  • バナナ…1本
  • ミックスナッツ(無塩)…大さじ2
  • 牛乳または豆乳…250ml
  • ヨーグルト…大さじ2
  • はちみつ…小さじ1(お好みで)
  • 氷…適量
作り方
  1. ナッツは軽く砕いておく(ミキサーが強力な場合はそのままでもOK)
  2. バナナは一口大に切る
  3. すべての材料をミキサーに入れ、なめらかになるまで攪拌する
  4. グラスに注いで完成
ポイント
  • バナナはカリウムが豊富で、体の水分バランスを整えるのに役立ちます。
  • ナッツの中では、マグネシウムが豊富なかぼちゃの種がおすすめです。
  • 朝食の置き換えや、小腹がすいたときの栄養補給にもおすすめ。氷を加えることでさっぱりした飲み口になります。

食事以外のめまい対策

食事以外のめまい対策

めまいの対策をするなら、食事で栄養を整えるだけでなく、日々の生活習慣を根本からしっかり見直すことも必要です。

睡眠不足やストレス、体のこわばり、水分不足など、日常の小さな積み重ねがめまいを招きやすい環境をつくってしまうことがあるためです。

ここからは、日常生活の中で無理なくできるめまい対策を紹介します。

生活習慣を整える

生活リズムが乱れると自律神経が不安定になりやすく、めまいを感じやすくなることがあります。

特に、睡眠不足や不規則な起床時間は体内時計に影響し、体の調整機能を大きく乱してしまう原因になります。

まずは、できる範囲で「同じ時間に寝て起きる」という基本的なリズムを整えることが大切です。

また、軽い運動を習慣にするのも、めまい対策として役立つでしょう。

ウォーキングやストレッチなど、強い負荷のない運動は血流を整え、体のこわばりをほぐしやすくします。

特に首や肩の緊張は内耳への血流にも影響すると考えられるため、ゆっくり体を動かす時間をつくるだけでも、予防に努めることができるでしょう。

入眠に時間がかかったり、寝ても寝た気がしなかったりする人は、就寝前のリラックス法を試してみてください。

「熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック」では、今日から始められる5つの簡単なテクニックを紹介しています。併せてご覧ください。

熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック 熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック

