日本人の26.3%が頭痛に悩まされているといわれる現代。
2020年末から始まったコロナ禍以降、頭痛に悩む人の割合はさらに増しているといわれています。
なぜ現代人は、こんなにも頭痛に悩まされるのでしょうか。
頭痛は天気やストレスが原因と思われがちですが、実は栄養不足が関係している場合もあります。
今回は、栄養不足で頭痛が起こる理由と、予防に役立つ栄養素や食事のポイントをわかりやすく解説します。
毎日の生活をより快適に過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
栄養不足で頭痛が起こる5つの原因

はじめに、日常生活の中で起こりやすい「頭痛の原因」を5つ紹介します。
エネルギー不足による脳の疲労
脳は体の中でも特に多くのエネルギーを必要とする器官で、安静にしていても全消費エネルギーの約20パーセントを使うといわれています。
そのため、炭水化物やビタミンB群が不足すると、脳のエネルギー源が足りず、働きが低下しやすくなります。
その結果、頭がぼんやりしたり、重い痛みを感じたりすることがあります。
特に、朝食を抜く習慣がある人や、糖質制限を極端に行っている人は注意が必要です。
脳は糖を主なエネルギーにしているため、長時間補給されない状態が続くと、集中力の低下やイライラ、頭痛といったサインが現れやすくなります。
また、ビタミンB群は糖をエネルギーに変換するために欠かせない栄養素なので、不足すると効率よくエネルギーを作ることができず、脳の疲労をさらに招くこともあります。
忙しいとつい食事を後回しにしてしまいますが、脳をしっかり働かせるためには、適度な炭水化物とビタミンB群を含む食事をとることが大切です。
血管収縮・拡張のアンバランス
頭痛の背景には、脳の血管が収縮したり拡張したりするバランスの乱れが関係していることもあります。
この血管調整に深く関わっているのが、マグネシウムやカルシウムといったミネラルです。
これらの栄養素は、筋肉や血管のスムーズな動きを支えており、不足すると血管の収縮と拡張が適切に行われにくくなります。
たとえば、マグネシウムが不足すると血管が過度に収縮しやすくなり、頭がキリキリするような痛みにつながることがあります。
一方、カルシウムが不足する場合も血流の調整がうまくいかず、血管の反応が過敏になって頭痛を引き起こす可能性があります。
特にストレスを感じやすい人や食生活が偏りがちな人は、ミネラル不足によってこうした不調が起こりやすい傾向があるとされています。
「マグネシウムで血圧は下がる?上がる?経皮吸収での効果とおすすめの使用方法も紹介」では、マグネシウムと血流の関係について詳しく解説しています。特に血圧に不安がある方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
貧血による酸素不足
頭痛の原因として見過ごされやすいのが、貧血(鉄欠乏症)による酸素不足です。
特に女性は貧血になりやすく、厚生労働省によると日本人女性のおよそ65%が、貧血もしくはかくれ貧血とされています。
血液中のヘモグロビンは、全身に酸素を届ける役割を担っていますが、鉄が不足するとヘモグロビンが十分に作られず、脳に運ばれる酸素量も低下します。
脳は常に多くの酸素を必要とするため、酸素が足りなくなると、重だるい頭痛や立ちくらみ、疲労感などの症状が現れやすくなります。
貧血は女性のほか、食生活が偏っている人や、ダイエット中で食事量が少ない人、成長期の子どもやスポーツ量が多い人にも起こりやすい傾向があります。
また、鉄だけでなく、鉄の吸収をサポートするビタミンCや、赤血球づくりに関わるビタミンB12、葉酸が不足していても、酸素供給がスムーズにいかなくなりやすいため、鉄だけでなく総合的な栄養バランスを考慮した食事を摂ることが大切です。
低血糖による頭痛
低血糖とは、血液中の糖の値が通常より低くなり、体や脳のエネルギーが不足してしまう状態のことです。
