あなたの睡眠時間は7時間?8時間?理想の睡眠時間を徹底解説

あなたの睡眠時間は7時間?8時間?理想の睡眠時間を徹底解説

毎日きちんと寝ているつもりなのに、朝起きると疲れが残っていたり、逆に短めの睡眠でも元気に過ごせる日があったり…。

睡眠は健康の土台といわれますが、「何時間眠れば正解なのか」は人によって感じ方が違い、迷いやすいテーマでもあります。

7時間睡眠が良いのか、はたまた8時間睡眠が理想なのか、それとももっと必要なのか。

今回は、研究データや公的機関の情報をもとに、理想の睡眠時間について分かりやすく整理しながら解説します。

理想の睡眠時間が7〜8時間と言われる理由

理想の睡眠時間が7〜8時間と言われる理由

なぜ多くの専門家や研究で「7〜8時間の睡眠」が理想とされているのでしょうか。

そこには、健康リスクや体の回復、脳の働きといった観点から見た、はっきりとした理由があります。

はじめに、その根拠を一つずつ見ていきましょう。

健康リスクがもっとも低いのは7時間睡眠

多くの研究から、睡眠時間と健康リスクには明確な関係があることがわかっています。

中でも興味深いのが、110万人を超える男女を約6年間追跡した米国での大規模調査です。

この研究では、睡眠時間と死亡リスクを比較した結果、1日あたり7時間睡眠の人が最も死亡率が低く、長寿につながりやすいことが示されました。

睡眠時間がこれより短い場合はもちろん、長すぎる場合でも死亡リスクや生活習慣病のリスクが高まる傾向が見られています。つまり、たくさん寝れば安心というわけではなく、適度な睡眠時間を保つことが重要だと考えられます。

厚生労働省が示す「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、成人の睡眠時間は6時間以上を一つの目安としつつ、複数の調査研究から7時間前後の睡眠が、生活習慣病やうつ病、死亡に至る危険性が最も低いとされています。

これより短い睡眠、あるいは長い睡眠はいずれも、健康リスクを高める可能性があることがうかがえます。

ただし、適正な睡眠時間には個人差があることも忘れてはいけません。

6時間未満でも十分に回復できる人がいれば、8時間以上必要な人もいます。年齢や日中の活動量を考慮すると、20〜59歳の成人では8時間より1時間程度長い睡眠時間も適正範囲と考えられる場合もあります。

米国の主要な睡眠研究者による共同声明でも、6〜8時間を基本としながら、成人では長めの睡眠、高齢者では短めの睡眠も許容されるとされています。

このように、7時間睡眠は多くの人にとって健康リスクがもっとも低くなりやすい中心値であり、そこから前後の範囲で自分に合った睡眠時間を探していくことが大切です。

出典:最適な睡眠時間って何時間?大塚製薬

出典:良い睡眠の概要(案)|厚生労働省

心身の修復に必要な時間を確保できる

私たちの体と心は、眠っている間に静かにメンテナンスされています。

日中に受けた疲労やダメージを回復させ、翌日に備えるためには、ある程度まとまった睡眠時間が欠かせません。

その目安として考えられているのが、7〜8時間の睡眠です。

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、筋肉や皮膚、内臓などの細胞修復が進みます。成長ホルモンは子どもの成長だけでなく、大人にとっても疲労回復や代謝の維持、老化の進行を緩やかにする働きに関わっています。

特に、眠り始めの深い睡眠の時間帯に多く分泌されるため、睡眠時間が短いと十分な量が確保できません。

また、免疫機能の維持やバランスにも睡眠が大きく関与しています。

睡眠不足が続くと、体内の免疫バランスが乱れ、風邪をひきやすくなったり、炎症が起こりやすくなったりすることが知られています。

反対に、適切な睡眠時間を確保できていると、免疫細胞が正常に働きやすくなり、体調を安定させる助けになります。

メンタル面でも睡眠は重要です。

睡眠中には、感情や記憶の整理が行われ、ストレスに対する耐性が整えられます。

睡眠が不足すると、イライラしやすくなったり、気分の落ち込みを感じやすくなったりするのは、この調整がうまくいかなくなるためです。

7〜8時間という睡眠時間は、こうした体と心の修復が一通り行われるための、現実的でバランスの良い目安といえるでしょう。

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グリンパティックシステムが働きやすい

睡眠時間が7〜8時間あると良いとされる理由の一つに、脳の老廃物を排出する仕組みが十分に働きやすくなる点があります。

これが「グリンパティックシステム」と呼ばれる脳内の浄化機能です。

私たちの脳は、日中に思考や判断、感情の処理を行うことで、少しずつ老廃物をため込んでいきます。

グリンパティックシステムは、主に睡眠中、特に深い眠りの時間帯に活発になり、脳脊髄液の流れによってこれらの老廃物を洗い流す役割を担っています。

起きている間よりも、眠っている間の方が脳内の掃除が進みやすいと考えられているのです。

睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりすると、深い睡眠の時間が十分に確保できず、このシステムがうまく働きません。

