眠れない原因はストレスや不安?今夜から試せる7つの対策法

眠れない原因はストレスや不安?今夜から試せる7つの対策法

「明日は大事な仕事があるのに眠れない…」

「布団に入っても頭の中がぐるぐる回りっぱなし…」

「寝ようと焦って、余計に眠れなくなる…」

そんな経験はありませんか?

ストレスや不安で眠れない夜が続くと、体調を崩したり、集中力が低下したり、さらには肌荒れや免疫力の低下など、心と体に深刻な影響が出る可能性があります。

ストレスで眠れなくなるのには科学的なメカニズムがあり、適切に対処すれば改善することも可能です。

今回は、ストレスや不安で眠れなくなる3つの原因と、今夜から試せる7つの具体的な対処法を科学的な根拠に基づいて解説します。

ストレスや不安で眠れなくなる3つの科学的メカニズム

ストレスや不安で眠れなくなる3つの科学的メカニズム

ストレスや不安で眠れなくなるのは、脳と体の生理的な反応によるものであり、主に以下の3つの原因が考えられます。

  • 交感神経が優位になる
  • ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌リズムが乱れる
  • 頭の中で同じことを考える「反芻思考」が続く

1つずつ詳しく見ていきましょう。

交感神経が優位になる

ストレスを感じると、自律神経のうち「交感神経」が優位になります

交感神経は、体を「戦闘モード」にするスイッチのようなもので、心拍数や血圧を上げ、脳を覚醒させる働きがあるのです。

本来、夜になると「副交感神経」が優位になり、体はリラックスモードに切り替わって自然な眠気が訪れるのですが、ストレスや不安があると、夜になっても交感神経が活発なままになってしまいます

その結果、脳は興奮状態が続き、「眠りたいのに眠れない」という状態になります。

たとえ眠れたとしても、深い眠り(ノンレム睡眠)が十分に得られず、浅い眠り(レム睡眠)が多くなり、夜中に何度も目が覚めることがあります。

参考:睡眠とストレスの関係|厚生労働省

ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌リズムが乱れる

ストレスを感じると、副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます

コルチゾールは、ストレスに対抗するために血糖値を上げ、体を臨戦態勢にする重要なホルモンです。

健康な状態では、コルチゾールは朝に分泌量が最も高くなり、日中徐々に減少し、夜には低いレベルになります。

このリズムが、自然な目覚めと眠りのサイクルを作っています。

しかし、慢性的なストレスが続くと、このコルチゾールの分泌リズムが乱れてしまいます

夜になってもコルチゾールの分泌量が減らず、高い状態が続くため、脳が覚醒状態に保たれ、眠りにつくことが難しくなるというわけです。

参考:ストレスホルモンの調節異常と睡眠の質の悪化に関する研究|国立精神・神経医療研究センター

頭の中で同じことを考える「反芻(はんすう)思考」が続く

ストレスや不安が増えると、頭の中で同じことを繰り返し考える「反芻思考」が続き、さらに精神的健康を悪化させることになります。

心理学では、建設的な「反省(リフレクション)」と、有害な「反芻思考(ルーミネーション)」を区別しています。

前者は問題の原因を分析して解決策を見つけようとする思考ですが、後者は「なぜこうなったんだろう…」「もしあの時…」と過去に固執し、感情的苦痛が増していく思考です。

研究によると、反芻思考がうつ症状の悪化につながりかねないことが報告されています。

寝る前に反芻思考が続くと、脳は「まだ対処すべき問題がある」と判断し、覚醒状態を保ち続けてしまいます。

参考:The Role of Rumination and Worry in the Bidirectional Relationship Between Stress and Sleep Quality in Students|PubMed

参考:The effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy on rumination and related psychological indicators: a systematic review and meta-analysis|Springer Nature

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睡眠不足で体と心に起こる4つの深刻な影響

睡眠不足で体と心に起こる4つの深刻な影響

慢性的な睡眠不足は、健康リスクを高めることをあなたはご存じでしょうか?

