ショウガエキスは、生姜の根茎から特定の成分を抽出した素材です。
食品や飲料、サプリメントなどに使用されており、成分表示で「ショウガエキス」という名称を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ショウガエキスはよく見かけますが、普通の生姜と何が違うのでしょうか?
同じ生姜を原料としていても、加工方法によって含まれる成分や特徴には違いがあります。
取り入れる前に、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。
この記事では、ショウガエキスの特徴や期待される効果について解説します。
摂取方法や注意点についても取り上げるので、日々の健康管理に取り入れたい方は参考にしてください。
ショウガエキスの主な成分と特徴

ショウガエキスには、生姜特有の辛味や香りに関わるさまざまな成分が含まれています。
なかでも、ジンゲロールやショウガオールは代表的な辛味成分として知られています。
ここでは、ショウガエキスに含まれる主な成分と、それぞれの特徴について解説します。
ジンゲロール|生の生姜に多く含まれる辛味成分
ジンゲロールは、生の生姜に多く含まれる代表的な辛味成分です。
6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、10-ジンゲロールなどが存在し、なかでも6-ジンゲロールが主要な成分として知られています。
生姜特有の辛味に関わる一方、含有量は品種や産地、保存状態、加工・抽出方法などによって変化します。
ショウガエキスに含まれるジンゲロールの量も製品ごとに異なるため、商品を選ぶ際は成分表示を確認することが大切です。
ジンゲロールは、辛味だけに関係する成分なのでしょうか?
ジンゲロールは辛味成分として知られていますが、抗酸化・抗炎症作用などの生理活性についても研究されています。
詳しい働きについては、後ほど見ていきましょう。
ショウガオール|加熱や乾燥でジンゲロールから変化する成分
ショウガオールは、ジンゲロールが加熱や乾燥によって変化することで生成される辛味成分です。
ジンゲロールと同様に6-ショウガオール、8-ショウガオール、10-ショウガオールなど複数の種類があり、なかでも6-ショウガオールが代表的な成分として知られています。
生の生姜にはジンゲロールが多く含まれていますが、加熱や乾燥によって一部がショウガオールへ変化します。
生姜は、加熱や乾燥によって含まれる成分まで変わるのですね。
はい。加工方法によってジンゲロールとショウガオールの割合が変化するため、同じ生姜でも含まれる辛味成分の構成には違いが生じます。
ジンゲロンなどのその他の成分
ショウガエキスには、ジンゲロールやショウガオールのほか、ジンゲロンやパラドールなどの成分も含まれています。
ジンゲロンは、ジンゲロールが加熱などによって変化する過程で生じる成分の一つで、生姜特有の辛味や風味に関わっています。
パラドールも生姜由来の辛味成分として知られており、さまざまな生理活性について研究が進められている成分です。
さらに、生姜にはジンギベレンなどの精油成分も含まれており、独特の香りを生み出しています。
ショウガエキスと生姜・ショウガ末(生姜パウダー)の違い

ショウガエキスとショウガ末(生姜パウダー)は、どちらも生姜を原料としていますが、加工方法や成分の含まれ方に違いがあります。
ここでは、生姜とショウガ末の特徴を確認しながら、ショウガエキスとの違いについて解説します。
生の生姜との違い
生の生姜は、根茎をそのまま食品として利用するもので、水分や食物繊維、ミネラルなどさまざまな成分を含んでいます。
ショウガエキスは、生姜を原料として、水やエタノールなどを用いて成分を抽出した素材です。
製造方法によっては、抽出後に濃縮や乾燥などの工程が加わります。
すりおろした生姜を、そのままショウガエキスと呼ぶのかと思っていました。
ショウガエキスは、生姜から特定の成分を抽出して作られます。
そのため、すりおろした生姜とは製法や成分の含まれ方が異なります。
ショウガ末(生姜パウダー)との違い
ショウガ末(生姜パウダー)は、生姜を乾燥させたあと、粉末状に加工したものです。
市販品では「生姜パウダー」や「ジンジャーパウダー」などの名称で販売されることもあります。
ショウガ末が生姜そのものを乾燥・粉末化して作られるのに対し、ショウガエキスは生姜から成分を抽出して作られる点が大きな違いです。
ショウガ末とショウガエキスは、同じものと考えてもよいのでしょうか。
厳密には異なります。
製法が異なるため、含まれる成分の割合や濃度にも違いが生じます。
商品を選ぶ際は、原材料表示を確認すると見分けやすいでしょう。
ショウガエキスに期待される効果