脳は糖を主なエネルギー源としているため、血糖値が急激に下がると、脳がうまく働かなくなり、頭痛やふらつき、強い倦怠感が現れやすくなります。
特に昼食を抜いたり、甘いものを一気に食べて血糖値が急上昇した後に急降下するような生活をしている場合、頭痛を感じやすくなることがあります。
低血糖の頭痛は空腹時に出やすいのが特徴で、手の震えや冷や汗、集中力の低下を伴うこともあります。
食事の間隔が長すぎたり、炭水化物を極端に制限するダイエットを続けたりしている人は、どうしても低血糖になりやすい傾向があるので注意が必要です。
特に忙しい日が続くと、気がつけば何時間も飲食していないということもありますよね。
こうした生活が続くと、脳のエネルギー不足が慢性化し、頭痛が習慣化してしまうこともあります。
予防のためには、食事を極端に減らさず、適度な炭水化物を含むバランスのよい食事をとることが大切です。
脱水・電解質バランスの乱れ
脱水や電解質バランスの乱れも、頭痛を引き起こす大きな原因の1つです。
私たちの体は水分だけでなく、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質によって体液のバランスが保たれています。
これらが不足すると、神経の伝達や血流の調整がスムーズに行われなくなり、頭痛として不調が現れやすくなります。
特に暑い季節や運動量が多いときは、汗と一緒に電解質も失われやすく、知らないうちにバランスが崩れてしまうことがあるので注意が必要です。
水だけを大量に飲んでも改善しないどころか、体内の電解質濃度が薄まり、かえって頭痛が悪化してしまうこともあります。
「水分はとっているのに頭が痛い…」というときは、電解質が不足している可能性を考えてみると良いでしょう。
頭痛予防のために気をつけたいポイント

頭痛を繰り返さないためには、日々の生活習慣を整えることがとても大切です。
特に、食事、睡眠、ストレスとの向き合い方は頭のコンディションに大きく影響します。
ここでは、頭痛予防に役立つ3つのポイントをわかりやすくまとめました。
毎日の習慣をほんの少し見直すだけでも、体が軽く感じられることがあります。ぜひ参考にしてみてください。
栄養バランスが整った食生活
栄養バランスの整った食生活は、頭痛予防の基本です。
脳や神経が正常に働くためには、糖質、たんぱく質、脂質に加え、ビタミンやミネラルといった微量栄養素が欠かせません。
どれか1つが不足すると、エネルギーがうまく作れなかったり、神経伝達が乱れたりして、頭痛のきっかけになってしまうことがあります。
特に、ビタミンB群、鉄、マグネシウムなどは頭痛と関わりやすい栄養素とされており、日々の食事の中で意識して取り入れたいところです。
忙しいとつい麺類やパンだけで食事を済ませてしまうこともありますが、そこに卵や納豆、海藻、小松菜、ナッツなどを少し追加するだけでも栄養のバランスはぐっと良くなります。
無理なく続けられる食習慣を少しずつ作っていきましょう。
意識しておきたいのが、たんぱく質摂取のため肉を食べる際「どの部位の肉を食べるか」です。肉でもっとも栄養が豊富な部位は、実はステーキのような筋肉部分ではなく、内臓肉(ホルモン)です。
たとえば、レバーには吸収されやすい鉄分やビタミンA、ビタミンB群が豊富に含まれています。心臓(ハツ、ハート)にはコエンザイムQ10やマグネシウム、軟骨にはヒアルロン酸が豊富です。
これらの部位を食べる習慣がない国もありますが、日本には「焼き鳥」や「もつ鍋」「もつ煮込み」など、内臓をおいしく食べられるメニューが豊富にあります。しかも手頃な価格で楽しめるのがうれしいですね。
漢方医学では、「臓器が弱ったときは、対応する臓器を食べよ」という考え方があります。たとえば胃腸が不調のときは胃や腸を、肝臓が弱っているときはレバーを食べる──といった具合です。
各臓器にはその機能を支えるために必要な栄養素が集中的に含まれているため、これは非常に理に適った方法です。
良質な睡眠