その結果、脳の疲労感が抜けにくくなったり、集中力や判断力の低下につながったりすることがあります。

7〜8時間の睡眠をとることで、深い眠りの時間が確保されやすくなり、グリンパティックシステムが本来の働きを発揮しやすくなります。

朝起きたときに頭がすっきりしないと感じる場合は、睡眠時間だけでなく、脳の休息が足りているかどうかという視点で睡眠を見直してみるのがおすすめです。

参考サイト:第36回 脳内の老廃物排除の仕組み:グリンパティックシステム|日本脳科学関連学会連合

自分に合った睡眠時間の見極め方

自分に合った睡眠時間の見極め方

理想の睡眠時間が7〜8時間と言われていても、それがそのまま自分に当てはまるとは限りません。

睡眠には年齢や体質、生活リズムなどによる個人差があり、「何時間寝れば調子がいいか」は人それぞれ異なります。

以下は、一般的に推奨されている「年代別の推奨睡眠時間」を表す一覧表です。

年代推奨睡眠時間
乳幼児(0〜5歳)12〜16時間(昼寝含む)
小学生(6〜12歳)9〜12時間
中高生(13〜18歳)8〜10時間
成人(18〜64歳)7〜9時間
高齢者(65歳以上)7〜8時間

出典:年代別の推奨睡眠時間|厚生労働省認定国家資格者 メディカルジャパン立川

この表はあくまで集団平均の目安で、実際に自分に必要な睡眠時間がどのくらいなのかは、実験的に計測するしかありません。

もっとも確実な方法は、静かに眠れる環境を用意し、最低でも3晩、可能であれば4晩連続して眠れるだけ眠り、自分にとってもっとも快適かつ心地良いと感じる睡眠時間を割り出すことです。

こうした実験を実践するのが難しい場合は、以下の5つの項目をベースに、自分に合う睡眠時間を設定してみましょう。

  • 朝すっきり起きられるか
  • 生活スタイル・仕事量に合っているか
  • 年齢による差異に配慮
  • 性別による差異にも配慮
  • 季節の影響も考慮

参考サイト:良質な睡眠で心と身体を健康に -日本人は睡眠不足!?-|厚生労働省

朝すっきり起きられるか

自分に合った睡眠時間かどうかを判断する上で、もっともわかりやすいのが「朝の目覚め」です。

目覚まし時計が鳴る前に自然と目が覚める、起きた直後から頭がはっきりしている、布団から出るのがそれほどつらくないと感じる場合、その睡眠時間が体に合っている可能性は高いでしょう。

反対に、何度もアラームを止めて二度寝や三度寝をしてしまう、起きてからしばらく頭がぼんやりする、午前中から強い眠気を感じるといった状態が続く場合は、睡眠時間が足りていないか、眠りの質が十分でない可能性があります。

大切なのは、平日だけでなく休日の目覚め方も観察することです。

休日に目覚ましをかけずに起きたときの睡眠時間と体調を振り返ると、自分にとって必要な睡眠時間のヒントが見えてくるでしょう。

生活スタイル・仕事量に合っているか

必要な睡眠時間は、生活スタイルや仕事量によっても大きく変わります。

毎日どのように体や頭を使っているかを振り返ることは、自分に合った睡眠時間を見極める上で欠かせません。

たとえば、デスクワーク中心で身体的な負荷が比較的少ない人の場合、7時間前後の睡眠でも十分に回復できることがあります。

一方、立ち仕事や肉体労働、長時間の移動を伴う仕事、あるいは強い集中力や判断力を求められる業務が多い人は、体だけでなく脳の疲労も蓄積しやすく、8時間以上の睡眠が必要になる可能性が十分に考えられます。