生姜は古くから食生活に取り入れられており、現在では含有成分と健康との関係についても研究が進められています。
これまでに、ショウガエキスやショウガ由来成分などを用いたさまざまな研究が行われてきました。
ここでは、現在報告されている研究をもとに、ショウガエキスに期待される効果について解説します。
体を温める作用
生姜は、体を温める食材として古くから親しまれています。
冷えを自覚する健康な女性6名を対象とした試験では、0.07%のショウガエキスを含む飲料を摂取したところ、対照飲料と比べて手のひらの皮膚温上昇が長く維持されました。
この結果から、ショウガエキスには末梢の皮膚温を保つ働きが期待されています。
手のひらの温度が上がるということは、体全体の体温も上がるのでしょうか?
今回の研究で確認されたのは、手のひらの温度変化です。
体全体の体温が上がることとは少し違うため、分けて考えましょう。
吐き気や胃の不快感を和らげる可能性がある
生姜は、吐き気や胃の不快感との関係について多くの研究が行われています。
特に妊娠に伴う軽い吐き気や嘔吐については、生姜の摂取が役立つ可能性が報告されています。
また、特定のショウガエキスを用いた研究では、胃腸症状への作用も調べられています。
生姜由来成分で研究されている主な作用
前述のとおり、生姜にはジンゲロールやショウガオールなど、さまざまな成分が含まれています。
これらの成分については、抗酸化・抗炎症作用との関連をはじめ、月経痛や関節症状への作用など、さまざまな研究が進められています。
ただし、現時点では研究段階にあるものも多く、すべての作用が明確に確認されているわけではありません。
ショウガエキスを摂れば、必ず体が温まったり不調が和らいだりするのでしょうか。
必ずしもそうとは限りません。
研究段階にある作用もあり、感じ方にも個人差があります。
ショウガエキスは医薬品ではなく食品ですので、体調管理の選択肢として取り入れるとよいでしょう。

ショウガエキスを摂取する方法

ショウガエキスは、食品や飲料、サプリメントなどから取り入れることができます。
ここでは、市販品やサプリメントからショウガエキスを摂取する方法について解説します。
市販の食品・飲料から摂る
ショウガエキスは、飲料やスープ、菓子類など、さまざまな市販食品に配合されています。
調理の手間をかけずに摂取できるため、普段の食生活に取り入れやすい点がメリットです。
ただし、市販品は商品によって配合されている成分や糖質などが異なるため、原材料表示や栄養成分表示を確認して選びましょう。
ショウガエキス配合のサプリメントから摂る
ショウガエキスを手軽に取り入れたい場合は、サプリメントを利用する方法もあります。
カプセルや錠剤などで摂取できるため、生姜の辛味や風味が苦手な方にも取り入れやすい方法です。
サプリメントを選ぶ際は、ショウガエキスの配合量だけでなく、ジンゲロールやショウガオールなどの成分表示も確認しましょう。
ほかの植物由来成分やビタミン、ミネラルなどが配合されている場合は、それらも含めて比較することが大切です。
どの摂り方がいちばんおすすめですか?
ライフスタイルによって向き・不向きがあります。
手軽さを重視するなら市販品、続けやすさを重視するならサプリメントなど、自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。
ショウガエキスを摂取する際の注意点