以下は睡眠不足による代表的な4つの影響です。

  • 免疫力の低下と病気リスクの増加
  • 集中力・判断力の低下と仕事のパフォーマンス悪化
  • 不安やうつ症状の悪化
  • 肌荒れや老化が加速

順番に見ていきましょう。

免疫力の低下と病気リスクの増加

睡眠不足は免疫システムに深刻な影響を及ぼし、感染症や炎症性疾患のリスクを高めることが研究で示されています。

PubMedに掲載された研究によると、睡眠不足は体の中で炎症が続く状態を引き起こし、免疫に関わる病気のリスク増加に影響すると報告されています。

慢性的な炎症は、感染症にかかりやすくなるだけでなく、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患などの発症リスクを高める可能性があると考えられます。

また、睡眠不足によって免疫細胞の機能が低下し、体が本来持っている病原体への抵抗力が弱まり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるだけでなく、回復にも時間がかかるようになることが懸念されます。

参考:Role of sleep deprivation in immune-related disease risk and outcomes|PubMed

集中力・判断力の低下と仕事のパフォーマンス悪化

睡眠不足は、脳の認知機能に直接的な影響を及ぼし、日中のパフォーマンスを著しく低下させます

厚生労働省によると、睡眠不足が続くと昼間の強い眠気や倦怠感が出現し、注意力や集中力、やる気、自発性が低下するなど、生活にさまざまな支障が出てくるとされています。

さらに、睡眠不足で慢性的な眠気や認知パフォーマンスの低下が生じ、ケアレスミスが増える、作業に時間がかかるなど、仕事や家事の効率が大幅に落ちてしまいます。

特に運転や危険作業をする方は、事故のリスクも高まるため注意してください。

また、仕事、家事、育児に忙しい働き盛りの女性にとって、睡眠不足による生産性の低下は、さらなる時間不足を招く悪循環へとつながるので、十分な睡眠をとるようにしましょう。

参考:昼間の眠気|厚生労働省 e-ヘルスネット

不安やうつ症状の悪化

睡眠不足は、心の健康にも影響を与える可能性があります。

研究では、睡眠不足によって脳の感情を制御する機能が低下し、不安や抑うつを引き起こすことが報告されています。

睡眠不足が続くと、脳はネガティブな感情に対して過剰に反応しやすくなり、ポジティブな出来事には反応しにくくなる可能性があるとされています。
その結果、些細なことで不安を感じたり、落ち込みやすくなる場合もあるでしょう。

睡眠不足が心の不調を引き起こし、その不調がさらなる不眠を招く負のスパイラルに陥る前に、睡眠時間の確保に努めましょう。

参考:睡眠不足で情動不安定や抑うつに|国立精神・神経医療研究センター

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肌荒れや老化が加速

睡眠不足によって、肌荒れや老化が進行する可能性もあります。

PubMedに掲載された研究論文では、睡眠不足が皮膚の水分バリア機能を低下させ、肌の水分が失われることで老化プロセスを加速させる可能性が示されています。

水分バリア機能が低下すると、肌は乾燥しやすくなり、外部刺激に対して敏感になります。

その結果、肌荒れ、くすみ、シワ、たるみなどの老化サインが現れやすくなる可能性があるでしょう。

一方で、良質な睡眠を取ることで、これらの悪影響を軽減できる可能性があることも同研究で報告されています。

高価なスキンケア製品を使うことも大切ですが、まずは「質の良い睡眠」という最も基本的な美容ケアを見直すことが、健やかな肌を保つためのポイントです。

参考:Can good sleep quality enhance the benefits of oral collagen supplementation in the prevention of skin aging? A brief report|PubMed

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ストレスや不安で眠れない夜に試したい7つの対処法

ストレスや不安で眠れない夜に試したい7つの対処法

ストレスや不安で眠れない夜、何もせずに布団の中で悶々としていても、余計に目が冴えてしまうだけです。

ここでは、科学的根拠に基づいた、今夜から実践できる7つの具体的な対処法を紹介します。

深呼吸と筋弛緩法で自律神経を整える

深呼吸は、いつでも手軽にできるリラックス法の1つです。

ゆっくりと深く呼吸することで、副交感神経が優位になり、体が自然とリラックスモードに切り替わっていきます

また、「筋弛緩法」も効果的なリラックス方法と言えるでしょう。

つま先から順に、ぎゅっと力を入れて5秒キープし、その後一気に力を抜く動作を繰り返すことで、体の緊張がほぐれ、睡眠の質が向上する可能性があります。

参考:The Effects of Progressive Muscle Relaxation on Mental Health and Sleep Quality in Adults with Cystic Fibrosis: A Randomized Controlled Trial|PubMed