睡眠中には脳内の疲労物質が整理され、自律神経のバランスが整うため、翌日の頭のスッキリ感に直結します。
そのため、睡眠不足が続くと脳が休息しきれず、血管や神経が過敏になってしまい、頭痛が起こりやすくなることがあります。
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝起きても疲れが残っている──といった状態が続くと、頭痛の頻度が高くなる可能性も。
また、就寝前のスマートフォンの使用や深夜のカフェイン摂取も、睡眠の質を下げてしまう要因です。
つい習慣になってしまいがちですが、これらは脳を刺激し、リラックスモードに入りづらくしてしまいます。
睡眠の質を高めるためには、就寝前に体と心が落ち着く時間をつくることが大切です。
ぬるめのお風呂に入る、照明を落としてゆったり過ごす、温かい飲み物で体を温めるなど、リラックスできる習慣を取り入れてみましょう。
ストレス対策
ストレスは頭痛の大きな要因の1つです。
精神的な負担が続くと、自律神経のバランスが乱れ、血管の収縮や筋肉の緊張が起こりやすくなります。
その結果、肩や首がこり固まり、頭痛やだるさとして現れることがあります。
仕事や人間関係、育児など、ストレスは避けて通れないものですが、上手に向き合うことで頭痛を和らげるきっかけになるかもしれません。
ストレスが高いときには、気づかないうちに呼吸が浅くなったり、体が力んでいたりするものです。
まずは深呼吸をして体の緊張をゆるめること、意識的に休憩をとることが大切です。
リラックスする方法については、「リラックスする方法30選|睡眠・緊張時などシーン別実践テクニック」で詳しく解説しています。
どれもすぐに実践できる手軽なテクニックなので、ストレスに悩んでいる方やリラックスできずに悩んでいる方は参考にしてください。
頭痛を引き起こしやすい栄養不足の種類と特徴

頭痛と一口にいっても、その背景にある栄養不足のタイプはさまざまです。
どの栄養が不足しているかによって、起こりやすい症状や体のサインも変わってきます。
ここでは、特に頭痛と関わりやすい4つの栄養不足タイプについて、それぞれの特徴をわかりやすくまとめました。
自分の体に当てはまるものがないかチェックしながら読み進めてみてくださいね。
鉄不足タイプ
鉄不足タイプの頭痛は、体の中で酸素を運ぶ役割をしているヘモグロビンが十分に作られないことで起こりやすくなります。
ヘモグロビンが不足すると脳に届けられる酸素量が低下し、頭が重い、ぼんやりする、立ちくらみがするなどの不調が現れやすくなります。
特に、慢性的な疲労感を伴う場合は、鉄不足の可能性があることも少なくありません。
鉄だけでなく、赤血球の生成を助けるビタミンB12や葉酸が不足している場合も、同じように酸素不足が生じ、頭痛の原因となることがあります。
これらの栄養素は互いに関わり合いながら血液をつくるため、どれか1つでも欠けると、結果的に酸素を十分に運べない状態になってしまいます。
食事が偏りがちな人や、加工食品中心の生活が続いている人は、知らないうちに複数の栄養が不足していることもあります。
鉄不足は女性に多いですが、成長期の子どもやスポーツ量の多い人、食事量が少なくなりがちな高齢者でも起こりやすい傾向があります。
頭痛や疲れやすさが続く場合は、鉄をはじめとした造血に関わる栄養素が不足していないかを意識してみることが大切です。
マグネシウム不足タイプ
マグネシウムは、神経の興奮を落ち着かせたり、血管の収縮と拡張を調整したりする働きを持つ重要なミネラルです。
不足すると血管が過敏になりやすく、頭痛を感じやすくなることがあります。
また、ストレスが多い生活や加工食品中心の食事が続くと、体内のマグネシウムが消耗されやすく、慢性的な不足につながることもあります。
特に現代人はマグネシウムが不足しやすいといわれており、加工食品の摂取や外食が多い方、食事を手軽に済ませることが多い方などは要注意。