ショウガエキスは食品なので、たくさん摂っても安心なのでしょうか。
そうとは言い切れません。
食品であっても、摂りすぎれば体に負担がかかることがあります。
ここで、ショウガエキスを安全に取り入れるために確認しておきたい4つの注意点についてみていきましょう。
摂りすぎると胃腸症状が現れる場合がある
ショウガエキスに含まれる辛味成分は、摂りすぎると腹部の不快感や胸焼け、下痢などの胃腸症状が現れる場合があります。
サプリメントや健康食品から摂取する場合は、商品に記載された摂取目安量を確認し、自分の体調に合わせて取り入れることが大切です。
胃腸に違和感がある場合は、無理に続けず摂取を控えるようにしましょう。
アレルギーなどで体質に合わない場合は摂取を中止する
体質によっては、ショウガエキスの摂取後に発疹やかゆみ、口や喉の違和感などが現れる場合があります。
普段とは異なる症状を感じた場合は、無理に摂取を続けず中止しましょう。
また、加工食品やサプリメントには、ショウガエキス以外の原材料が含まれている場合があります。
アレルギーがある方は、事前に原材料表示を確認してから取り入れましょう。
薬を服用している場合は医師・薬剤師に相談する
薬を服用している方は、ショウガエキスを取り入れる前に医師や薬剤師へ相談しましょう。
生姜をはじめとするハーブ製品は、服用中の薬との組み合わせによって影響が生じる場合があります。
食品由来の成分であっても、自己判断で取り入れないことが大切です。
治療中の方は、服用している薬や利用中の健康食品について、医師や薬剤師に伝えて確認しましょう。
妊娠中・授乳中は自己判断で摂取しない
妊娠中や授乳中は、ショウガエキスを自己判断で取り入れず、医師へ相談してから摂取しましょう。
普段の食事で使用する生姜と、ショウガエキスを配合したサプリメントでは、摂取する成分量が異なる場合があります。
また、商品によっては生姜以外の成分も配合されているため、原材料や摂取量を確認することが大切です。
ショウガエキスに関するよくある質問

ショウガエキスを取り入れてみたいのですが、摂取量やタイミングなど分からないことがまだあります。
実際に取り入れるとなると、気になる点も出てきますよね。
ここからは、ショウガエキスについてよくある疑問を確認していきましょう。
Q:ショウガエキスはどのくらい摂取すれば良い?
A.摂取量の目安は、製品によって異なります。
エキスの濃度や含まれる成分量が商品ごとに異なるため、すべての製品に共通する摂取量はありません。
サプリメントや健康食品を利用する際は、パッケージに記載された摂取目安量を確認し、適量を守って取り入れましょう。
Q:ショウガエキスはいつ摂っても大丈夫?
A.ショウガエキスを摂取する時間帯に、明確な決まりはありません。
商品に摂取タイミングの記載がある場合は、その案内に従いましょう。
また、空腹時に摂ると胃の不快感や胸焼けを感じる方もいるため、気になる場合は食後に取り入れるなど、体調に合わせて調整するのがおすすめです。
Q:ショウガエキスは胃が弱い人でも摂取できる?
A.胃が弱い方は、少量から試し、体調の変化を確認しながら取り入れることをおすすめします。
摂取後に胃の不快感などを感じた場合は、量を減らすか、摂取を中止してください。
不安な場合は、医師に相談しましょう。
まとめ|ショウガエキスの成分と特徴を理解して健康管理に役立てよう

ショウガエキスは、生姜から成分を抽出して作られる素材で、食品や飲料、サプリメントなど幅広く活用されています。
生姜由来の成分にはさまざまな作用が研究されていますが、すべての効果が明確に確認されているわけではありません。
健康維持を目的に取り入れる際は、商品の成分表示や摂取目安量を確認することが大切です。
毎日の食事や運動、休養など基本的な生活習慣も意識しながら、自分の体調やライフスタイルに合った方法でショウガエキスを取り入れてみてください。
