麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶は、香ばしくて飲みやすく、ノンカフェイン・低カロリーで妊娠中の方やカロリーが気になる方にもやさしい飲み物です。

実はこの麦茶、マグネシウムやカリウムといった体に嬉しいミネラルを含んでおり、健康や美容に役立つ飲み物でもあります。

本記事では、麦茶に含まれるミネラルの種類や働き、他のお茶や飲料との違い、飲む際に知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。

日々の麦茶習慣を、より健康的なものに変えていきましょう。

麦茶に含まれる主なミネラル成分とは?

麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶は単なる水分補給だけでなく、栄養面でも私たちの健康をさりげなくサポートしてくれる飲み物です。

ここでは、麦茶に含まれるミネラルについて、次の2項目に分けて解説します。

  • 麦茶は水溶性ミネラルを含んだ体にやさしい飲み物
  • 麦茶に含まれる代表的なミネラル

とくに、汗をかきやすい夏場にはミネラル補給が大切です。

そんな季節にぴったりな麦茶には、どのようなミネラルが含まれているのでしょうか。

麦茶は水溶性ミネラルを含んだ体にやさしい飲み物

麦茶は大麦を焙煎し、お湯で煮出したり、水に浸して作られます。

この過程で、大麦に含まれる栄養のうち、水に溶けやすいミネラルが抽出されて麦茶に含まれるようになります。

なかでも、マグネシウムやカリウムなどのミネラルは水に溶けやすいため、飲むだけで自然にミネラル摂取が可能です。

そのため麦茶は、食事中の飲み物としてはもちろん、運動後やお風呂上がり、暑い季節の水分補給など、日常のさまざまな場面で自然にミネラルを補える飲み物として重宝されています。

また、麦茶はノンカフェイン・低カロリーという点でも、妊娠中の方や子ども、高齢者まで幅広い世代にとって安心して飲める「体にやさしい飲み物」です。

麦茶に含まれる代表的なミネラル

麦茶には、私たちの体にとって欠かせないミネラルが含まれています。

ここで、麦茶に含まれる代表的なミネラルを4つご紹介します。

マグネシウム

筋肉や神経の働きを正常に保つために欠かせないミネラルで、リラックス作用や血圧の安定にも関わります。

麦茶に含まれるマグネシウムは微量ですが、こまめな摂取で、健康をサポートします。

カリウム

体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、むくみの解消や高血圧予防に効果があります。

麦茶にはカリウムが豊富に含まれており、デスクワークや立ち仕事が多い方におすすめです。

リン

カルシウムとともに骨や歯の形成を助けるミネラルです。

麦茶から摂れる量はごくわずかですが、日常の食事から比較的摂りやすい栄養素でもあるため、過剰摂取にならないようバランスが大切です。

ナトリウム

体内の水分バランスや血圧を調整するために必要なミネラルです。

麦茶にはごく微量しか含まれていませんが、発汗によって失われやすい成分でもあります。麦茶単体では不足する可能性があります。

参考:麦茶の効能と栄養|飲みすぎるとデメリットがある?アレルギーは?|かわしま屋

麦茶のミネラルがもたらす5つの効能

麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶には、マグネシウムやカリウムなど、水溶性のミネラルが含まれており、日常的な摂取で体に嬉しいさまざまな働きをもたらします。

ここでは、麦茶のミネラルがもたらす次の5つの効能をご紹介します。

  • 深煎りで煮出し時間の長い麦茶は血流改善効果がある
  • 麦茶の香りは心と体をリラックスさせる働きがある
  • 歯の健康を保ちやすくなる(虫歯予防)
  • 抗酸化作用で老化防止や生活習慣病対策につながる
  • 体温低下を防いでくれる(冷え予防)

