毎日の洗濯では、部屋干しの生乾き臭や洗剤の残り香、さらに洗濯槽のカビやぬめりといった悩みがつきものです。
そんな悩みを解決する家庭の洗濯方法として「マグネシウムを使った洗濯」が注目されています。
マグネシウム洗濯は、洗濯洗剤の代わりに「マグネシウム粒」と呼ばれる小さな金属粒が、水に触れることで特別な働きをし、汚れや臭いを落とすサポートをしてくれます。
また、マグネシウム粒は繰り返し使えるため洗剤代の節約にもなり、環境にもやさしいのが大きな特徴です。
本記事では、マグネシウム洗濯の仕組みや効果と使用方法、さらには「危険」といわれる理由まで、詳しく解説します。
今の洗濯事情に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
マグネシウムで洗濯してもいいの?

通常の洗濯では、洗剤を入れて洗濯する方法が一般的ですが、最近ではマグネシウムを活用した洗濯方法が家庭で取り入れられるようになっています。
ここで、マグネシウム洗濯の仕組みや実際にどんな汚れに強いのかをみていきましょう。
マグネシウム洗濯で汚れが落ちるのはなぜ?
マグネシウム洗濯に使われるマグネシウム粒は、水と反応して水素を発生させ、同時に水を弱アルカリ性(弱アルカリイオン水)に変化させます。
この弱アルカリイオン水には、皮脂やたんぱく質など酸性寄りの汚れを中和・分解する作用があります。
つまり、水自体が洗浄力を持つ状態になり、強い界面活性剤が使われている市販の合成洗濯洗剤などに頼らなくても汚れを落とすことが可能です。
さらに、水素の発生には抗菌作用があり、臭いの原因となる雑菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
マグネシウム洗濯で落とせる汚れの種類
マグネシウム洗濯は、日常的に衣類に付着する軽度な汚れに効果を発揮します。
代表的な汚れは次のとおりです。
- 汗による汚れ
- 皮脂汚れ
- 肌に直接触れる衣類(Tシャツ・下着・寝具など)につく汚れ
また、マグネシウム洗濯は上記の汚れを落とすだけでなく、部屋干しの際に気になる生乾き臭を軽減できるのも特徴です。
さらに、洗濯槽内の雑菌繁殖を抑え、黒カビやぬめりを予防する効果もあります。
ただし、泥汚れや調理油などの頑固な汚れはマグネシウム粒だけでの洗濯が不十分な場合があります。
参考:株式会社エコリング|節水節約!洗濯洗剤の代わりに使えるマグネシウム粒とは
マグネシウムで洗濯するやり方・方法

マグネシウム洗濯は、専用のマグネシウム粒をネットに入れて洗濯槽へ入れるだけという、とてもシンプルな方法です。
ここでは、マグネシウム洗濯の効果をしっかり引き出すためのポイントを解説します。
洗濯1回あたりに必要なマグネシウム粒の目安
マグネシウム洗濯では、洗濯機の水量に合わせた適量なマグネシウム粒の使用が、効果を高めるポイントです。
マグネシウム粒の量が少なすぎると十分なアルカリ性の水が作れず、洗浄力が弱まってしまいます。
以下表に、一般的な洗濯機で使用するマグネシウム粒の目安量をまとめました。
【1回の洗濯で必要なマグネシウム粒の目安量】
洗濯機の水量 | 洗濯物の目安重量 | マグネシウム粒の目安量 | 備考 |
---|---|---|---|
約45L | 約5kg | 100g〜150g | 中容量の洗濯におすすめ |
約60L | 約7kg | 150g〜200g | 大容量洗濯機では多めに入れると効果的 |
それ以上 | 約9kg以上 | 200g以上 | 洗濯物の量や汚れ具合に応じて調整 |
参考:株式会社エコリング|節水節約!洗濯洗剤の代わりに使えるマグネシウム粒とは
使用する洗濯機のサイズや洗濯物の汚れ具合によっても最適な量は変わるため、最初はやや多めに入れて調整すると効果が期待できます。
ただし、マグネシウム粒を入れすぎても洗浄力が倍増するわけではないため、上限を意識しながら量を調整しましょう。
マグネシウム粒の入れ方と専用ネットの使い方
マグネシウム粒はそのまま入れると散らばって洗濯物を傷つけたり、排水口に流れ出したりする恐れがあるため、必ず専用ネットに入れてから使用します。
専用ネットは目の細かいメッシュ素材で、しっかりと口が閉じられるものを選びましょう。
また、専用ネットの大きさはマグネシウムの量に合わせ、洗濯槽内でよく動くサイズが理想です。
最初は、市販の専用ネット付き製品などが扱いやすく、取り入れやすいでしょう。
洗濯後のマグネシウム粒のメンテナンス方法
洗濯後、水分を含んだままのマグネシウム粒を放置すると酸化膜がつきやすく、黒ずみや劣化の原因となり、洗浄力が低下します。
マグネシウム粒の劣化を防ぐため、洗濯後は軽く水ですすぎ、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。
また、1〜2週間に一度クエン酸水に浸して洗浄すると、表面の酸化膜が除去されて再び高い効果を発揮できます。
マグネシウム粒の使用サイクルと交換の目安
マグネシウム粒は繰り返し使えますが、少しずつ表面が酸化し、粒そのものも小さくなっていきます。
マグネシウム粒が目に見えて小さくなったり、クエン酸で洗っても黒ずみが取れなくなったときが交換のタイミングです。
マグネシウム粒の効果が落ちてきたら無理に使い続けず、適切なタイミングで入れ替えましょう。
マグネシウム洗濯で実感できる3つの効果