マグネシウム不足タイプの頭痛は、肩や首のこりを伴いやすいのが特徴です。
神経が緊張状態になりやすく、リラックスしづらい、寝ても疲れが抜けないといったサインが見られることもあります。
さらに、筋肉がつりやすい、まぶたがピクピクする、イライラしやすくなるなど、神経や筋肉に関連した不調が同時に現れるケースも珍しくありません。
「マグネシウムが不足しているかも…?」と感じる方は、マグネシウム不足セルフチェックを試してみるのがおすすめです。

ビタミンB群不足タイプ
ビタミンB群は、食べ物から得たエネルギーを体内でスムーズに使える形に変えるために欠かせない栄養素です。
複数のビタミンがお互いに連携しながら働いているため、どれか1つが不足するとエネルギー代謝が鈍くなり、脳や神経がストレスを受けやすくなります。
特に、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1、神経の働きを整えるビタミンB6、赤血球の生成に関わるビタミンB12などは、頭痛と深く関係しているとされています。
これらが不足すると、脳のエネルギー供給が滞ったり、神経が敏感になりやすくなったりして、頭痛が起こりやすくなる可能性があるのです。
ビタミンB群不足タイプの頭痛は、疲れやすさや集中力の低下を伴いやすいのが特徴です。
仕事や勉強の持続力が落ちたり、イライラしやすくなったりする場合もあり、生活のパフォーマンスにも影響が出やすくなることもあります。
また、エネルギー代謝がうまく働かないことで、体がだるい、朝がつらいといった不調が現れることもあります。
さらに、ダイエット中や偏った食生活が続いている人は、ビタミンB群が不足しやすく、疲れや頭痛を感じやすくなる傾向があるとされています。
加工食品中心の生活でも、知らないうちにビタミンB群が消耗され、必要量が満たされなくなりやすいので注意が必要です。
ビタミンB群は体内に蓄えておくことが難しいため、毎日の食事でこまめに補うことが大切です。
水分・電解質不足タイプ
水分や電解質が不足していると、体内のバランスが崩れ、頭痛が起こりやすくなります。
特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質は、汗をかいたり水分だけを大量に飲んだりすることで失われやすくなるとされています。
こうした電解質不足が、頭の重さやズキズキした痛みとして症状が現れることがあるので、特に汗をかきやすい夏場は注意が必要です。
水分・電解質不足タイプの頭痛は、体がだるい、めまいがする、集中力が落ちるといったサインを伴うことが多いのが特徴です。
暑い季節や運動量が多い日、長時間外にいる日には、体の電解質が急激に消耗されやすくなります。
また、普段から水分をあまりとらない人や、コーヒーなど利尿作用のある飲み物を多く飲む人も、知らないうちに脱水気味になってしまうこともあります。
アルコールやカフェインなど、利尿作用のある成分を含む飲料を多量に飲む人も要注意。
頭痛を予防するためには、水だけでなく電解質もバランスよく補うことが重要です。
麦茶にひとつまみの塩を足したり、味噌汁やスープを取り入れたりすると、手軽に電解質を補給できます。
また、マグネシウムやカリウムを含む食品を日常的に取り入れたり、サプリメントを活用したりすることで、脱水による不調を予防しやすくなります。
水分補給と電解質補給の両方を意識することが、頭痛対策のポイントです。
頭痛予防をサポートする栄養素と食事法

頭痛の原因は1つではなく、体質や生活習慣、栄養状態などが複雑に関わっています。
そのため、特定の栄養だけを意識するのではなく、日々の食事を通して体の土台を整えていくことが大切です。
特に、脳のエネルギーづくりや血流の調整、神経の働きをサポートする栄養素は、頭痛予防の心強い味方になります。
ここでは、頭痛予防に役立つ代表的な栄養素と、それらを効率よく取り入れるための食事法をわかりやすく紹介します。
マグネシウム