深煎りで煮出し時間の長い麦茶は血流改善効果がある

麦茶には、「アルキルピラジン」という成分が含まれています。

アルキルピラジンは、麦茶の香ばしさの素となる成分で、コーヒーやココアなどにも含まれる成分です。

この成分は、血流を促進する働きがあり、血行不良が原因の冷え性や肩こりの改善、代謝の活性化に役立つとされています。

なかでも、深煎りでしっかりと煮出した麦茶は、アルキルピラジンの抽出量が増えやすく、より高い健康効果が得られる可能性があります。

参考:香ばしさ成分が多い麦茶は血液サラサラ効果が高い、カゴメが臨床試験で確認|日経メディカル

麦茶の香りは心と体をリラックスさせる働きがある

麦茶の香りは、自律神経を整え、副交感神経を優位にする働きがあるとされており、緊張をほぐし、リラックスした状態をもたらす効果が期待できます。

また、麦茶に含まれるマグネシウムも神経の伝達を穏やかに保つ役割があり、イライラやストレスを軽減するサポートになります。

麦茶は寝る前のリラックスタイムや、仕事の合間のひと休みにも最適な飲み物です。

歯の健康を保ちやすくなる(虫歯予防)

麦茶に含まれるリンやカルシウムは、歯や骨を構成する大切なミネラルであり、歯の健康維持をサポートします。

また、麦茶には抗酸化作用で知られる「ポリフェノール」と、焙煎によって生まれる褐色成分の「メラノイジン」も含まれており、虫歯の進行を抑える効果も期待できます。

市販の甘い清涼飲料やスポーツドリンクと比べて糖分や酸のダメージが少ない麦茶は、子どもから大人まで家族みんなの虫歯予防に安心して取り入れられる、歯の健康を守る優秀な飲み物です。

抗酸化作用で老化防止や生活習慣病対策につながる

麦茶には、ミネラル成分に加えてポリフェノールなどの抗酸化物質が含まれています。

ポリフェノールの主な成分としては、「カテコール」や「ゲンチシン酸」があり、どちらも体内の活性酸素を取り除く働きがあり、美容や健康の維持に役立ちます。

抗酸化作用といえば、緑茶に多く含まれる「カテキン」がよく知られていますが、麦茶はカフェインを含まないため、小さなお子さんから高齢の方まで安心して飲める、日常使いに適した飲み物です。

体温低下を防いでくれる(冷え予防)

夏になると「体を冷やす飲み物」として、麦茶を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、冷えを防ぐ働きもあります。

その理由のひとつが、麦茶に含まれる「ジペプチド」という成分です。

ジペプチドは、2つのアミノ酸が結びついた構造をしており、血液の量を増やして体温を一定に保つ働きがあるといわれています。

ホットで飲めば、さらに温め効果が高まるため、季節を問わず体を内側からケアする習慣として麦茶を活用してみてください。

参考:夏に美味しい麦茶の効能7選|飲用時の注意点もあわせて紹介|ふるさと納税DISCOVERY

麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶は、暑い夏の時期にカフェインや糖分を含まない優れた水分補給の手段です。とはいえ、本記事で紹介したミネラルを含んでいるものの、欠乏状態を補うには濃度が不十分であることも事実です。

食事や飲み物から摂れるマグネシウムのようなミネラルは、「少しずつでも積み重ねが大切」とはよく言われますが、筋肉の痙攣(けいれん)、エネルギー不足、気分の変動といった欠乏症状が現れはじめた場合には、経口および経皮のサプリメントを併用することも賢明な選択です。

麦茶と他の飲み物の成分を比較してみよう

麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶が健康に良い飲み物であることは分かっても、他のお茶や清涼飲料と比較すると、どうなのでしょうか。

以下表は、麦茶と緑茶・水・スポーツドリンクのミネラル成分やカロリー、カフェインの有無を比較したものです。

【麦茶・緑茶・水・スポーツドリンクの成分比較表(100g当たり)】

飲み物ミネラル成分カロリーカフェイン有無
麦茶カリウム、リンなど約1kcal
緑茶(玉露)マグネシウム、カリウムなど約5kcal
マグネシウム、カルシウムなど(製品によって異なる)0kcal
スポーツドリンクナトリウム、カリウムなど(製品によって異なる)約21kcal