マグネシウム洗濯は、自然の力を利用して「洗浄・除菌・消臭」まで期待できる多機能な洗濯方法です。
マグネシウム洗濯の代表的な効果には、次の3つがあります。
- 洗濯槽のカビやぬめりを予防する効果
- 部屋干しや生乾き臭を抑える効果
- 肌や衣類に優しく洗剤代も節約できる効果
それぞれの効果について、詳しくみていきましょう。
洗濯槽のカビやぬめりを予防する効果
マグネシウム粒が水と反応して作り出す弱アルカリイオン水には、雑菌やカビの繁殖を抑える働きがあります。
洗濯槽は湿気や洗剤カスが残りやすく、放置すると黒カビやぬめりの温床になってしまいますが、マグネシウム洗濯の継続でその発生を防ぎやすくなります。
定期的な洗濯槽クリーナーに頼らず、自然に清潔な状態を保ちやすくなるため、「気が付いたら洗濯槽からカビ臭がする」「ぬめりが気になる」といった悩みを持つ人にとっては、日々の洗濯そのものが洗濯槽の掃除代わりになるという点も魅力です。
部屋干しや生乾き臭を抑える効果
部屋干しで最も気になるのが、乾ききらないときに発生する「生乾き臭」です。
生乾き臭の主な原因は、湿気の多い環境での雑菌の増殖にあります。
マグネシウム粒と水が作り出す弱アルカリイオン水は、こうした雑菌の繁殖を抑える働きがあるため、洗濯物を部屋干ししても嫌な臭いが出にくくなります。
消臭スプレーや強力な柔軟剤に頼らず自然に臭いを防げる点は、敏感肌の方や小さな子どもがいる家庭にも安心です。
肌や衣類に優しく洗剤代も節約できる効果
マグネシウム洗濯は、化学洗剤に頼らず、自然由来の弱アルカリイオン水で衣類を洗うため、敏感肌の人や子どもの衣類にも安心して使えます。
また、繰り返し使えるため経済的で、毎日の洗濯にかかる洗剤代を大幅に節約できます。
さらに、衣類の繊維を傷めにくいことから、お気に入りの服を長持ちさせやすいなど、衣類にも優しい洗濯方法です。
参考:最上エコポリス|マグネシウム洗濯が危険って本当?メリット・デメリットから効果的な使い方までご紹介!
マグネシウム洗濯のメリット3選

マグネシウム洗濯は「洗剤の代わりになる」以外にもいくつかのメリットがあります。
マグネシウム洗濯の効果を実感しやすい主なメリットは、次の3つです。
- 衣類の色落ちや生地の傷みを抑えられる
- 繰り返し使えるマグネシウム粒で洗剤代を大幅に節約できる
- 化学成分による排水を減らせるため環境に優しい
ここで、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
衣類の色落ちや生地の傷みを抑えられる
市販の合成洗剤には強力な界面活性剤が含まれており、汚れをしっかり落とす一方で衣類の繊維に負担をかけやすいなどのデメリットがあります。
一方、マグネシウム洗濯は弱アルカリイオン水を利用して汚れを落とすため、強い界面活性剤に頼らずに洗えるのが特徴です。
そのため、生地の色落ちやダメージを抑え、デリケート素材の衣類も長持ちしやすくなります。
日常的に着るTシャツや、柔らかさを保ちたい下着や寝具などには特に効果を実感できるでしょう。
繰り返し使えるマグネシウム粒で洗剤代を大幅に節約できる
近年は水処理技術が進んでいるとはいえ、市販の合成洗剤に含まれる界面活性剤や蛍光増白剤などの化学物質は、排水として河川や海に流れ出すと環境に影響を与える場合があります。
マグネシウム洗濯を取り入れれば、化学物質の排出を大幅に減らせるため、毎日の洗濯がそのまま環境負荷の軽減につながります。
毎日のマグネシウム洗濯が、気づかないうちに環境へのやさしい取り組みにつながります。
参考:最上エコポリス|マグネシウム洗濯が危険って本当?メリット・デメリットから効果的な使い方までご紹介!