マグネシウムは、体内で800種類以上の酵素反応に関わるといわれるほど重要なミネラルで、頭痛予防においても欠かせない存在です。
マグネシウムを効率よくとるには、日常的にマグネシウムを多く含む食品を取り入れるのがポイント。
代表的な食材としては、海藻類、ナッツ類、豆類、魚、玄米、緑の葉野菜などがあります。
特に、わかめやひじきといった海藻、かぼちゃの種やアーモンド、大豆製品は手軽に食べられるため、日常の食事に取り入れやすいでしょう。
以下のようなメニューは、マグネシウムを無理なく補給できるのでおすすめです。
- ひじきと大豆の煮物
- ほうれん草と豆腐の味噌汁
- かぼちゃの種を使ったサラダ
- 鯖の塩焼きと玄米ごはん
- 納豆と海藻の混ぜご飯
これらは普段の食卓に加えやすいものばかりです。マグネシウムを含む食材を一品だけ追加するだけでも、不足しがちなミネラルの補給につながるので、積極的に活用してくださいね。
また、マグネシウムは、海藻類、ナッツ、豆類、玄米、魚などに豊富に含まれています。
マグネシウムを豊富に含む食品については、「【24選】マグネシウムを豊富に含む食品ランキング|効率的な摂取方法&簡単献立例」で詳しく解説しています。
カルシウム
カルシウムは「骨の栄養」というイメージが強いですが、実は神経の働きや血管の収縮にも関わる重要なミネラルです。
マグネシウム同様、カルシウムが不足すると神経が過敏になりやすく、血管の調整もうまくいかなくなるため、頭痛を感じやすくなることがあります。
また、カルシウムとマグネシウムは体の中で互いに影響し合う関係にあり、どちらか一方が極端に不足することでバランスが崩れ、血流や筋肉の働きに影響が出ることもあります。
カルシウムを効率よく摂るためには、乳製品だけに頼るのではなく、さまざまな食品から幅広く取り入れることが大切です。
代表的な食材には、牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、豆製品、青菜類などがあります。
特に小松菜や水菜などの葉物野菜や、しらす、豆腐などは日々の食事に取り入れやすい食品なのでおすすめです。
| 食品名 | 100gあたりの含有量(mg) |
|---|---|
| 厚揚げ | 240.0 |
| 牛乳 | 220.0 |
| 木綿豆腐 | 180.0 |
| ししゃも | 149.0 |
| ひじき | 140.0 |
| プロセスチーズ | 126.0 |
| ヨーグルト | 120.0 |
| 小松菜 | 119.0 |
| 水菜 | 105.0 |
| さくらえび(素干し) | 100.0 |
| 切り干し大根 | 81.0 |
| 菜の花 | 80.0 |
| 納豆 | 45.0 |
出典:食品成分データベース
ビタミンB群
糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、神経の働きを整えるビタミンB6、赤血球の生成に関わるビタミンB12など、複数のビタミンが互いに連携しながら体の働きを支えていますが、ダイエットや忙しさによる偏った食事、加工食品中心の生活が続くと不足しやすい栄養素です。
特に、疲れやすい、集中力が続かない、イライラしやすいといったサインがある場合は、ビタミンB群の減少が関係している可能性があります。
ビタミンB群は、肉類、卵、魚、大豆製品、玄米、緑黄色野菜など、さまざまな食品から摂取できます。
毎日の食事で偏りがないよう意識することが、ビタミンB群をバランス良く摂取するポイントです。
また、ビタミンB群は頭痛だけでなく、日中のパフォーマンスにも影響する栄養素でもあるので、普段の食生活の中で不足していないかを定期的に振り返ってみることが大切です。
ビタミンB群は以下の食品に豊富に含まれています。他の栄養素と併せて、バランスよく摂取するよう意識すると良いでしょう。
| 食品名 | ビタミンBの種類 | 100gあたりの含有量 |
|---|---|---|