ストレス対策をする

現代は「ストレス社会」ともいわれますが、人間がストレスそのものに強くなったわけではありません。

強い不安や緊張が続くと、体がずっと「力が入った状態」になり、呼吸が浅くなったり、血流が悪くなったりとさまざまな不調につながるリスクが高まります。

ストレスは自律神経のバランスを乱しやすく、めまいのきっかけになることも。

ストレスをゼロにすることは難しいですが、少しでも心身を落ち着ける時間をつくることが大切です。

たとえば、深呼吸や軽いストレッチ、好きなお香やアロマなどの香り、温かい飲み物をゆっくり味わう──などのリラックス習慣があげられます。

また、疲れを感じたときに無理をせず休息をとることも、ストレスによる負担を和らげるために必要な対応です。

もっと手軽にストレス対策をしたい人は、リラックスサプリを活用してみるのも良いかもしれません。

ストレスが限界な人に│おすすめのリラックスサプリ10選」では、ストレスを感じているときにこそ活用したいリラックスサプリを10種紹介しています。

手軽なストレス対策から始めたい人は、こちらの記事も併せてお読みください。

ストレスが限界な人に│おすすめのリラックスサプリ10選 ストレスが限界な人に│おすすめのリラックスサプリ10選

入浴習慣をつける

入浴は、血行を促し体のこわばりをほぐす上で、手軽に取り入れられるセルフケアの1つです。

特に肩や首まわりがこりやすい人は、その緊張が内耳への血流にも影響し、めまいを感じやすくなる場合があります。

湯船にゆっくり浸かることで体が温まり、緊張が和らぎやすくなるため、日々のコンディションを整える習慣としてきっと役立つでしょう。

また、入浴には副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果が期待されています。

ストレスで体が張りつめた状態が続いている場合でも、温かいお湯に浸かることで自然と呼吸が深くなり、寝つきが良くなると感じるケースも。

中でもマグネシウム入りの入浴剤を使った「マグネシウム風呂」は、ぬるめのお湯でも体が温まりやすく、心身をやわらかくほぐす入浴習慣として人気があります。

入浴は毎日でなくても問題ありませんが、週に数回取り入れるだけでも、体の巡りを整える助けになるでしょう。

マグネシウム風呂の効果とは?疲労回復・美肌を目指す健康入浴法 マグネシウム風呂の効果とは?疲労回復・美肌を目指す健康入浴法

こまめな水分補給

水分不足は、めまいの大きな原因の1つといわれています。

体の水分が不足すると血液が濃くなり、巡りが悪くなることで脳や内耳に必要な酸素や栄養が届きにくくなることがあります。

また、気温が高い日や運動時には、知らないうちに汗で水分が失われやすく、脱水に近い状態になることも。

めまい対策としては、一度に大量の水を飲むよりも、こまめに少しずつ補給するのがポイントです。

起床後すぐの1杯、外出前後の補給、作業の合間のひと口など、生活の中に「飲むタイミング」を組み込むと続けやすくなるのでおすすめです。

特に、カフェインの多い飲み物は利尿作用があるため、水や麦茶など負担の少ない飲み物を中心にすると良いでしょう。

また、運動時や汗をかきやすい季節は、水分だけでなく電解質も意識しましょう。

「電解質ってなに?」という人は、電解質についてわかりやすく解説している「「電解質」とは?マグネシウムが担う電解質としての重要な役割を解説」をぜひご覧ください。

「電解質」とは?マグネシウムが担う電解質としての重要な役割を解説 「電解質」とは?マグネシウムが担う電解質としての重要な役割を解説

アルコール・煙草を控える

アルコールや煙草は、めまいを感じやすい人にとって注意したい習慣の1つです。

アルコールにはカフェインと同様に利尿作用があり、飲酒量が多くなると体の水分が失われやすくなります。

脱水に近い状態になると血液の巡りが悪くなり、脳や内耳に必要な酸素や栄養が届きにくくなるため、ふらつきの原因につながることがあります。

また、飲酒後に急に立ち上がった際に、立ちくらみを感じやすくなることも。

一方、煙草に含まれる成分は血管を収縮させる作用があり、血流が低下しやすくなるとされています。

血流が悪くなると、体のバランスをつかさどる内耳の働きにも影響しやすく、めまいが起きるリスクが高まる可能性があります。

無理に禁酒・禁煙をする必要はありませんが、めまいが気になる時期は「量を減らす」「飲むペースをゆっくりにする」「喫煙本数を見直す」など、できる範囲で工夫するだけでも体の負担は軽くなるでしょう。

めまいに関するQ&A

めまいに関するQ&A

めまいに悩むと、「この症状は大丈夫なんだろうか…?」「病院に行くべき…?」と不安を感じることもあるでしょう。

ここでは、めまいに関してよく寄せられる質問をまとめ、受診の目安や医療機関に相談するときのポイントをわかりやすく紹介します。

めまいが気になるときの判断材料として役立ててくださいね。

めまいを感じたらすぐに病院に行くべき?

めまいは一時的な体調の乱れで起こることもありますが、中には重大な病気が関係している場合もあります。

そのため、「様子を見ていいめまい」と「早めに受診すべきめまい」を見極めることが大切です。

基本的には、症状が軽く、短時間でおさまり、その後の日常生活に大きな支障がない場合は、まず安静にして様子を見ることもあります。

一方で、次のような場合は早めの受診がすすめられます。

  • めまいに加えて、手足のしびれ、言葉が出にくい、歩きにくいなどの神経症状がある
  • 突然これまでにない強いめまいが起こった
  • めまいが長く続く、繰り返し起こる
  • 激しい頭痛や吐き気を伴う
  • 耳鳴りや難聴が急に現れた

このような症状がある場合、脳や内耳のトラブルが関係している可能性があるため、早めに医療機関で相談しましょう。

不安を感じるときは無理をせず、早めに医療機関を受診するのが安心です。

めまいは何科を受診すれば良い?

一般的には、耳鼻咽喉科がよく選ばれます。

内耳や前庭といった平衡感覚をつかさどる部分は耳の領域であり、回転するようなめまい、頭を動かしたときに強くなるめまい、耳鳴りや難聴を伴うめまいは耳鼻咽喉科の受診が適切でしょう。

一方、ふらつきが強く、歩きにくかったり手足がうまく動かなかったりなどの神経症状がある場合は、脳神経内科(神経内科)や脳神経外科での診察が適しています。

また、立ちくらみのように血圧の変動が関係していそうな症状が続く場合は、内科や循環器内科に相談するケースもあります。

どの科に行くべきか迷うときは、まず近くの内科で相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらうのも1つの方法でしょう。

医師に何を伝えるべき?

医師に伝えると役立つポイントは次の通りです。

  • めまいが起こった状況(立ち上がったとき、寝返りを打ったときなど)
  • めまいの種類(ぐるぐる回る、ふわふわする、意識が遠のく感じなど)
  • 症状が続いた時間と頻度
  • 耳鳴り、難聴、頭痛、吐き気、しびれなどの随伴症状の有無
  • 発症前に睡眠不足やストレス、体調不良がなかったか
  • 薬の服用状況(市販薬を含む)
  • 飲酒量、喫煙習慣、カフェインの摂取状況
  • 持病の有無(血圧、心臓、内耳の症状など)

特に、症状が出たときの様子や「いつから、どのくらい続いているか」は診断に直結する大切な情報です。

思い出しながらで十分なので、なるべく細かく正確に伝えるようにしましょう。

まとめ|栄養バランスを意識してめまいのない体を目指そう!

まとめ|栄養バランスを意識してめまいのない体を目指そう!

めまいは、ちょっとした体調の変化から起こることもあれば、生活習慣やストレス、栄養不足が重なって現れることもあります。

原因が1つではないからこそ、日々の暮らしの中でできる小さな工夫を積み重ねていくことが大切です。

食事の面では、既にお伝えした通り脳や神経、血流、内耳をサポートする栄養素をバランスよく取り入れることで、コンディションが整いやすくなります。

また、本記事で紹介したレシピのように、無理なく続けられる形で栄養を補うと、毎日の食事がめまい対策にもつながるでしょう。

もちろん、生活リズムを整えたり、ストレスを軽減する習慣をつくったり、入浴や水分補給といった基本的なケアをしたりすることも忘れずに。

もしめまいが続く、症状が強い、不安なサインがある場合は、早めに医療機関に相談してください。

さっそく今日から栄養と生活習慣の両面から体を整えつつ、無理のないペースで健康的な毎日を目指してみてはいかがでしょうか。