マグネシウム洗濯のデメリット3選

マグネシウム洗濯には環境面や節約といった多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
マグネシウム洗濯の主なデメリットは、次の3つです。
- 低水温や水質によっては洗浄力が落ちる場合がある
- マグネシウム粒の定期的なメンテナンスが必要
- 泥汚れや油汚れなどのひどい汚れは洗濯洗剤との併用が必要
ここで、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
低水温や水質によっては洗浄力が落ちる場合がある
マグネシウム洗濯は、水とマグネシウムが反応して作られる弱アルカリイオン水によって、洗浄効果を発揮します。
しかし、この弱アルカリイオン水は水温や水質に左右されやすい特徴があり、冬場の冷水洗濯や硬水地域では、汚れ落ちに差が出やすいため注意が必要です。
冬場の冷水洗濯では弱アルカリイオン水が生成されにくいため、十分な洗浄力を感じにくく、硬水の地域ではカルシウムなどの成分が邪魔をして、洗浄効果が発揮されにくいケースがあります。
その場合は、ぬるま湯での洗濯や少量の洗剤を併用するのがおすすめです。
マグネシウム粒の定期的なメンテナンスが必要
マグネシウム粒は繰り返し使用できますが、長く使ううちに酸化して黒ずんだり、表面に洗濯槽内の汚れが付着して効果が下がります。
そのため、専用ネットから取り出して水洗いしたり、定期的にクエン酸で洗浄するなどのメンテナンスが欠かせません。
少し手間はかかりますが、このひと手間で洗浄効果を長持ちさせられます。
泥汚れや油汚れなどのひどい汚れは洗濯洗剤との併用が必要
マグネシウム洗濯は日常的な汗や皮脂などの軽い汚れには十分対応できますが、泥汚れや調理油のしみといった頑固な汚れには不向きです。
とくに子どもの外遊びでついた泥や、キッチンでの油はねなどはマグネシウム洗濯だけでは落ちにくく、部分洗い用の石けんや少量の洗剤を使う必要があります。
状況に応じて、洗濯方法を上手に併用すれば、経済性と洗浄力のバランスを取りつつも、衣類をしっかりと清潔に保てます。
参考:最上エコポリス|マグネシウム洗濯が危険って本当?メリット・デメリットから効果的な使い方までご紹介!
マグネシウム洗濯が「危険」といわれている2つの理由

マグネシウム洗濯はエコで肌にもやさしいと注目されていますが、一部では「危険」という声もあります。
その理由として、マグネシウムの持つ発火性のリスクと、体質によって起こり得る金属アレルギー問題が挙げられます。
ここでは、マグネシウム洗濯が危険とされている2つの問題について解説します。
発火性
マグネシウムは化学的に活性の高い金属で、とくに細かい粉末状になると燃えやすい性質があるため、取り扱いには注意が必要です。
しかし、洗濯で使用されるのは数ミリ程度の粒状のマグネシウムで、通常の家庭使用では発火の心配はほとんどありません。
ただし、使用を続けると粒が摩耗して小さくなり、粉に近い状態になるケースもあるため、長期間ため込んで乾燥した場所に放置しない、不要になった場合は自治体の分別ルールに従って廃棄しましょう。
金属アレルギー問題
マグネシウムは人体に欠かせない必須ミネラルで、通常の摂取や日常生活では安全性が高いとされています。
しかし、金属全般に敏感な体質の人には、ごくまれに肌に触れた際にかゆみや赤みなどのアレルギー反応が出る可能性もゼロではありません。
金属アレルギーの方はもちろん、敏感肌の方がマグネシウム洗濯で衣類を洗う際は、最初に少量から試し、もし異常を感じた場合はすぐに使用をやめましょう。
参考:最上エコポリス|マグネシウム洗濯が危険って本当?メリット・デメリットから効果的な使い方までご紹介!
マグネシウム洗濯でよくある質問

ここで、マグネシウム洗濯に関するよくある質問に答えていきます。
Q. 乾燥機の使用は可能?
A. マグネシウム粒は高温に弱いため、基本的には乾燥機に一緒に入れるのは避けましょう。
乾燥機の熱によってマグネシウム粒が急速に酸化し、黒ずんだりボロボロになって再利用できなくなる可能性があります。
Q.洗濯洗剤と一緒に使っても大丈夫?
A. はい、併用は可能です。
普段の軽い汚れならマグネシウム洗濯だけでも十分ですが、泥汚れや油汚れなど強い汚れが気になる場合は洗剤を加えるとより効果的です。
Q.マグネシウム粒は何回くらい使える?
A. 使用環境にもよりますが、一般的には約300回(3〜6か月)程度繰り返し使えます。
マグネシウム粒の摩耗や粒が小さくなると洗浄力が落ちるため、水に入れて反応が弱く感じられるようになったら交換の目安です。
まとめ|マグネシウム粒を取り入れて毎日の洗濯をもっとやさしく効率的に

マグネシウム洗濯は、衣類や肌にやさしいだけでなく、洗剤代の節約や環境への配慮にもつながる洗濯方法です。
もちろん、水温や水質によって洗浄力に差が出たり、マグネシウム粒のメンテナンスが必要になるなど注意点もありますが、正しく扱えば長く安心して使い続けられます。
マグネシウム洗濯を日常に取り入れ、家計や環境にやさしい「節約&エコな暮らし」を無理なく実践しましょう。