| かつお | ビタミンB6 | 0.85mg |
| 豚ヒレ | ビタミンB6 | 0.54mg |
| 鶏ささみ | ビタミンB6 | 0.48mg |
| バナナ | ビタミンB6 | 0.38mg |
| さつまいも | ビタミンB6 | 0.26mg |
| 豚ヒレ | ビタミンB1 | 1.32mg |
| 玄米 | ビタミンB1 | 0.19mg |
| 豚もも | ビタミンB1 | 0.96mg |
| 牛乳 | ビタミンB2 | 0.3mg |
| 豚レバー | ビタミンB2 | 2.16mg |
| アーモンド | ビタミンB2 | 0.11mg |
| モロヘイヤ | ビタミンB2 | 0.42mg |
| さば | ビタミンB12 | 12.9µg |
| ほたて | ビタミンB12 | 11.4µg |
| しじみ | ビタミンB12 | 10.3µg |
| 鶏むね | ナイアシン | 12.1mg |
| とうもろこし | ナイアシン | 2.3mg |
| 鶏レバー | パントテン酸 | 6.0mg |
| 納豆 | パントテン酸 | 1.8mg |
| アボカド | パントテン酸 | 1.7mg |
| 鶏レバー | 葉酸 | 780.0µg |
| ほうれん草 | 葉酸 | 168.0µg |
| 菜の花 | 葉酸 | 238.0µg |
| 鶏レバー | ビオチン | 138.0µg |
| 卵黄 | ビオチン | 65.0µg |
| まいたけ | ビオチン | 24.0µg |
出典:食品成分データベース
鉄
鉄不足は、食生活が偏っていたり、忙しさで食事量が減っていたりすると、性別や年齢に関わらず起こる可能性があります。
また、鉄は単独で働くわけではなく、吸収を助けるビタミンCや、赤血球の生成に関わるビタミンB12や葉酸なども関係しています。
これらが不足している場合も、結果的に酸素供給が低下し、頭痛の原因となる場合も。
特に疲れやすさや頭痛が長引くときは、食事の中で鉄が不足していないか振り返ってみましょう。
鉄は体の土台を支える重要な栄養素です。酸素をしっかり運べる体づくりのためにも、普段の食生活で不足していないか意識することが頭痛予防につながります。
以下は、鉄分の多い食品ランキングです。献立を考える際の参考にしてくださいね。
| 食品名 | 100gあたりの含有量(mg) |
|---|---|
| あおのり(素干し) | 77.0 |
| 岩のり(素干し) | 48.0 |
| 乾燥きくらげ | 35.0 |
| あさりの缶詰(水煮) | 30.0 |
| せん茶 | 20.0 |
| 豚スモークレバー | 20.0 |
| かたくちいわし(煮干し) | 18.0 |
| しじみ(水煮) | 15.0 |
| 純ココア | 14.0 |
| はぜのつくだ煮 | 12.0 |
| 焼きのり | 11.0 |
| 大豆(黄大豆/ブラジル産) | 9.0 |
| 豚レバーペースト | 7.7 |
| パセリ(葉/生) | 7.5 |
| 牛ビーフジャーキー | 6.4 |
出典:食品成分データベース
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持つことで知られていますが、実は頭痛予防にも関係する重要な栄養素です。
体内で鉄の吸収を助ける働きがあり、酸素をしっかり運ぶためのサポート役としても欠かせません。
鉄の働きが十分でないと脳への酸素供給が低下し、頭痛につながることがあるため、ビタミンCを適切に補うことは間接的に頭痛予防にも役立ちます。
また、ビタミンCはストレスを感じたときに体内で消耗されやすい栄養素でもあります。
ストレスの多い生活が続くと、知らないうちにビタミンCが不足し、体調のバランスが崩れやすくなるのです。
疲れやすい、イライラしやすい、肌の調子が悪いなどのサインが現れているときは、ビタミンC不足の影響が出ているかもしれません。