また、残業が続いている時期や、繁忙期で精神的な緊張が強いときは、普段より多くの回復時間が必要になります。

「以前はこの睡眠時間で問題なかったのに、最近はつらい…」と感じる場合は、生活環境や仕事量が変化していないかを見直してみましょう。

年齢による差異に配慮

先の一覧表からもわかるように、睡眠に必要な時間は、年齢とともに少しずつ変化していきます。

そのため、「若いころと同じだけ眠れない」「以前ほど長く寝なくても平気になった」と感じるのは、決して珍しいことではありません。

一般的に、子どもは成長や発達のために多くの睡眠を必要とします。

思春期を過ぎ、25歳前後になると睡眠時間は徐々に落ち着き、いわゆる大人の睡眠リズムに移行していきます。

その後は年齢を重ねるにつれて、必要な睡眠時間は少しずつ短くなる傾向があることが確認されています。

高齢になると、若いころほど長時間の睡眠を必要としなくなる一方、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあります。

その結果、「寝ている時間は長いのに熟睡感がない」と感じるケースも珍しくありません。

大切なのは、年齢ごとの平均値に無理に合わせることではなく、今の年齢で自分の体調が安定しているかどうかをしっかりと見極めることです。

性別による差異にも配慮

適切な睡眠時間は、性別にも影響を受けます。

特に女性は、ホルモンバランスの影響を受けやすく、睡眠の質や必要な睡眠時間が変化しやすい傾向があります。

たとえば月経周期に伴うホルモン変動により、眠気が強くなる時期があったり、寝つきが悪くなりやすかったりといった具合です。

また、妊娠や出産、更年期といったライフステージの変化によっても、睡眠リズムは大きく影響を受けます。

そのため、いつもと同じ生活をしていても、男性より睡眠不足の影響が体調や気分に表れやすい傾向があるのです。

もちろん、男性も仕事によるストレスや生活習慣の乱れが続くと、睡眠の質が低下しやすくなります。

自覚のないまま睡眠不足が積み重なり、日中の集中力低下や体調不良に悩まされるケースも少なくありません。

性別による傾向はあくまで一般論ですが、「これくらいで大丈夫」と決めつけず、体調や気分の変化を慎重に観察することが大切です。

季節の影響も考慮

睡眠時間は一年を通して一定ではなく、季節によっても自然に変化します。これは、日照時間の長さと私たちの体内リズムが深く関わっているためです。

一般的に、秋から冬にかけて日照時間が短くなると、眠気を促すホルモンの分泌が高まりやすくなり、睡眠時間が長くなる傾向があります。

特に、日の短い12月から1月にかけては、普段よりも長く眠りたくなる人が多い時期です。

一方で、春から夏にかけて日照時間が長くなると、体は活動的なリズムに切り替わりやすく、睡眠時間はやや短くなります。

6月から7月の初夏にかけては、睡眠時間がもっとも短くなりやすいことも報告されています。

このような季節による変化は、異常ではなく自然な反応です。

「最近よく眠くなる」「冬になると朝起きづらい」と感じる場合は、季節の影響を受けている可能性があります。

季節ごとの体調や眠気の変化を理解した上で、その時期に合った睡眠時間を意識してみましょう。

参考サイト:最適な睡眠時間って何時間?|大塚製薬

自分の体質を見極めよう

睡眠時間には、年齢や生活習慣だけでなく、生まれつきの体質も大きく関わっています。いわゆる「ショートスリーパー」や「ロングスリーパー」と呼ばれる体質があることからもわかるように、必要な睡眠時間は人それぞれです。