「心配ごとリスト」を書き出して頭を空にする

頭の中で同じことがぐるぐる回り続けるときは、紙に書き出してみましょう

寝る前に、心配事や気になっていることをすべて紙に書き出すことで、脳は「もう考えなくていい」と認識し、反芻思考から解放される可能性があります。

書き出すときは、思いつくままに列挙するだけで問題ありません。

書き終わったら、その紙を引き出しやノートにしまって「今は考えない」と自分に言い聞かせましょう。

この行動が、心理的な区切りをつけることにつながります。

就寝環境を最適化する(照明・温度・音・香り)

睡眠環境は、眠りの質に大きく影響します


厚生労働省の睡眠ガイドでも、以下のように環境の整備が推奨されています。

照明就寝1〜2時間前から、明るい照明を避け、暖色系の間接照明に切り替えましょう。
ブルーライトを避けることで、メラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌がスムーズになります。
温度寝室の温度は18〜20℃前後が理想とされています。
暑すぎても寒すぎても、睡眠の質は低下する可能性があります。
静かな環境が理想ですが、気になる音がある場合は、ホワイトノイズや自然音を小さく流すのも有効です。
香りラベンダーやカモミールなど、リラックス効果があるとされるアロマを活用するのもよいでしょう。

 参考:健康づくりのための睡眠ガイド2023|厚生労働省

寝る2時間前からスマホ・PCを控える

寝る直前まで、スマホやPCを見ることが日常になっている方も多いでしょう。

画面から発せられるブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまう可能性があります。

理想は、就寝2時間前からデジタル機器を使わないことですが、難しい場合は最低でも30分前には画面から離れるようにしましょう

どうしても使う必要がある場合は、ブルーライトカットモードに設定したり、画面の明るさを最小限に落としたりする工夫も有効です。

寝る前の時間は、読書や軽いストレッチ、音楽を聴くなど、リラックスできる活動に切り替えることをおすすめします。

参考:快眠と生活習慣|厚生労働省 e-ヘルスネット

軽いストレッチやヨガで体の緊張をほぐす

日々の緊張やストレスで、体がこわばっている方も多いでしょう。

寝る前に軽いストレッチやヨガを行うことで、筋肉の緊張がほぐれ、リラックス状態へと導かれます

おすすめは、首や肩をゆっくり回す、腰をひねる、前屈するといった簡単な動作です。
激しい運動は逆に交感神経を刺激してしまうため、ゆったりとした動きを心がけましょう。

睡眠をサポートする栄養素を摂る(トリプトファン、GABA、マグネシウムなど)

睡眠の質を高めるためには、日々の食事も大切です。

特定の栄養素が、睡眠をサポートする可能性があることが研究で示されています。

栄養素食品と期待できる効果
トリプトファンバナナ、乳製品、大豆製品などに含まれるアミノ酸で、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になります。
GABA発芽玄米やトマトなどに含まれ、リラックス効果が期待されます。
マグネシウム海藻類、ナッツ類、豆類などに豊富で、神経のリラックスに関わる可能性があるとされています。

ただし、これらはあくまで睡眠をサポートする選択肢の1つと考えておきましょう。


バランスの良い食事を基本に、無理なく取り入れてみてください。

アレックス先生
アレックス先生

国際オーソモレキュラー(ISOM)医学会の公式アンバサダーを務め、現在はNADクリニックのチーフサイエンスオフィサー(東京)として活躍するAlexander Audette氏から、実践的なアドバイスをいただきました。