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれており、日常の食事の中で補いやすい栄養素です。
ただし、加熱調理で失われやすいため、生で食べられる食品や、加熱時間を短くした調理法を意識することがポイントです。
| 食品名 | 100gあたりの含有量(mg) |
|---|---|
| アセロラ/酸味種 | 1700.0 |
| 青汁/ケール | 1100.0 |
| アセロラ/甘味種 | 800.0 |
| せん茶 | 260.0 |
| グァバ/赤肉腫/白肉種 | 220.0 |
| トマピー | 200.0 |
| 赤ピーマン | 170.0 |
| めキャベツ | 160.0 |
| オレンジピーマン | 150.0 |
| 黄ピーマン | 150.0 |
| キウイフルーツ/黄肉腫 | 140.0 |
| ブロッコリー | 140.0 |
| 和種なばな | 130.0 |
| とうがらし | 120.0 |
| パセリ | 120.0 |
| アセロラ/果汁飲料/10%果肉入り飲料 | 120.0 |
| 玉露 | 110.0 |
| 洋種なばな | 110.0 |
| レモン/全果 | 100.0 |
| キウイフルーツ/緑肉種 | 71.0 |
| かき/甘がき | 70.0 |
| あけび/果肉 | 65.0 |
| いちご | 62.0 |
| オレンジ/ネーブル/砂じょう | 60.0 |
| 抹茶 | 60.0 |
| グレープフルーツ/果実飲料/濃縮還元ジュース | 53.0 |
| オレンジ/バレンシア/果実飲料/濃縮還元ジュース | 42.0 |
| グレープフルーツ/果実飲料/ストレートジュース | 38.0 |
出典:食品成分データベース
ビタミンD
ビタミンDは神経や筋肉の働きに関係しており、間接的に頭痛の予防にも関わるとされています。
ビタミンDが不足すると、カルシウムの利用がうまくいかず、神経が過敏になりやすくなることがあります。
その結果、ちょっとした刺激で頭痛やこわばりを感じやすくなることがあるのです。
また、ビタミンDは気分の安定にも関わるとされており、不足するとストレスを受けやすい状態になるともいわれています。
ストレスが高まると血管や筋肉が緊張し、頭痛のきっかけにつながることがあるため、ビタミンDを適切に補うことは心身の調子を整える上でも大切です。
ビタミンDは、食品から摂取できるほか、日光を浴びることで体内でも生成されます。
しかし、屋内で過ごす時間が長い人や、季節によって日照時間が短い地域に住んでいる場合には、不足しやすい傾向があります。
また、食生活が偏っていると、食品からの摂取が十分に得られないこともあります。
ビタミンDを多く含む食品には、魚類、卵、きのこ類などがあります。日常的にこれらの食品を食事に取り入れたり、適度に日光を浴びたりすることで、自然と補いやすくなります。
| 食品名 | 100gあたりの含有量(㎍) |
|---|---|
| あらげきくらげ/乾燥 | 130.0 |
| 塩辛/加工品 | 120.0 |
| あんこう/きも/生 | 110.0 |
| きくらげ/乾燥 | 85.0 |
| うまづらはぎ/味つき開き干し | 69.0 |
| しらす干し/半乾燥品 | 61.0 |
| いかなご(煮干し) | 54.0 |
| まいわし/みりん干し | 53.0 |
| たたみいわし | 50.0 |
| にしん/身欠きにしん | 50.0 |
| にしまあじ/開き干し/生 | 49.8 |
| にしん/燻製 | 48.0 |
| しろさけ/すじこ | 47.0 |
| しろさけ/いくら | 44.0 |
| しろさけ/焼き | 39.0 |
| べにざけ/焼き | 38.0 |
| くろかじき/生 | 38.0 |
| あらげきくらげ/油いため | 38.0 |
| にしん/開き干し | 36.0 |
| しろさけ/水煮 | 34.0 |