自分の体質を知るためには、睡眠時間と日中の体調をセットで観察することが大切です。

十分に眠った日の体の軽さや集中力、逆に眠りが足りなかった日の不調を意識的に振り返ることで、自分にとって心地よい睡眠時間が見えてきます。

睡眠は努力で無理に型にはめるものではなく、自分の体質に寄り添って整えていくものです。

体が発するサインを優しく受け取りながら、自分に合った睡眠リズムを見極めていきましょう。

参考サイト:最適な睡眠時間って何時間?|大塚製薬

アレックス先生
アレックス先生

快適な睡眠を実現する上で欠かせないのが「運動」です。

睡眠の質を向上させるには運動がとても重要ですが、意外と見落とされがちな要素でもあります。

多忙な現代人は特に運動を嫌う傾向がありますが、その主な理由として次のようなものがあげられます。

  • 疲れていて運動する気になれない
  • 忙しくて運動する時間がない
  • そもそも運動が嫌い
  • 汗をかくのが苦手

しかし、「運動」といっても、必ずしもランニングやウエイトトレーニングのような激しい運動である必要はありません。大切なのは、少しでも体を動かす習慣です。

もっとも手軽で効果的なのが、15〜20分の散歩です。

朝日を浴びながらの散歩を習慣にできると理想的です。

新鮮な空気を吸いながら日光を浴びることで、心身の健康の両面に良い影響をもたらします。

たとえば、通勤している方であれば、電車を1駅手前で降りて歩くのも簡単に取り組みやすい方法です。

駅まで歩くのも良い習慣になります。

こうした習慣を取り入れることで、睡眠が深くなり、思考がクリアになり、気分も安定しやすくなります。

8時間以上の睡眠の影響

8時間以上の睡眠の影響

睡眠は長ければ長いほど良いと思われがちですが、実は8時間を大きく超える場合にも注意が必要です。

ここからは、8時間以上眠ることで起こり得る影響や、その背景にある原因について見ていきましょう。

過眠のリスク

睡眠時間が極端に長くなる「過眠」は、一見すると体に良さそうに感じられますが、実際にはいくつかの健康リスクと関連することがわかっています。

国立がん研究センターのプロジェクトによる調査では、7時間睡眠の人と比べて、10時間以上眠る人は死亡全体のリスクが高くなる傾向が報告されています。

具体的には、男性で約1.8倍、女性で約1.7倍とされており、長時間睡眠が必ずしも健康につながるわけではないことが示唆されています。

過眠が続くと、日中の活動量が低下しやすくなり、運動不足や生活リズムの乱れにつながることがあります。

また、長く寝ても疲れが取れない、頭がすっきりしないといった状態が続く場合、体や脳が十分に回復できていない可能性も考えられます。

重要なのは、「眠り過ぎていること」そのものより、その背景に何が隠れているかです。

過眠は体調不良や病気のサインとして現れることもあるため、単に睡眠時間を削れば良いという問題でもありません。

長時間眠っても回復感が得られない状態が続く場合は、一度立ち止まって自分の睡眠や体調を見直すことが大切です。

出典:睡眠時間と死亡リスクとの関連について|国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト

過眠の原因

過眠が起こる背景には、さまざまな原因が考えられます。

単に「寝過ぎている」のではなく、体や生活環境に何らかの要因が隠れている場合も少なくありません。

過眠の原因詳細
睡眠不足睡眠不足症候群、長時間睡眠者
睡眠環境睡眠に適さない音、光、温度、湿度、寝具など
摂取物質アルコール、カフェイン離脱、抗アレルギー薬、睡眠薬など
身体疾患花粉症、脳血管疾患、頭部外傷、全身性炎症疾患、甲状腺機能低下症など
精神疾患抑うつ気分、不眠症、うつ病、双極性障害など
その他の疾患睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害
ストレス緊張感、不安
中枢性過眠症ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症(クライネ-レビン症候群)
生活リズムの乱れ時差ぼけ(ジェットラグ)、交代勤務、睡眠・覚醒相後退障害など

過眠の原因としてもっとも典型的なのが、慢性的な睡眠不足です。

平日に十分な睡眠が取れていないと、休日に長時間眠ってしまうことがあります。

これは体が睡眠負債(※)を返そうとしている状態で、結果的に過眠のように見えることがあります。また、生まれつき長時間睡眠を必要とする体質の人もいます。

※毎日の睡眠不足が借金のように蓄積され、心身に悪影響を及ぼす慢性的な状態のこと

睡眠環境も過眠の主な要因のひとつです。

寝室の音や光、室温や湿度、寝具が体に合っていないと、眠っている時間が長くても睡眠の質が低下し、結果として「まだ眠い」「もっと寝たい」と感じやすくなります。

摂取している物質の影響も無視できません。

たとえばアルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠を浅くしやすく、長時間寝ても疲れが取れない原因になります。

また、カフェインの離脱や、抗アレルギー薬、睡眠薬などの薬剤が眠気を強めることもあります。

身体的な疾患が原因となる例では、花粉症による鼻づまり、脳血管疾患や頭部外傷の既往、全身性の炎症疾患、甲状腺機能低下症などがあげられます。

精神的な要因としては、抑うつ気分や不眠症、うつ病、双極性障害などが代表的です。

そのほか、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、周期性四肢運動障害といった睡眠関連疾患、中枢性過眠症であるナルコレプシーや特発性過眠症、反復性過眠症などが原因となるケースもあります。