睡眠の質が低下すると、疲労感やストレスが増し、気分が不安定になりやすくなります。

一方で、仕事のパフォーマンスや日々の幸福感は低下してしまうのです。

睡眠に関わる栄養素の1つに、ビタミンB3(ナイアシンアミド)があります。

このビタミンB3は、体のエネルギー代謝に欠かせない「NAD+」という物質の材料です。

実は、睡眠ホルモンの材料となるトリプトファンも、「NAD+」の材料になることができます。

しかし、体は通常、トリプトファンを睡眠ホルモン(セロトニン→メラトニン)の生成に優先的に使うのです。

ところが、ストレスが強い時や栄養バランスが偏っている時にビタミンB3が不足すると、体はトリプトファンを「NAD+」の生成に回してしまいます。

その結果、睡眠ホルモンが不足し、不眠につながることがあるのです。

また、ビタミンB3からNAD+を作る過程では、マグネシウムも必要になります。

ビタミンB3は、赤身の肉(特にレバー)、鶏肉、魚などに多く含まれています。

サプリメントで摂る場合は、「ナイアシンアミド」を選びましょう。

「ナイアシン」も同じ効果がありますが、肌のほてりや紅潮を起こす可能性があります。

「無理に眠ろうとしない」マインドセットをもつ

「早く寝なきゃ」という焦りが、かえって脳を覚醒させてしまうことがあります。

厚生労働省の睡眠指針でも、「眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする」と指摘しています。

眠れないときは、無理に寝ようとせず、一度ベッドから出て、リラックスできることをしてみましょう。
薄暗い照明の下で読書をしたり、温かいハーブティーを飲んだりして、自然な眠気が訪れるのを待つのも良いでしょう。

「眠れなくても、横になって休んでいるだけで体は休まる」と考えることで、プレッシャーから解放され、かえって眠りにつきやすくなることもあります。

参考:睡眠障害対処12の指針|厚生労働省研究班

熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック 熟睡するための睡眠法│寝る前にリラックスする5つのテクニック

ストレスや不安で眠れない悩みに関するよくある質問

ストレスや不安による不眠について、多くの方が抱える疑問に、科学的根拠をもとに回答します。

Q1:ストレスや不安で眠れない時にお酒を飲むのは逆効果ですか?

はい、寝酒は睡眠の質を低下させる可能性があるため、おすすめできません。

アルコールは寝つきをよくする効果がありますが、その効果は短時間しか続きません。
飲酒後は深い眠りが減少し、浅い眠りが増えるため、夜中に何度も目が覚める可能性があります。

ストレスで眠れないときは、お酒に頼らず、深呼吸やストレッチなど他の方法でリラックスすることをおすすめします。

Q2:眠れない時にやってはいけないNG行動はありますか?

眠れない夜に、無意識にやってしまいがちなNG行動があります。

  • 時計を頻繁に見る:焦りが生まれ、かえって目が冴えてしまう可能性があります
  • ベッドでスマホを見る:ブルーライトがメラトニンの分泌を抑制する可能性があります
  • 夕方以降にカフェインを摂取する:コーヒーや紅茶の覚醒作用は数時間続きます
  • ベッドで悶々と考え続ける:目安として20分以上眠れない場合は、一度ベッドから出てリラックスすると良いでしょう

これらの行為は避け、本記事で紹介した7つの対処法をどれか1つでもいいので、試してみてください。

Q3:ストレスや不安で眠れない原因は栄養不足も関係していますか?

はい、関係しています

睡眠の質を保つには、神経伝達物質の合成に必要な栄養素が欠かせません。

特にビタミンB群は神経機能の維持に重要で、不足するとストレス耐性が低下します。

また、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となるトリプトファンや、神経の興奮を抑えるマグネシウムなども睡眠に関わる栄養素です。

偏った食生活やダイエットによる栄養不足は、ストレスへの対応力を弱め、不眠を悪化させる可能性があります。

バランスの良い食事を心がけることが、睡眠の質改善の基本です。

まとめ|ストレスや不安による不眠は原因を知り適切に対処すれば改善できる

ストレスや不安は、自律神経やホルモンバランスを乱し、睡眠の質を低下させます

ストレスや不安は、自律神経やホルモンバランスを乱し、睡眠の質を低下させます

しかし、原因を理解し適切に対処すれば、多くの場合改善が可能です。

睡眠環境の整備、リラックス習慣の導入、規則正しい生活リズムなど、日常でできる工夫は数多くあります。
また、栄養バランスを整えることも睡眠の質向上に役立ちます。

本記事を参考にしていただき、自分に合った対処法を見つけ、質の高い睡眠をとれるようにしましょう。