麦茶は、ノンカフェインで低カロリーなうえ、マグネシウムやカリウムなどのミネラルを自然に摂れるのが大きな特長です。

一方、緑茶はカフェインを含むため、就寝前や妊娠中は注意が必要です。

また、スポーツドリンクはナトリウムや糖分が豊富で、日常的に飲むには糖分過多になる可能性があります。

水はもっともシンプルな水分補給手段ですが、ミネラルはほとんど含まれていない場合が多いため、必要に応じて他の飲み物と併用するのをおすすめします。

参考:栄養計算アプリ|Ulabel

麦茶を飲む際に気をつけたい4つのこと

麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶は、いくら体に良いとされていても、飲み方によっては逆効果になってしまう場合もあります。

ここでは、麦茶をより安全に、効果的に摂取するために知っておきたい次の4つの注意点をご紹介します。

  • 体内のナトリウム不足に注意する
  • できるだけ早く飲み切る
  • 冷たい麦茶の摂りすぎは胃腸の冷えにつながる
  • アレルギー体質の場合は少量から飲んで様子を見る

それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。

体内のナトリウム不足に注意する

麦茶は利尿作用があり、暑い季節には水分補給に適していますが、ナトリウムをあまり含んでいないため、大量に摂取すると体内のナトリウム濃度が下がる場合があります。

とくに、夏場などで汗を大量にかいた後に麦茶ばかりを飲んでいると、必要なナトリウムまで排出されてしまい、体内の電解質バランスが崩れる可能性もあります。

麦茶を水分補給に活用する際は、梅干しや塩飴などでナトリウムも一緒に補うよう意識しましょう。

できるだけ早く飲み切る

麦茶は無添加で自然由来の飲み物ですが、その分、傷みやすいという特徴もあります。

麦茶を煮出した後、常温で放置してしまうと、細菌の繁殖が進み、見た目やにおいに変化が出る場合もあるため、冷蔵保存していたとしても、2日を目安に飲み切るのが理想です。

安心して飲み続けるためにも、保存方法と飲み切るタイミングには注意しましょう。

冷たい麦茶の摂りすぎは胃腸の冷えにつながる

暑い季節になると、冷たい麦茶をゴクゴク飲みたくなりますが、冷たい飲み物は内臓を直接冷やしてしまいます。

内臓が冷えると胃腸の働きが鈍くなり、食欲不振や下痢、腹痛といった不調を引き起こす可能性があります。

麦茶の飲み方1つで体調が変わるため、自分の体質や環境に合った温度で取り入れましょう。

とくに、女性や冷え性体質の方、小さなお子様は、常温またはホットで麦茶を飲むようにするのがおすすめです。

アレルギー体質の場合は少量から飲んで様子を見る

麦茶は大麦由来のため、大麦に対するアレルギーを持つ方には注意が必要です。

症状としては、肌のかゆみや発疹などが挙げられ、まれに重篤な反応が出る場合もあります。

初めて麦茶を飲む小さなお子様や、アレルギー体質の方は、まずは少量から試し、数時間様子を見ながら体に異変がないか確認しましょう。

体調に不安がある場合は、事前に医師へ相談しておくと安心です。

参考:夏に美味しい麦茶の効能7選|飲用時の注意点もあわせて紹介|ふるさと納税DISCOVERY

まとめ|麦茶は美味しくて健康的なミネラル補給源

麦茶のミネラル成分を深掘り!「5つの効能」と「水や緑茶との違い」を紹介

麦茶には、私たちの健康維持に欠かせないミネラルが含まれています。

また、ノンカフェイン・低カロリーという特長から、子どもから高齢の方まで幅広い世代が安心して飲めるのも大きな魅力です。

リラックス作用や冷えの予防、歯の健康維持、抗酸化作用など、体に嬉しい健康効果もたくさん期待できます。

麦茶を通して、美味しく健康的なミネラル補給を始めてみてはいかがでしょうか。