| ぼら/からすみ | 33.0 |
| べにざけ/生 | 33.0 |
| しろさけ/さけ節/削り節 | 33.0 |
| まいわし/生 | 32.0 |
| にしん/かずのこ/乾燥 | 31.0 |
| からふとます/焼き | 31.0 |
| かたくちいわし/田作り | 30.0 |
| しいたけ/乾燥 | 17.0 |
出典:食品成分データベース
コエンザイムQ-10
コエンザイムQ10は、細胞の中でエネルギーをつくる働きをサポートする成分で、私たちの体がスムーズに動くために欠かせません。
特に、脳や心臓のようにエネルギーを多く必要とする器官では、コエンザイムQ10の働きがとても重要です。
これが不足すると、エネルギー産生が低下し、疲労感や頭の重さとして不調が現れることがあります。
また、コエンザイムQ10には抗酸化作用があるとされており、体内のストレスから細胞を守る役割も担っています。
ストレスや疲労が続くと体内での消耗も増えるため、頭痛が起こりやすくなる要因のひとつになることもあります。
特に、加齢とともに体内で作られる量が徐々に減っていくため、年齢とともに不足しやすい点も特徴です。
食品では、肉類や魚介類に含まれていますが、日常の食事だけでは十分に補いにくいこともあります。
そのため、栄養バランスを意識しながら食生活を整えることが大切です。
また、サプリメントを活用して不足分を補うのも良いでしょう。
| 食品名 | 100gあたりの含有量(mg) |
|---|---|
| いわし | 6.0 |
| さば | 4.0 |
| 豚肉 | 4.0 |
| 牛肉 | 3.0 |
| ピーナッツ | 3.0 |
| ほうれん草 | 1.0 |
出典:コエンザイムQ10を多く含む食べ物を徹底紹介!男女の妊活にどう活用できるのか?|HOMMEZ
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、体内ではほとんどつくることができない必須脂肪酸で、脳や神経の健康に深く関わっています。
特に、魚に多く含まれるDHAやEPAは、神経細胞の情報伝達をスムーズにし、脳がクリアに働くためのベースを支える栄養素です。
不足すると脳の働きが乱れやすく、頭痛や集中力の低下につながることがあります。
また、オメガ3脂肪酸は血流を整えるサポート役でもあり、体の巡りの不調からくる頭の重さやコリを和らげる上でも役立ちます。
現代の食生活はオメガ6脂肪酸に偏りやすいため、意識して補わないとオメガ3が不足しやすい点も特徴です。
オメガ3脂肪酸は、主に青魚、亜麻仁、チアシード、くるみなどに多く含まれています。
魚を食べる機会が少ない人や、加工食品に頼りやすい食生活の人は、特に不足しやすい傾向があります。
| 食品名 | 100gあたりの含有量 |
|---|---|
| えごま油 | 58.3 |
| あまに油 | 56.6 |
| えごま/乾燥 | 23.7 |
| あまに/いり | 23.5 |
| たらのあぶら | 22.6 |
| チアシード/乾燥 | 19.4 |
| くじら/本皮/生 | 11.2 |
| あんこう/肝/生 | 10.0 |
| くるみ/いり | 9.0 |
| なたね油 | 7.5 |
出典:オメガ3脂肪酸が多い食品ランキング10選!たっぷりオメガ3を食べましょう|Daiken Biomedical
まとめ|栄養バランスを整えて健やかな毎日を

エネルギー不足、鉄不足、マグネシウム不足、ビタミンB群不足、水分や電解質の乱れなど、頭痛の原因は人によって異なります。
まずは、自分の体にどんなサインが出ているのかを丁寧に観察し、必要な栄養を補っていくことが大切です。
頭痛は、体からの大切なメッセージです。
「なんとなく不調」をそのままにせず、食生活や生活習慣を見直してみることで、毎日がもっと軽やかに、快適に過ごせるようになるかもしれません。
これを機に、より快適な日々を目指してみませんか?