さらに、時差ぼけや交代勤務による生活リズムの乱れ、強いストレスや緊張、不安も過眠につながる要因です。

過眠が続く場合は、単なる寝不足や疲れと決めつけず、生活習慣や体調、睡眠環境を幅広く見直すことが大切です。

参考サイト:昼間の眠気 – 睡眠不足だけではなく睡眠・覚醒障害にも注意が必要|厚生労働省

参考サイト:しっかり寝ても眠い……これって過眠症?|社会福祉法人 恩賜財団済生会

睡眠不足のリスク

睡眠不足のリスク

十分な睡眠が取れない状態が続くと、体や心には少しずつ負担が蓄積していきます。

ここからは、睡眠不足が引き起こしやすい代表的なリスクについて見ていきましょう。

集中力・記憶力の低下

睡眠不足が続くと、はじめに影響が出やすいのが集中力や記憶力です。

脳は睡眠中に情報の整理や定着を行っていますが、十分な睡眠が取れないと、この働きがうまく進まなくなります。

その結果、仕事や勉強でのケアレスミスが増えたり、人の話が頭に入りにくくなったりするのです。

また、新しく覚えたことが定着しにくくなり、「昨日覚えたはずなのに思い出せない」と感じる場面も増えやすくなります。

さらに、睡眠不足の状態では判断力や反応速度も低下しやすくなります。

これは、脳が完全に休息できていないためで、日常生活だけでなく、運転や重要な判断を伴う場面では思わぬ事故やトラブルにつながる可能性もあります。

免疫力低下

私たちの体は、眠っている間に免疫細胞の働きを整え、外から侵入するウイルスや細菌に備えています。

しかし、十分な睡眠が取れない状態が続くと、この調整がうまくいかなくなります。

その結果、風邪や感染症にかかりやすくなったり、治りにくくなったりするのです。

また、体内で炎症を抑える働きが弱まり、だるさや不調を感じやすい体質になることもあります。

忙しい時期に体調を崩しやすい人は、睡眠不足の影響を疑ってみましょう。

肥満・生活習慣病リスクの上昇

睡眠が不足すると、食欲を高めるホルモンの分泌量が増え、満腹感を伝えるホルモンが減少しやすくなります。

その結果、必要以上に食べてしまったり、甘いものや脂っこいものを欲しやすくなったりといった状態になりやすくなります。

また、夜更かしによって食事の時間が遅くなることも、体重増加の一因になります。

さらに、睡眠不足は血糖値や血圧のコントロールにも影響を与えます。

インスリンの働きが低下しやすくなり、血糖値が上がりやすくなるほか、交感神経が優位な状態が続くことで血圧が高くなりやすいことも知られています。

こうした状態が積み重なることで、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクが高まるのです。

参考サイト:睡眠と生活習慣病との深い関係|厚生労働省

理想の睡眠時間を実現するために

理想の睡眠時間を実現するために

理想の睡眠時間とされている7〜8時間を安定して確保するためには、単に早く布団に入るだけでは十分でない場合があります。

大切なのは、限られた睡眠時間の中で、どれだけ深く、質の良い眠りを得られるかという視点です。

睡眠時間と睡眠の質は切り離せない関係にあり、質が整ってこそ、時間の価値が生きてきます。

たとえば、スマートフォンやパソコンなど、入眠を妨げるブルーライトを避けるといった入眠までの過ごし方や、照明を落としたりハーブティーなどでリラックスタイムを過ごしたりといった工夫は、スムーズな入眠をサポートするおすすめの習慣です。

睡眠の質を向上するための具体的な方法については、「睡眠不足・寝不足で起こる症状とは?今すぐできる対策10選(※リンク先記事を公開後にここから発リンク処理をお願いします)」で詳しく解説しています。

今日から始められる10個の手軽な対策を紹介しているので、入眠の質を高めたい人はぜひこちらも併せてご覧ください。

関連記事:睡眠不足・寝不足で起こる症状とは?今すぐできる対策10選

まとめ|理想の睡眠時間は「あなたに合う7〜8時間」

まとめ|理想の睡眠時間は「あなたに合う7〜8時間」

多くの研究から、7〜8時間の睡眠が健康リスクを抑え、心身の回復や脳の働きを支えやすいこと示されています。

ただし、これはあくまでも「多くの人に当てはまりやすい目安」であり、すべての人に同じ時間が最適とは限りません。

本記事で紹介したように、適切な睡眠時間は年齢や性別、体質、生活スタイル、季節など、さまざまな要因によって変化します。

また、睡眠は時間だけでなく質も重要であることも、併せて押さえておきたいポイントです。

入眠前の過ごし方や睡眠環境を整えることで、同じ睡眠時間でも回復感は大きく変わります。

完璧を目指すのではなく、今の生活の中で無理なく続けられる睡眠リズムを作っていくことが、健康維持の秘訣です。

「何時間寝るか」ばかりにとらわれるのではなく、「自分にとって心地良い睡眠がとれているか」「日中、調子良く過ごせているか」を基準に睡眠と向き合っていきましょう。

熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック 熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック